第104話 次の犠牲者
公園の遊具で子供たちが楽しく遊んでいる……
「アハハ! あ、パパ! じゃあね皆また明日」
父親の姿が見えると、女の子は一緒に遊んでいた子達に手を振って、公園から父親と一緒に帰って行った。大人達が見張りをしているとは言え、危険で不安なのだろう、夕焼けが見えるよりも早く父親が迎えに来たのだ。
「レモン、皆と仲良く遊べた?」
「うん! すっごく仲良くなったんだよ」
「それは良かった。パパもお仕事上手くいったよ。レモンのパパとして頑張るからね……」
「うん、約束だよ。でも顔が少し変になってる。」
「おお、本当かい……お仕事頑張りすぎちゃったかな?」
2人の微笑ましい会話は明日の方向へと向かっていった。
日が落ちた後も、区画内の明かりで広場が見渡せるほど明るかった。
「さあ、皆さん祈るのです……祈れば救われます。世界樹様も私たちには手を出したりはしません。」
樹神教の方々は真面目に御祈りを捧げている。
申し訳ないがゼノと戦っている僕からしたら滑稽に見えた。
赤い空……
何だろう変な感じだ 身体の感覚がない……
目の前のゴツゴツした壁が急に動き出した。いやこれは壁なんかじゃない……
あの時、僕たちを襲ったドラゴン……
「世界の意思よ……貴様の意思は……」
大きな顎をゆっくりと動かし、僕にしゃべりかけてきた。
世界の意思?
ドラゴンはそう言い放った後、煙の様に姿を消した。
ちゅんちゅんと、小鳥の鳴き声が聞こえてきた。
「朝か……昨日はマコトさん達と調べたけど、特に進展は無かったからな……今日は何か少しでも証拠を集めないと……」
僕は背伸びをしてから、皆の元へと向かった。
僕が着く前にハイノメとカラスマ君は来ていた様だ。
しかし、何故か険しい顔をしている。
何かあったのか?
「おはよう、2人してどうしたんだ険しい顔をして?」
「おはようショウ、実は……」
ハイノメは一瞬だけ言葉を詰まらせた後、続けて事の状況を教えてくれた。
「おはようございます。皆さん今日も頑張りましょう!」
「あ、おはようござい……」
僕が来た後、直ぐにミナさんも来て事件の事を伝えた。そして、今現在エマとヤタ君が来た状況だ。エマはポカーンとしていて状況がわかっていない様子、ヤタ君は何か気まずい雰囲気を感じ取り、全く喋らなくなってしまった。
「みなさーん、どうされたのですか?」
何もわからないエマが質問してきた。
「おはようエマ、実は次の犠牲者が出てしまった」
「ええ!」
カラスマ君が2人に今朝の事件について、現状わかっていることを説明し始めた。
「今回の事件も人気のない所での犯行でした。目撃者はいませんでした。ここまで目撃情報がないこと、痕跡を残していないとなると、ゼノでなく人間の犯行なのかもしれません……」
「そうですか……」
「うわああ、じゃあまだ怯えて暮らさないといけないじゃないか!」
ヤタ君は発狂し始めた。
「ちょっと、ヤタ君うるさい!」
「もう、区画長さんたちは現場に向かわれたのですか?」
エマが悪げなく聞いてきた。
「エマ……今回の事件の被害者は、その区画長なんだ……」
「え……」




