第37話
「とにかく…今日の作業を始めるか」
今日のメニューは漬け丼の素だ。
ホタテの漬けと、調味料扱いで用意されていた卵黄のセット。
購入者は、それを自前のフードプリンター製ご飯の上にのせて、食べる予定。
2人の評判が凄く良かったので、今日はこのメニューにすることにした。
「食べ損ねたのも、お昼に食べれるしな!」
因に今晩は、アヒージョの予定だ。
レシピ本に近しいレシピが載っていたので、ニンニク増し増しにアレンジする予定。
評判が良ければ、この4つで暫くローテーションかな?
「さーて、今日は50食分やるぞ!
余裕があれば、80まで増量する感じで!」
幸いにして、筋肉痛はナノマシンで起きずに済んだが…2日連続あの疲労は…流石に嫌だ…
昼
「ふいー、やっぱり50食が適正くらいか」
昼になり、仕込んでおいた漬け丼を出す。
「なんかしれっと、フードプリンターが追加されてるんだよな…」
他の食材は船から持ち込もうかと考えてたんだが…まぁ、楽になる分には良いか…
「さてさて、お味はどうかな?」
処理する数が半分になったから、結構丁寧に処理できたんだよな…思えば昨日のは酷い出来だった…と思う…食べれなかったし…
「………ふぅ」
うっま!
「ホタテだけじゃ飽きるかと思ってたけど、全然そんなことないな!」
濃厚なのにスルッと食べれて、気付いたら2口目が口に入っている。
「おっとと、卵黄も割って…」
端のホタテをつけたりして…
「はむっ…モグモグ…うまっ!」
濃厚さが更に上がるな!
スルッと感は流石に落ちるけど、それを差し引いてもかなり美味しい。
「いやぁ、連続でホタテだけど全然飽きないな」
普段は好きなものに飽きがきそうだって理由もあって、連続で食べるのはあまり好きじゃないんだが…
これなら1週間位、毎食ホタテ尽くしでも文句言わない位旨い!
「…あっ、食べきっちゃったな」
くっ、もっ、もう少し食べたかった…
「あそこから…いやいや、それは駄目だろ…
………はぁ、仕事するか」
腕にアームをつけて、厨房に向かう。
「よし!やるぞ!」
夜
「ふぅー、終わった」
漬け丼の素を作成し終え、試作アヒージョを作った俺は、アヒージョ片手に帰宅していた。
「おっ、そういえば…商業ギルドでオークションのパブリックビューイングするって言ってたな」
昨日は気にする余裕もなかったが、なんだか盛り上がっている音が聞こえる。
「値段は置いといて、盛り上がってるなら嬉しいな」
やっぱり、祭りって面白いよな。
「次の目的地候補に、祭りやってる所を入れようかな」
多分探せばあるはず…
「ふぅ、ついたついた」
船の認証板に手をつけ、扉を開けて中に入る。
「ただいまー」
後は船内マイクで帰宅を告げればオッケーだ。
「荷物置いたらシャワー浴びよ。
…そういえば朝いた護衛集団、帰りはいなかったな…なんだったんだろうか」
ボヤきながらリビングへと入る。
「あれ?こっちにいないのか…コックピットでオークション見てるっぽいな」
じゃあ、先にシャワー浴びるかな…
荷物を置いて、シャワーを浴びる。
「ふぅー、早いのは良いんだけど、今一慣れないんだよな…」
目を閉じて、両手を広げた状態で待機すると、前身に洗浄剤が塗布されて、水で流され、温風とタオルで速乾される。
水で流されるまでに5秒、乾燥終了までに15秒と、合計20秒で終わるのは良いんだが…風呂に入った気になれない…
「今回の報酬で風呂を…いや、良いやつは中型船からしかなかったんだよな…」
なんでも、小型船だとジェネレータの出力が足りないんだとか…
「中型船なぁ…あの先輩達曰く、ローサイズでも最低100万…出来れば1000万はかけて装甲を厚くしとかないと、宙賊のミサイルで簡単に爆散するらしいんだよなぁ…
本体は30万で買えるから、選択肢に無いことは無いんだが…」
はぁ…オークションで100万とか出てないかなぁ…
「おーい2人ともー、晩ごはんだぞー」
さて、コックピットに入『100万なのだ!』…は?
『さー!出ました100万エネ!23万エネから勝負に出た!』
「うわぁ…あの変態100万注ぎ込んだわよ」
「戦闘機械の会社って儲かるのです…」
なっ、なんか聞き覚えのある声が…
「さあ、どうするのかしら」
「今日は食狂いの貴族とか社長が何人か参加してるのです。
5食セットだから、多分団結して…」
『120万!』
『出ました!120万!』
『125!』
『125万!さあ、これを越えられるか!』
『130万なのだ!』
『130万!…他には?他にはいらっしゃいませんね?はい!ここで落札!5セット目は130万です!』
「昨日に比べて跳ね上がったわね…」
「これでも安い方なのが恐ろしいのです…」
「…は?…は?」
安い…方?
「「あっ」」
「えっ?あっ…えっ?」
「ほーらスキャルリビングに戻りましょうねー」
「…はい?……はい?………はい?」
「もう遅いのです。
昨日のチュー達と同じ反応してるのです」
「あちゃー、失敗したわね」
「明日からの調理が心配なのです…」
「そうね…スキャル結構庶民派だから…」
あれが…100万?…1000エネを切り分けた…あれが?
「スキャル!勝機に戻りなさい!」
「なのです!今年は例年以上に漁獲ペースが早いから、多分1週間持たないのです!そこまで粘るのです!」
「漁獲…ペース?」
「よし!気を引けたわ!」
「なのです!ここの漁獲可能期間は、総漁獲数が一定を越えるまでの期間なのです!
大体毎年1週間だけど…今年はペースが早いからそこまでもたないのです!」
「へー」
「正気に戻った!良くやったわペトラ!」
「むふー!なのです!」
『それでは6セット目のオークションに参ります!』
「ほら!リビング行くわよ!」
「なのです!なのです!」
「あっ、あぁ…そうだな」
なんと言うか…大事になってきた気がする…




