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旅人は乗り換えの夢を見る  作者: ライスパディ


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第4話

『スタート星系、第4コロニーへのジャンプ………開始』


 星明かりは線とな「シャッターオン!」暗い画面が広がる。


「さて、初仕事やるぞぉ!」


 あの後、1泊500エネとか言うお財布と胃に優しくない宿を出発した俺は、傭兵ギルド随一の不人気依頼、データ輸送を行っていた。


 星系間のデータ輸送も割と簡単・高速で行える中、なぜか存在するデータ輸送依頼…データの入ったチップを運ぶ仕事が何故こんなに不人気かと言うと…


 まず、船を念入りにスキャンされること。


 次に、そうやって取られたデータが、割と高確率で宙賊に漏れること。


 そして…『ヒャッハー!その船置いてさっさと失せなぁ!』『スペースジャンプキャッチャーを探知、逃走円を表示します』高確率でその情報を掴んだ宙賊に襲われる事だ。


『テメェの船が鈍足なのは知ってんだ!キャッチャー逃れは無理!諦めなぁ!』


「ギャー!?初手でハズレ引いたぁ!?」


 余りに不人気すぎて、溜まりに溜まった依頼を全部押し付けられた訳だが、見事に宙賊に探知された様だ。


「シャッターオフ!

 なーにーが〔傭兵ギルドのセキュリティは万全だ!(キリッ)〕だよ!しっかり抜かれてるじゃねぇか!」


 逃亡防止用に航路情報を事前提示しなきゃいけない事のデメリットがしっかり出てるねぇ!


『ジャンプアウト』


「武装展開ぃ!」


『ヒャッハー!今日は入れ食いだぜぇ!』


 引きずり出された宙域は…うん!遮蔽物なにも無し!


 宙賊君は…1隻だけだね!知ってた!


「うおぉぉぉ!全速前進だぁ!」


 何故1隻だけかって?まぁ、輸送してるデータが、解析費用の割にたいした値段にならないとか色々あるけど…


『船寄越せやぁぁぁ!突撃ぃ!』


 こんな貨物無しのオンボロクソザコ船を狙うのは、それ以上のヤベェ船に乗ってる奴しかいないからだよ!


『テメェの拡散砲の威力は調査済みだぁ!

 別れた弾ァ1・2発当たっても何の問題もねぇし、1発撃ちゃぁシールドごとシャットダウン!

 ほらよ!早く撃ってこいよ!』


 向かい合った、似通った大きさの2つの船は、同じくらいの速度で同時に近付いていく。


『ヒャッハー!蹂躙は最高だぜぇ!』


 シールドの減り方が異様に少ない!


 スペック的にはあの大きさの主砲1発で、3割は削れてもおかしくないのに、1割未満ってことは…


「あいつ副砲しか積んでない!?」


『テメェの欠陥砲よりましだぁ!』


 何だこの弱者の争い!?


「うおぉぉぉ!行ける行ける行ける!」


 シールドが無くなるまで突っ込めぇ!


『…まっ、テメェ!?ラムアタックか!?やっやめろ!両方爆散するだけだ!』


 距離がドンドンと近付き、やがて…


「行けえぇぇぇ!」


『やめろォォォ!』


 ゼロ距離へと…


「ファイアァァァ!」


 なる直前に主砲をぶっぱなす。


 『ブゥン』


 船の全システムがシャットダウンし、暗闇が訪れる。


『再起動します』


 暫くの時間を経て、再度明るくなった画面に映ったのは…


「っし!」


 爆散した宙賊船であった。


「拡散しても、全部当てれば一緒大作戦成功だ!」


 椅子にもたれ掛かり、1つ息を吐く。


「ふぅー、倉庫皆無なせいでリターン皆無なのが中々キツイが…生き残れたからよしとしよう」


 出した息を1つ吸い込み、もう一度操作幹を握る。


「さて、追い剥ぎの宙賊が来る前にさっさと逃げよ『救難信号受信!対応を行ってください!』…う」


 …これは面倒なことになった。


「せめて船なら…ある程度は言い訳も…脱出ポッドだぁ…しかもコールドスリープ機能付きで軍用グレードの高いやつ…」


 短期間でそんな知識を?と思ったそこのあなた。安心してください。モニターに書かれてる事をそのまま復唱しただけです。


「ぐっ、貨物室無しの船にまで、救助義務を付けないで欲しかったなぁ…

 基本装備から回収ドローンが外されてるオンボロ船だぞ…はぁ…ベット立てれば無理矢理積載できるところも恨めしい…」


 ブツブツ文句を言いながらも、宇宙服を着て、コックピット横の出入り口から外へと飛び出す。


「えーっと、放射線等の有害物質はシールドと内部の隔壁機能で除去されます…あーはい。そのまま持って入れば良いのね」


 救難信号を受信した時点で自動航行が働き、漂流物の近くまで行ってくれたのはありがたい。


「場所的には…あぁ、宙賊に回収されてたのか…あれだな」


 流石の軍用グレードポッドで、船の爆散にも耐えきる構造をしているらしい。


 細かい仕組みはわからないが…もしかしなくとも、我が船よりも頑丈なのだろう…


『回収モード、起動します』


「おお!手がくっ付いた!」


 船の中の重力発生装置もオフにしてあるから、さっさと回収してしまおう。


「宙賊…来てくれるなよ…」


 そうして、元の貨物(データチップ)より高価な貨物(脱出ポッド)を積んだ我が船は、宙賊の襲撃に怯えながらも進んで行くのであった。

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