第118話 イケないこと……
夕日も沈み、静寂な夜の時間が始まった。仕事はいつもより早く終わった僕は、予定通りカンダさんの家にお見舞いに行くことにした。ミナさんも誘って一緒に行くべきだっただろうか。今更ながら、男が1人で女性の家に行くのはなんかマズい気がしてきた。
ピンポーン
207号室、カンダさんの家の前のチャイムを鳴らす。
しかし、しばらくしても反応がない……。
留守なのか、それとも今は誰とも会いたくないのか。
僕は今日はダメなんだと思い、その場から離れることにした。そう思った瞬間、玄関の扉がゆっくりと空いた。その隙間から周りを気にしながら顔をひょっこりとカンダさんが顔を出した。それもそうだ身体に異変が出ているのだから、前に見たときにあった左目の花は眼帯をして上手く隠している。みたところ変化はそのくらいなので、左目をちゃんと隠していれば、日常生活も問題なさそうだ。もしかしたら全身花だらけになっているんじゃないかと思っていたから。
「お、お久しぶり……です」
「そんな、畏まらなくていいですよ」
「そ、そう……体調はどう?」
「ぼちぼちです。」
早く終わらせたいのか、素っ気ない返答だ。
あまり長引かせてもよくないと思い、会話を終えようとした時
「あの……あがっていきませんか?」
「え?」
「いえ、時間がなければいいんです。ただ外だと話しずらいので」
カンダさんがこんな提案をかけてくるとは思ってもいなかったので、戸惑ってしまった。女性の人の部屋に上がる機会なんて、これからの人生であるかないか、こんなチャンス逃す訳には……
ダメダメ冷静にならないと
それに今はミナさんといい感じじゃないか裏切るのか
二兎追うものは一兎も得ずというじゃないか
そもそも、そういう感じなのか
変に期待しているだけじゃないのか
頭の中でいろんな思考が飛び交っている。
「あ、ショ、ショウさん嫌ならいいんですけど」
「いえ、大丈夫です」
真顔で即答だ。自分で言うのもなんだが気持ち悪いと思う。
カンダさん家の中はきれいに掃除されている。
必要最低限の家具でおしゃれにコーディネートしたインテリアだ。
「へ~おしゃれで綺麗な部屋」
「そ、そうですかね。ミナちゃんみたいに趣味とか、そういうのなくて面白くない部屋だとおもうのだけど……」
「あ、ある意味ミナさんは色々とあって面白いけど……」
ミナさんはお酒置きすぎて少し引くレベルだ。
「あ! このキーホルダー」
部屋の隅の机の上に中くらいのぬいぐるみ達の中に、静岡で買ったご当地キーホルダーがあった。
「ええ、まだ付けていないんです」
「ははは、まさかカンダさんがこういう可愛いの好きだとは思わなかったなぁ」
「い、いいじゃないですか!」
カンダさんは少し顔を赤らめて答えた。
「体調は大丈夫って言ってたけど」
「ええ、すっごく元気です」
「それは良かった。身体の変化とかは大丈夫なの?」
僕は彼女に一番気になることをきいた。
もしかしたら傷つくかもしれないが、必要なことだ。
「あの日以来特に変化はありません。落ち着いたといったところでしょうか。」
彼女は落ち込むことなく、今の自分の状態を詳しく伝えてくれた。
「そっか、でも元気でなにより。それじゃあ家から出られるようになったら、ミナさん達も呼んで一緒に飲みに行きましょう。静岡みたいに災害地から離れた場所ならお店もありますし!」
「ふふふ、あまり遠くに行くと怒られちゃいますよ」
「それじゃあ、おやすみなさい」
「まって!」
彼女は出て行こうとした僕の腕を掴んだ。
「すこしだけ……」
そのまま彼女は僕の腕を持ったまま、自身の胸にあってた。
「か、カンダさん何を?!」
童貞臭満載の反応をしてしまったが仕方がない
いきなり何をしてくるんだこの人は!
「あなたのせいなんですからね」
彼女は胸に当てている僕の腕を左目の眼帯に持ってきた。
僕は無意識に彼女の眼帯を外した。
眼帯から解き放たれた綺麗な花がこちらをじっと見つめている。
「綺麗な花……」
「そう、じゃあこれは?」
そう言って、彼女は服を脱ぎ始めた。
綺麗なスレンダーボディに、触手の様な枝が絡みついている姿はまさに芸術的だった。下着も一緒に脱いでいる状態だったが、異質さと美しさが絡まった姿につい見とれてしまって、男として機能していなかった。
「責任取ってもらいますね」
そう言った彼女は僕の口を自身の口で閉ざした。
何も言えないように……
「カンダさん……僕は」
「ツバキって呼んで、あと今日だけでいいからお願い」
そう言って彼女はシャワーを浴びに行った。
あれ? なにが起こったんだ
いきなりの出来事で頭が回らない……
僕は何が何だかわからないが取りあえず、服を脱いで準備を始めた。何の準備なのかは分かっていない。本能的なもので動いているからだ。
シャワーを浴び終えたカンダさんはタオルを巻いた姿で戻ってきた。
そのまま、自分も流れで浴びることになった。
ど、どどどどうなってしまうんだ!!!
シャワーを浴び準備万端?!
僕は彼女の横に並んで座った。それが正解だと思って
「ごめんなさい急に……、でも自分に嘘話はつけない。だから……」
「ぼ、僕こういうの初めてだから」
「ふふ、私もです。だからこんな強引になっちゃたんですけど♡」
お互いに見つめ合った僕たちはキスの続きを始めた。
中で舌を絡ませながら、お互いが少し一体化していくよな感覚だ。
そのまま、彼女のベットに押し倒し、今度は彼女の花を味わった。優しく吸うと可愛らしい喘ぎ声と同時に甘い蜜が出てきた。
「ハァハァ……、入れて」
彼女は最初少し痛そうな表情を浮かべたが、次第にその表情は快楽によってかき消された。




