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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第11章 Welcome トゥ 混沌 
114/145

第114話 真っ新に生まれ変わって

 「カラツガルの日本応援ラジオ~。さて、始まりました。カラツガルの日本応援ラジオ! この番組は私、カラツガルが災害後の日本を元気づけるために、あんなことやこんなことを語り、災害前の日本を取り戻そうという番組です。」

自分の社宅に帰った頃にはもう夜遅くになっていた。僕はいつもの様に、カラツガルのラジオを聴きながら、就寝する準備を始めていた。


 「今回はですね。ちょっと真面目な回でして、皆さんご存知の方もおられるかもしれません。世界樹対策課日本支部の方に来ていただきました。代表のオオモリトウヤさんです!」


 ブフォ!


思わず寝る前に飲んでいた飲み物を拭きこぼしてしまった。

「支部長いったい何やっているんですか!」

僕は1人しかいない部屋で、ラジオに向かって大声でツッコみを入れてしまった。


 支部長がわざわざ出演されたということは、恐らく世間にゼノの事と、能力者の存在を公表する気なんだろう……。今日、近いうちに公表することになるだろうとか言っていたのに、まさか当日に決定するとは思わなかった。いや、流石にすでに決まっていたのだろう。じゃないとここまで迅速な対応できないはずだ。



 「では、ゼノという怪物が……」

「はい、我々はその危険生物の対処を行っています。」

内容は僕が想像した通り、ゼノの事と能力者ザブの事だった。


「しかし、恐ろしい世界になりましたね……。漫画の様な話でまだにわかには信じられないですが……」

「無理もありません、もし見かけても絶対に近づかない事! 直ぐに逃げること! そのことを徹底してください。世界樹の木の傍にも近づかないでください。」

「そうですね、自分の身は自分で守らないとですね……。」

「あ、あと最後に一つ……」

支部長は半ば強引に割ってでも何かを伝えたいらしい……

「お近くに能力者の方が現れてもどうか非難しないでください。その方も被害者なのです。例えどんな姿になってしまっても……。」

少し元気のない口調だが、このラジオを聴いている視聴者に思いを伝えられたようだ。

「ありがとうございました。では最後に……」

「ああ、ちょっとまって!」

まだ何か伝えたいことがあるようだ。

「世界樹対策課日本支部、新入社員募集中です。能力者の方大歓迎です。元気のある方、正義感のある方、一緒に家族、友達、大切な方を守りませんか? 面接希望の方は……」


 支部長……、あんな話した後に求人の説明は悪手だと思いますよ……


「あ、ありがとうございました。では、皆さん時間もあれなので今日はここでお別れです。本日の曲は支部長のオオモリトウヤさんのリクエスト曲でKingGnuの白日です。」


 意外! 演歌とか聴いていると思っていたから!




 翌朝、世界樹対策課日本支部は昨日のラジオの件で話題沸騰だった。廊下の何処を歩いていても支部長とKingGnuの事しか聞こえなかった。

「おはようございます。ショウ君!」

「あ、おはようございます。ミナさん!」

「昨日のラジオ聴きました?」

どうやらミナさんも聴いていたらしい

「勿論、まさか前半シリアスな重たい空気だったのに、いきなり声のトーン変えて求人の事言い始めたり、選曲のセンスが予想外だったりで、ある意味面白かったよ」

「ね! 支部長もKingGnu聴いたりするんですね」

「いや、あれは別の人のセンスだと僕は思っている!」

「え~、じゃあ支部長のおすすめの曲なんだと思います?」

「う~ん、石川さゆりさんの津軽海峡だな!」

「わかる! でも、それなら石川さゆりさんの曲でもいいと思いますが」

まさかここまでいじられているとは、支部長も思ってもいないだろう。



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