表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅人は乗り換えの夢を見る  作者: ライスパディ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/38

第30話

「王手なのです!」


「グッ…ぐぬ…ぐぬぬぬぬ…」


 ローズが入院して1週間、ちょっと長引くという話を受けた俺達は、今日も変わらず船の中にいた。


「…ぐぅ…負けだ」


「イエーイ!大勝利なのです!」


 因に、この間外出は一度もしていない。


 何故かって?病院の帰り道が地獄だったからさぁ!


「こっ、今度こ『プルルル』…くそぅ!」


「フッフッフー!勝ち逃げなのです!」


 発信元は病院か…退院のお知らせかな?


「はい…はい………はい?…はい…はぁ!?ちょっ!嘘だろ!あっちょっ!切られた…」


「………なんか嫌な予感がするのです」


「聞いて驚けー!現在ローズは、このコロニーのトップに勧誘を受けてるらしい」


「へっ、へぇーなのです」


「何でも、船の維持コストがかなり大きいから、削減したいんだとか」


「待つのです…猛烈に嫌な予感がするのです」


「ついでに、傭兵が支払ったらしい、12万エネも踏み倒してしまおう大作戦だそうだ」


「かなり面倒な展開なのです…多分それ、トップ本人じゃなくて息子のパターンなのです…それも次男とかの継承順位が低いタイプの…」


「キレそうなローズと、武力を背景にそれを押し通そうとするトップサイドで、今にも衝突が起きそうだから引き取ってほしいそうだ」


「…あっ、フィノラからメールなのです」


「目が遠いぞー、ペトラー」


「………高飛びするらしいのです。

 万能製造機は船に、戦闘機械はローズに送ったらしいのです」


「………」


「現実を見るのですスキャル。

 コロニーのトップ層とぶつかって出禁までは確定事項なのです」


「うっ、うぅ…何でだよぉ!」


「運がなかったのです」


「ウガァァァ!」


「さっ、どう動くのです?」


「どうもこうも、ペトラが船に残って俺が出撃しかないだろ」


「…ローズを待つと言う手もあるのです」


「…よし!行ってくる!」


「いってらっしゃーい!なのですー!」


 しっかりと装備を整えた俺は、病院方向に向かって駆け出すのだった。




 船を出て15分、念の為にと近くに船を停めた事が功を奏した俺は、既に鉄火場と化している病院近くへと辿り着いていた。


「…はい…はい…今病院前です。

 当方としては争うつもりはありません」


 …が、とにもかくにも病院側への釈明が先であった。


「…はい…そうですね。

 このままこの星系を出るつもりでして、始めに渡しました術後計画書を確認…はい…いえ、当方と相手方との面識はありません」


 ペトラ曰く

  〔たかだか1コロニーと関係が悪くなる程度なら、傭兵的には無問題なのです!

   でも、人機連は洒落にならないのです!

   インプラントとかが全部信用できなくなるのです!〕

 だそうだ。


「ええ、私どもの方から証明ログをお送り致しました。

 …はい…目線に入っていた程度の可能性はあります」


 正直、戦場の少し手前まで来てこんなやり取りをしたくないのだが、ペトラじゃ聞く耳持たれなかったらしいからしょうがない。


「はい…はい…当方から情報が漏れた可能性は否定できません…いえ、肯定は致しません」


 それでまた、相手方がめんどくさい!何で担当者人間なんだよ!機械知性にしてくれよ!


「はい…はい…はい?…はぁ…1度だけ警告しますよ…うちもログ取ってるので、しかるべき人機連の機関に持ち込むことも、やぶさかではないのですが?」


 とにかく責任逃れに必死!言うに事欠いてローズを差し出せとか言いやがった!絶対許さねぇ!ここ凌いだら絶対人機連に通報してやる!


「はい…はい…はぁ…言い出したのはそちらですよね?大体、責任があるとすれば当方ではなくコロニー側ではありませんか?」


 あっヤバッ!銃弾飛んでる!もうちょっと下がらなきゃ!


「…はぁ…あなた個人の心情ではなく、人機連として回答いただきたいのですが?」


 正直段々と人機連が信じきれなくなりつつあるのだが、ペトラ曰く辺境の提携支部はこの程度らしい。


「あなたの首のために、クルーの人生を差し出すつもりは毛頭ありません。

 …っと、失礼!少し移動します!」


 施術は機械知性が行ってて、どれだけ干渉したくても出来ないから基本的に大丈夫なんだとか…今回は例外!


「…ん?ペトラから…あぁ、機械知性に通報したのね?現時点でアイツもう責任者から解任されたと…あぁ…はいはい…聞こえてました?だそうなんで…知らないですよ!とにかく!今回我々に非がないことは証明されましたので!」


 あぁもう!二度と提携支部なんて行かねぇ!次からは機械知性運営の支部に行くね!


「うわっとぉ!見誤ったか!」


 ここまで下がれば十分かと思ってたんだが…戦場に巻き込まれたっぽい!


 戦っているのは人間の部隊と、戦闘機械の部隊…人間がコロニーサイドかな?


 辺り一帯は、両脇を囲むビルと、真ん中を通る直線の道路で…死角はない!


「迂回するか否か…」


 一応全力で引けば別の道路に出られなくはないんだが…


「むっ!そちらはスキャルさんですね!」


 何奴!?


「私は865号!フィノラ様の輸送担当です!」


 見た目はイケメン執事、動きはゴ(心外なのだ!)リ!ローズから聞いてた、この変態仕様のチューニングは!


「ああ!フィノラさんの所の!」


「…納得のされかたが若干不満ですがその通り!私はローズ様の救出に行くので戦線維持頼みました!」


「え゛っ!?」


「…はい!残るバトルドローンの操作権委譲!それでは!」


「配役逆じゃ…無いのかなぁ…行っちゃったなぁ…」


 やっ、やるしかねぇ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ