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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第10章 父と子
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第103話 謝罪

 迷いそうなほどに広大な公園、本来であれば子供たちで賑わっている場所のはずなのだが、災害後その光景は遠い昔の様に消え去ってしまった。今では公園の半分の面積が、テントや荷物の置き場所に変わっている。そんな環境でも、避難している子供たちの元気に遊んでいる姿を見ると、心が穏やかになる。


 その公園の中心の広場に人が集まっている。そこでは不満の声が飛び交っていた。ジンエイマコトさんは、どうやらこの広場の方にいるらしい。自衛隊の彼は避難民の人たちの怒り不満を鎮めている様だ。

「皆さん落ち着いてください! 必ず事件は解決しますから!」

若い男性の声が奥の方から聞こえてきた。

「あ、この声……マコトさんの声です」

ミナさんが僕達に教えてくれた。彼は確かにこの先にいるらしいが、どうやら簡単には会えない雰囲気だ。


「おいおい、そう言っていつまで待たせるんだよ!」

「いい加減にして頂戴、安心して寝れないわ!」

「そもそも、さっさとこの東京から出してくれ。なんで危険な東京にずっと居なきゃならないんだ! 政府は何をやっているんだ」

「俺も実家が群馬なんだがまだ帰らせて貰えない。混乱するとか、危険だとか知ったこっちゃない! こんなとこにいた方が危険だよ……。帰らせてくれよ……」


民衆の不満は限界に達している様だ。


 この光景何処かで見たことあるような……


「な、なんか会うのは厳しそうね……」

「そ、そうですね。昨日もこの件が原因でお会い出来ませんでしたけど……」

ハイノメとカラスマ君は、どうしたもんかと頭を悩ませていた。


そんな泥沼の中、一人の勇敢な男が中へと入っていく……区画長だ。区画長として避難民が気になったのか、それとも息子のマコトさんの事が気になったのか。


「マコト……対策課の方々がお前に会いたがっている。ここは私に任せてお前は会いに行きなさい……。」

「父さん……すまん、助かる」


 「すみません、遅くなってしまいました。この区画の自衛隊の一人、ジンエイマコトです。もう知っているかもしれませんが、先ほどの区画長の息子です。ハイノメさんとユズキさんはお久しぶりですね。」

「お久しぶりです。随分とお忙しいようで……」

「ええ、でも無理もありません。こんな事件があったんですから……」

「か、顔色悪いですけど大丈夫ですか? 前にあった時と比べてその……、元気と言うか何というか……」

「アハハ……やはりそう見えますか。情けない話、結構疲れてます。こんなこと言ったら上官に怒られてしまいますけど」

「私たちに出来ることは何でも言ってくださいね。」

「ありがとうございます。お気持ちだけでも十分嬉しいです。あと、ユズキさんに1つ謝りたいことが……、いえ対策課の皆さんに対して……」

「謝りたいこと?」

ミナさんは頭の上に?マークを浮かべている……


「前回、ここで世界樹の根を駆除していただいた時、自分はあなた方能力者を嫌な目で見てしまったことです。」

彼はとても申し訳なさそうな顔を作った後、深く頭を下げた。

「そんなことですか! 気にしてませんよ……顔を上げて下さい。誰しも最初は不安になったり、恐れたりするものです。」

「ハ、ハイノメさん……」

ハイノメが聖母の様な振る舞いで、悩める子羊に手を差し伸べた。


「……でも、ユミさん。帰りの車の中で愚痴……」

「ミナ! 彼も謝っていることです。何も言わず、許すのが私たちに出来ることです……」

ハイノメが変なことを言うなと、ミナさんに圧をかけている。


 卑怯な女だ……



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