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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第七章 開拓地の狂犬
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第54話 静岡へようこそ

 日本が世界に誇る山、富士山

何度見てもきれいだ。世界中探しても、これほど完成された山はなかなかないと思う。エベレストやマッターホルンもきれいだけど、日本代表の富士山には、なにか独特な味わいみたいなものを感じる。僕が日本人だからだろうか……

「ユミさん! うなぎパイここのお店置いてありますよ!」

「なんですって! 買って買って買いまくるのよ!」


 こいつら……何やってんだ


僕たち三人は、世界樹対策課日本支部の戦闘係。今回、世界樹から生まれる化け物ゼノの死骸の調査で、ここ静岡に来たのだ。静岡は世界樹の被害が少なく、東京と比べて建物もしっかりと残っている。避難所の数も少なく、周りの人たちの感じからして、世界樹の影響とかはなさそうなんだが……


 こんなに平和そうなのに……


「やりましたよ、トガ君! うなぎパイたくさん買ったら、おまけで他のお菓子もくれました」

店から出てウッキウキで報告をするミナさん、完全に旅行感覚だ。

しかも、在庫あるだけ全部買ったのかってぐらい一杯買ってる。

「ハ……ハイノメとカンダさんは?」

僕は恐る恐る聞いた。今回、戦闘係の三人と研究員のカンダさんで調査するのだ。真面目な彼女なら、ハイノメの暴走も止めてくれると思っているのだが

「ミナさんはここにいて!」

僕は急いでお店に向かった。


 お土産は最後に買わないと荷物になってしまうから帰りに買わないと!

 違う違うそうじゃない


「カンダさん! 大丈夫ですか?」

僕が声をかけると、彼女は悟ったように口を開いた。

「買っちゃった」

「いまなんて」

「すみません、お土産買ってしまいました」

そう言って僕の目の前に、ご当地キャラクターのキーホルダーを見せつけてきた。申し訳ない気持ちがあるからか、首を横にして僕と目を合わせないようにしている。

「まあ、一個ぐらいならいいですけど……あまり羽目を外さないでくださいよね」

僕は彼女に釘を刺し、ハイノメを探しに回った。

この時、僕は気付けなかった。彼女の後ろに隠れているた大きなぬいぐるみに


 「あ、いた!」

丁度、会計に入っているところだった。

「あ、ショウ! あんたも何か買うの?」

「いや、僕たち仕事できたんじゃ……」

「あら、あなたたち観光客じゃなかったの? ごめんなさいねぇ。いろいろと買わせちゃって」

レジを打っているおばちゃんが、申し訳なさそうにこちらに謝ってきた。

「いえいえ、いいんですよ。私たちもずっと仕事で気が滅入るところでしたので」

「……」

「あらそう、もしかして、あなたたち東京から来たの?」

「はい」

「あら大変だったでしょう……あんなのが出てくるなんてねぇ~ それも世界中で! みんなパニックになっているから旅行客がいない日が続いたもので、おばさん張り切っちゃって……」


世界樹の災害に直接受けていなくても、このように被害を受けている方もいる。

なんせ、世界の主な主要都市に世界樹が現れたのだから


「もう、お土産の生産とかもストップしちゃったし、今ある在庫がなくなったら店を閉めようと思っていてね……」

急に暗い雰囲気が漂っていく

「だから、今日は久々のお客さんということで大サービスしちゃうわよ! これとこれも付けちゃう!」

おばさんは無理やり明るく振舞い場を持ち直した。

「有難う! ショウも何か買うの?」

「うーん、まあ、せっかくだし何か買っちゃおうか」


 ハイノメはミナさん程ではないが、一杯買ったようだ。満足して店を後にした。

「さて、どうしようかな」

僕が悩んでいるなか、おばちゃんが近寄ってきてこっそりと手に持っている物をすすめてきた。

「お兄さん、今夜どうするの?」

「どう?」

「なにボケっとしてんのよ! 両手に花どころか三束も持っちゃて♡ しかも三人ともべっぴんさんじゃない♡」


 なんか一人で盛り上がっている……


「で、どうするの? 誰にするの? まさか全部頂いちゃうの?♡」

僕はおばちゃんの言っていることが最初わからなかった。だが、直ぐに理解できた。

「あと、これも持っときなさい。こんな世の中だから、できちゃったりとかしたらあれじゃない! ほら、明るい家族計画」

「いやいやいやいや、僕たち仕事で……そんな仲じゃ」

「人間関係どうなるかわからないわ! タダであげるからスッポンパワーとゴム! ゴムも手に入りにくくなっているのよ」

おばちゃんは半ば強引に僕にヤるためのものを譲ってくれた。

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