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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第七章 開拓地の狂犬
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第53話 仲間

 僕とミナさんは先に部屋を出たハイノメを追いかける。仕事内容の書類を持っているハイノメがいないと話にならない……


「全く、どうしたものか」

「取りあえず、ユミさんを探しましょう!」

僕たちは廊下で、彼女の行きそうな所を話していた。だがその必要は無かった。

廊下の奥からテクテクと彼女がこちらの方に近づいて来たからだ。

「ユミさん! 大丈夫ですか。心配しましたよ」

ミナさんがハイノメにすぐさま優しく声をかける。

「ごめんね、二人共……先輩として失格だったわ。感情的になってどうかしてた」

ハイノメは弱々しい声で僕たちに謝ってきた。表情は今にも泣きだしそうなぐらい、目の奥が潤っていた。


「大丈夫なのか?」

僕も心配になって彼女に声をかける

「僕たちでよければ相談にのるよ。仲間だろ」

柄にもない事を言ってしまった。後々、聞き返したら恥ずかしくて死にそう。だがこれで、ハイノメの抱えているモノが少しでも楽になってくれればそれでいい。


「ふふふ……ありがと。少し楽になった」

マスクで隠されていても、彼女が微笑んだのがよくわかった。ごついマスクで口元を隠していても、彼女は年相応の女性なのだ。ゼノという化け物との死闘は勿論、最近は僕たちと同じ能力を持った者の対処もしている。


「あ、あの! 私頑張りますので! まだ能力コントロールできてないですけど、これでも最初のころよりは、よくなったと思うんです。いつまでもユミさんの足を引っ張らないように頑張りますので!」

ミナさんは力強く思いを彼女にぶつけた。その思いに心を打たれたハイノメはミナさんの思いに答えた。

「うん、ありがと。あーほっんと先輩として失格だったわ! ショウ! ミナ! 二人共、今日私のやらかしたこと忘れて頂戴! なんならここ最近のダサかった私の姿も、記憶の底から永久に消し去って頂戴!」

ハイノメはそう言って、僕たちに無理難題を押し付けてきた。ようやく彼女のいつもの姿が見られた。

「ユミさん、それは少し無理な相談です」

「ちょっと、ミナ! 先輩の言うことが聞けないわけ~」

「ひーパワハラです!」

この二人の仲良さげなやり取りも、ここ最近見ていなかったので、かなり新鮮に感じた。こんな世界でなければ彼女達も普通なら大学生……先輩後輩の関係か。

「さあショウ! あんたもぼさっとしていないで、早くいくよ」

吹っ切れた彼女の姿は頼もしく、そしてすごく魅力的に感じた。



 「♪~」

気分が良くなったのか彼女は鼻歌を歌っている。

元気ハツラツで現地に向かう準備をしている彼女の姿を見て、僕たちは安堵した。ハイノメが機嫌悪いまま仕事していたら、僕たちも気分が悪くなってしまうからだ。

「そういえば、ユミさん今回の仕事の内容は何なのですか?」

「あ、ごめんね。私が内容の紙持ったまま飛び出しちゃったんだよね。はい! これが今回の私たちの任務よ」

そう言って、ハイノメは僕たちに資料を渡してきた。内容は……


「また、ゼノ関係の内容か……ん? 周囲にゼノの死骸?」

「そう、今回被害にあった人はいないらしいんだけど。ゼノの死骸がいたるところにあるらしいの」

僕はハイノメの説明を聞きながら資料をめくっていく

「うわ! この写真はグロイ……」

ゼノのグチャグチャになった哀れな姿の写真が貼られていた。

一緒に見ていたミナさんの顔が一瞬で悪くなっていった。

「すみません、私まだこういうの慣れてなくて……」

「そんな謝ることないわよ! 嫌なら見ない方がいいよ。今回の仕事は周囲の調査と、それをやった犯人をとっ捕まえることだからね! 無理してグロ写真を見る必要ない」

ハイノメはミナさんを優しく励ます。先ほどまで落ち込んでいた自分を奮い立たせてくれたお礼の気持ちも含まれているのか、いつもよりも優しく柔らかい言葉だった。


 だけど、犯人って……別に悪いことしてないよな

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