第51話
「傭兵ギルドから呼び出し?」
メディポッド購入から一夜明け、今日の午後には納品というメールを見ていたところ、ペトラからそんな話がやって来た。
「前の第5コロニー防衛の検証が終わったらしいのです。
その褒賞金とか諸々があるから、来て欲しいらしいのです」
「珍しいわね。
大抵オンラインで完結するでしょ?」
「まあ、今丁度暇だし…行ってみるか」
「スキャル様ですね。
えー、はい。先ず、褒賞金が1万エネ「本当にそれで良いのです?」…1万5000エネ「警告はしたのです!通報!」なっ!?なにを言ってるんですか!」
「第1コロニー治安維持部隊だ!
貴方には恒常的な横領の疑惑がかかっている!こちらに来てもらおう!」
「なっ!?
まっ、まさか!お前!鼠の悪魔か!」
「さっさとお縄に付くのです」
「くそがぁぁぁ!」
…はい。
俺達がギルドに向かうと、2・3回に1度発生する治安維持部隊突入劇を眺めつつ、次の受付嬢さんの処理を待つ。
「災難でしたね。
では、褒賞金の5万エネ「通報!」「待機してました!」くそがぁぁぁ!」
「2連続は珍しいな」
「何を見ていけると判断したのかしら」
その後、2度の値上げと通報を経て、治安維持部隊がギルドへ強制捜査に踏み切った。
なーんか見覚えのある展開だが、今回の褒賞金は防衛隊本部でも貰えるらしいので、そちらへ移動することにした。
「えー、まず褒賞金ですが、14万エネとなります」
「おー、受付の人達思いきったなぁ…」
13万懐に入れようチャレンジしてたのか…
「防衛隊や傭兵が展開できなかった中、単独で防衛した功績と、防衛隊の増援到着前に大型船を落とした功績、拠点へ繋がる決定的な証拠が大型船から発見された結果から…
ワンスター防衛勲章を贈呈します!」
「…勲章?」
「はい。
こちらは星付きの勲章ですので、ステーションやコロニーへの居住権が付与されます」
「おっ、おお!
…税金は?」
「勲章持ちの方にはかかりません。
なので、お子さんが継続して住まわれる場合は、そのお子さんには税金がかかる形になります」
「じゅ、授与範囲は何処までなのです?」
「今回は大型船破壊がもっとも大きな功績点でしたので…スキャル様単独となります」
「そんなー!なのです!」
「次のご活躍をお祈りしております」
「ガクッ」
後に聞いた話だが、居住権が再付与されれば、新しく銀行の口座を作り直すことが出来たんだとか…やっぱり欲しいよな…自分の口座…
「そういえば、傭兵ギルドから言伝てを頼まれてまして」
「一体何を?」
「傭兵ランクが、2に上がったそうです」
「おっ、おぉ…そうだったのか…」
傭兵ランク…完全に存在ごと忘れてた…
「依頼ポイントが殆ど無い中で、今回の防衛の功績を鑑みて上げたそうで、今後は依頼も受けて欲しいとのことでした」
「ご丁寧にどうも」
「いえいえ、ついでですから」
しかし…依頼か…
「多分明日にはこのコロニー出るんだが…依頼…受けれるかな…」
「…恐らく、無理でしょうね」
「だよなぁ…」
そんななんとも言えない空気なまま解散した俺達は、人員輸送依頼の輸送主との面会の為、ホテルへ戻るのだった。
「初めまして、私の名前はオーレリア!宜しくなのですわ!」
ホテルへ戻った俺達へ面会に来たのは、金髪のクルクルパーマ…物語の中から出てきたお嬢様そのものな人族の貴族だった。
「初めまして。
私はスキャルと申します。
後ろのクルーはそれぞれ「ローズよ」「ペトラと申します」となります。
短い旅ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします」
「わかりましたわ!皆さん宜しくなのですわ!」
うーん、中々のパンチだなぁ…
「こちらの乗員は、私の他に使用人や護衛、研究者が居ますの!部屋数は足りまして?」
「大部屋中心とはなってしまいますが、事前にお聞きしていた人数であれば問題なく」
一応、余っていた5ブロックを全部個室にすれば、30スロット分…30人収容できて、ハーフにすれば60人…ただ、今回は100人前後居るので、26スロットを大部屋に変更、104人を大部屋に、長達4人を個室にという構成になった。
「ただ、部屋の質については、ご満足頂けない可能性か高く、申し訳ございません」
いやぁ、貴族が乗るって聞いた時に、1部屋でも良いからグレードを上げようと思ったんだが…
貴族が乗るのに最低ラインのグレードは、あのコロニーには存在してなかったよ…
そう言うのって、オーガニック素材を作ってる様な所でしか、売ってないんだとか…
「問題ありませんわ!造船途中のそちらに依頼を投げ掛けたのも私ですし、あのコロニーの部屋のグレードも存じております!
これも良い社会体験ですの!」
「そうですか。
そう言っていただけると、こちらとしても助かります」
「それでは、面会はここまでにしておきますわ!
また明日!船でお会いできることを楽しみにしておりますわ!」
そう言い立ち上がったオーレリア様は、〔オーホッホッホッ〕と言いながら立ち去るのであった。
中々パンチの効いたお客さんとの旅路が、始まろうとしていた。




