第46話
「はいはい、行くわよ」
「うっ、うぅ…ガルルル!」
「すっ、スキャルが野生化しているのです!」
サーバールームを見終え、遊戯室へと向かっていたはずの俺達は、僅か5分程度の旅で、遊戯室をスキップし、最後の浴室へと向かっていた。
「仕方ないでしょ?権利切れとかの作品を利用するにも、遊戯コロニーに行かなきゃ行けないんだから!」
「違うのですローズ、多分スキャルは、ウインドウショッピングだとしても、見たかったんだと思うのです」
「船が出来た次の日には着いてるから、そこまで我慢しなさい」
「クウゥン…クウゥン…」
通信が使えるだけだと、付加価値的に弱いから、権利の切れた映像作品やらゲームやらを買い込んで、使い放題にすることで儲ける…
わかる…わかるけどさ!別に遊戯室見たって良いじゃん!
そりゃ、遊戯専門のコロニーの方が良いのはあるんだろうけどさ!
『浴室エリアに到着しました』
「ほら、スキャル念願の浴室よ」
「うぅ…はい…」
「お兄様なんだか可愛いですね」
「掃除当番を決めるゲームとかで、理不尽な負けかたをすると大体ああなるのです」
「なるほど…それでは、切り替えて浴室の説明に参りましょう。
浴室は大別して2種類ありまして、それぞれ
速度重視
リラックス重視
となります」
「今の船にあるのが、速度重視の浴室ね」
「小型船はそれ一択ですもんね。
スキャルさんの反応的にリラックス重視が良いのでしょうが、一応速度重視の説明もしておきますと、
安価
省スペース
洗浄力
速度
はこちらに軍配が上がりますね。
勿論、リラックス重視でも、オプションを盛れば上回る事「盛ります!」…わかりました」
ハッハァ!ここには金を注ぎ込むぜえ!
後遊戯室!…遊戯…室!幾らかかるかもわからん!
「反動でテンションが凄いことになってるのです!?」
「そうですね…先ずは広さから決めましょうか。
浴室ユニットは、居住ユニットと少し似ていまして、ベースの浴場以外は、スロットに好きな物を設置する形式なんですよ」
「ひゃっほう!」
「ローズ、これ止めた方が良いんじゃないのです?」
「いや、若干目に理性があるから、予算を超えた時だけ止めに入りましょう」
「了解なのです!」
「えーっと、中型船対応の物は…最大で3ブロックのものですね。
大浴場スロット 2
小規模スロット 5
となっています」
「ぐっうおぉ…」
「へぇ、大浴場ってただの湯船じゃないのね」
「ジェットとか、打たせ湯とか、未知の言葉が並んでいるのです」
「2ブロックのものですと、小規模スロットはそのままに、大浴場スロットが1つ減り、1ブロックのものですと、大浴場スロットが無くなります」
「ぐぬ…ぐぬぬ…」
「お値段は1ブロックにつき、5万エネと考えてくだされば良いと思います」
「スロットに入れるのは抜きで?」
「そうですね」
「…よし!3ブロックいっちゃおう!」
「…ローズ、大丈夫なのです?」
「さっき見たら、遊戯室と合わせて500万エネも予算取ってたわ…」
「初めから正気じゃないのです…」
「それではスロットの中身を決めていきましょうか」
「ひゃっほう!」
あっ、仕切りを付けて擬似的に男湯と女湯を分ける機能とかある!付けとこ!
「今さらっと、2400エネのオプションが追加されたのです」
「…大丈夫かしら?」
おっ!内湯・外湯機能有るじゃん!室内気温が変わって、背景とか風とかの演出も付くんですか!?最高だぜぇ!
「また500エネの機能を追加したのです」
「…歯止め効いて…無さそうね」
「えぇっと…スロット…」
「露天用大浴場はシンプルに岩っぽい素材のやつを…内湯の大浴場は、バラエティー豊かに種類を増やす!」
「ちょっと安いのと、結構高いのにいってるのです…理性が効いてるんだか、効いてないんだかわからないのです」
「間違いなく効いてないわよあれ…見た目で即決してるじゃない…」
「檜風呂!壺湯!サウナ!水風呂!」
「凄い勢いでスロットが埋まっていくのです」
「ちゃんと考えて…いるわね…メモを見て話してるわ」
「最後のスロットは速度重視の浴槽ユニットだ!」
あっ、洗い場の洗浄力強化とか、水と空気から洗剤生成ユニットとかある!追加追加!
「えーっと、合計金額が…」
脱衣所から洗濯機直送で自動洗浄オプション?追加ぁ!
「あっ、これも入れて…」
自動洗浄機能じゃ足りない浴室のお掃除をお掃除ボットで?追加ぁ!
「あわ、あわあわ」
メンテナンスユニットのオプションで、万能製造機と連携させればメンテナンスフリーに?追加ぁ!
「ふにゃぁぁぁ!ローズお姉ちゃぁん!」
「よしよし…あぁ、各々キャンペーンがかかってたりして、操作がややこしいのね」
「なの!なの!」
「全部突っ込んでるように見えて、要らなさそうな機能は省いてるところが質悪いのです」
「ヒャッハー!」
脱衣所のカゴのカラーリング変更とか、マットを高級品にとか、別に必要ないぜぇ!
それよりも、浴室内への飲料輸送機能を追加だぜぇ!
入り口手前にも配置して、湯上がりの一杯を提供だぁ!
「最ッ高!」




