第47話
「…なんでトンガリに?」
(俺だけ)大興奮の浴場ユニットを決め、個人の個室と、非常避難者用の大部屋と個室を、船の仕様そのままにしたことで内装が確定した俺達は、一路トンガリの支部へと向かっていた。
「今乗ってる船を、いざという時の脱出船兼、艦載機にしようと思ってるのよ」
「あー、なるほど?」
「ペトラは大きい船の操縦の方が得意でしょ?」
「なのです!ギルドでは大型船で輸送とかしてたのです!」
「だから、敵の数が多い時とかに、中型をペトラ、小型をスキャルって形も良いかもと思ったのよ」
「あー、なるほど…」
そうすれば単純に頭数も増えるし、手としては有りかもしれない。
「後は、今回の乗り換えで、貨物室を換装しても問題なくなったから…そこを含めた改造が目的って訳」
「ほえー」
まぁ、今ならお金もあるしな…改造のタイミングとしては良いかもしれない。
「それと…」
「ん?」
「背中ひっぱたいた成果が、そろそろ出てるはずなのよ。
それを見るのも目的の一つね」
「ほえー」
「「「赤髪の鬼教官だぁ!?」」」
「………は?」
「「「すいません!」」」
トンガリに着いて僅か30秒、辺り一面には土下座をする集団が…
「あぁ…なんか、トンガリに来たって感じがするなぁ…」
「なのです!?スキャルはこの異常事態を見て、なんで平然としてられるのです!?」
あっ、奧の方からエルフっぽいイケメンが半ギレで出て…逃げた!
「成果を見に来たわよ?主砲のトンガリ!」
「ちっ、ちくしょう!なんで大姐さんが生きてやがるんだ!」
「あら?推進機のトンガリから、話しは聞いてなかったのかしら?」
「…あっ!?あの通信そう言うことか!」
「じゃあ、準備は出来てるわよね?」
「いやぁ…その…一応やってはいるんですけど…」
「今回は小型船の100万アップグレードよ?楽しみにしてるわね?」
「待って!出来てない!まだ出来てないんです!」
「あら?
大丈夫よ。私達の船を勝手に改造してた頃のペースでやれば余裕で間に合うわ」
「そっ、それ…ほぼ休み無し…」
「安心しなさい。
私達は中型船の新造で1週間位留まってるわ」
「あっあっあっ…」
「3日後に見に来てあげる。
その時にカタログくらいは見せてもらおうかしら」
「はっはっはっはっ…」
「大丈夫よ!
もし出来てなかったらちょっと手伝ってあげるわ」
「あのー、大姐さん…今の船の知識は…」
「この前旦那に12万エネの最新型を入れてもらったわ」
「ひゅっ…」
あっ、倒れた。
「スキャル、入金今してくれない?」
あっ、復活した。
「待って!待って!」
「ほら、ここをポチっと」
「押すなよ!押すなよぉ!」
「そこまで言うなら…ポチっと」
「何故だぁ!?」
いやぁ、伝統芸能だなぁ…
「こっ、怖いのです…平然とスキャルが地獄に突き落としてるのです…ここは魔境なのです…」
「うわぁぁぁん!もっと早く取り組んどけば良かったぁ!」
そうして、支部長の襷をかけられたエルフが泣きながら走り去ってから…3日が経過した。
「主砲のトンガリ!来たわよ!」
「ひぃぃぃ!嘘だろ!?まだ1日も経ってないじゃないか!」
「3日経過してるわよ」
今日は一応、カタログスペックを見る日だ。
「許してつかぁさい…許してつかぁさい…」
そうして出されたスペックは
ジェネレータ 90
推進機 150
シールド 80
装甲 65
武装 120
であった。
「…ファッ!?」
なんか上限突破してるんですけど!?
「ふぅん…100万でこれ…ね?」
ろっ、ローズさん!?
「ひぃぃぃ!」
「重鈍高火力のコンセプトが崩れてるのだけど…これ組んだの誰?」
「すいません!すいません!」
「あなた、ちょっと腕落としすぎじゃない?
後………プライド捨てたな?」
「ヒッ!?」
「………もういいわ。
それでしてちょ「まっ、待ってください!」…何よ」
「だ、駄目なんだ!」
「………」
「俺達は…俺達だけは!その顔をさせちゃ駄目なんだ!」
「…ほう?」
「…2日…下さい」
「…良い顔になったじゃない」
「ありがとうございます!」
「行きなさい!」
「ヘイ!大姐さん!」
憑き物が取れたような顔をするエルフ支部長と、ニヤリと笑うローズ。
「…スキャル…チューの目が確かなら、指標が壊れてる気がするのです」
「あっ、お帰りペトラ」
「なっ、なのです?あれ!?エルフの支部長がいないのです!?」
「さ、一度帰るわよ」
前2日はトレリスに、今日はトンガリ、明日は中小船舶連合…なんと言うか、ローズ生き生きしてるなぁ…




