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旅人は乗り換えの夢を見る  作者: ライスパディ


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33/50

第33話

「あっ、あの…ローズさん?」


 ローズの脱出…蹂躙劇から5日、ローズにガッチリホールドされた俺は、猫吸い的な何かをされていた。


「…はぁ…スキャルの匂いって落ち着くわね」


「ローズさーん」


 俺がグロッキーから回復した後は、ずっとこうされている。


「あっ、まだやってるのです」


「流石に、そろそろ解放して差し上げた方がよろしいのでは?」


 ローズを助けに向かってくれた変態イケメン執事は、次の目的地までの同乗だ。


 予め行き先を伝えていたこともあり、そこで合流するらしい。


「流石にスキャルの表情が死んできたのです。

 そろそろ救出するのです」


「かしこまりました」


 あっ、ローズから救出された。


「あっ、かーえーしーてー」


「スキャルの顔が死んでたのです。

 そろそろ1度回復させるべきなのです」


「ぐぬぬぬぬ…じゃあ、お昼まで…」


「今日1日は止めとくのです」


「そんなぁ…」


 うーむ…なんと言うか…


「ローズ…なんかポンコツ化してない?」


「ガーン!」


「おおっ、スキャルが遂に切り込んだのです!」


「触れ辛かった問題に!」


 あっ、皆も思ってたんですね。


「だっ、だって!10日ぶりのスキャルなのよ!誰だってこうなるわよ!」


「誰でもは…無いのです」


「そっ、そうなの?」


「初めての春ですもんね…」


「ふぇっ…そういえば、バロゴがなんでここに…」


「おっと…流石は恋する乙女!好きな人以外の男性体は目に入りませんか!」


「ちょっ、ちょっと待ちなさい…あんた、確か偵察とか侵入とかの担当よね」


「勿論!今までのお姿は全て保存してますとも!」


「ちょっ!?待ちなさい!正気に戻るのよ!」


「いやぁ、楽しみですね!フィノラ様との観賞会!」


「うわぁぁぁ!止めて!止めてぇ!」


 その後、20分近く続いた鬼ごっこは、ローズがフィノラさんの船のメンテナンスをするということで、交渉成立したらしい。




 『キュルキュルキュル』


「あっ、お茶ありがとうなのです!」


 『キュルキュルキュル』


「おお、壁にも張り付けるのか…掃除ご苦労様!」


 『キュルキュルキュル』


「武器コーナーの整理終わったわよー」


 目的地まで後20日…俺達は1つの問題に衝突していた。


 そう…小型輸送型戦闘機械348式…コイツらどうしよう問題である。


「それでは、第1回!あいつらどうしよう会議を始めます!」


「イエーイなのです!」


「それでは、ペトラ担当員、現状を!」


「はいなのです!議長!

 小型輸送型戦闘機械348式…長いからハコベル君にするのです!

 ハコベル君は、現在562機体!完全に飽和しているのです!」


「小型船に乗せる量じゃありませんね…」


「よくその機体数の武装を用意できたわね」


 あっそれ、俺も気になってた!


「評判が悪くて投げ売りされてた製造ライセンスを、在庫ごと買ったのです!

 全部まとめて3000エネで買えたのです!」


「あー、在庫ごと買って、数を揃えたのね」


「なのです!」


「あの場面で、良くそんなこと思い付きましたね…元軍属だったりします?」


「チューは面倒な仕事を纏めて押し付けられてたから…修羅場の経験値は高いのです!

 あとあと、こういう破産前の工房の救済みたいなのも、良く担当してたのです!

 大体こういう武器は治安維持部隊の倉庫行きだったのです!

 …多分宙賊に横流しされてたのです」


「それは…なんと言うか…」


「あそこの行政腐ってたものね…」


「それよりも!どうするかなのです!」


「そうねぇ…100体位なら、私が改造して修理用ドローンに転用出来るわよ」


「採用で!」


「あと400体なのです!」


「さらっと端数押し付けたわね…」


「現状の用途で使うなら?」


「20体もいれば十分なのです!

 …というか、途中で製造ライセンス買ったから、増産しようと思えば幾らでもいけるのです!」


「そっかぁ…」


「いっそのこと、製造機でインゴットに戻す手もあるわよ」


「それが一番現実的ではあるのです」


「そっかぁ…」


 何かに使えないかと思ったんだけどなぁ…


「次点で、商業ギルド辺りに寄贈してしまうという手もあるのです」


「あー、確かにそれも良いかもしれないわね」


「ん?何でだ?」


 シンプルに資材分損なのでは?


「次に行くステーションみたいなところのギルドは、漁が解禁されてる間しか稼働しないから、予算がかなり低いのです」


「前のヒトデのステーションもそうだったのだけど、結構旧式の輸送機械使ってるのよね」


「あー、それで恩が売れると」


「なのです!多分結構優遇してくれると思うのです!」


「それで良いのか…」


「良いのです!現場は、地獄が緩和されるためなら何でもやるのです!」


「えぇ…」


「決まりね」


「まぁ、そうだな…寄贈するか…」

 

 …となると、足の踏み場もない現状はキープのままかぁ…


 少しの憂いを帯びながら、小型船は進んでいく。

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