第29話
あれから3時間、最早俺達忘れられてるんじゃないかという気持ちになりながらも、ポテトフライとドリンクバーで粘る迷惑客の俺達は、調べものをしたりしながら駄弁っていた。
「ほえー、万能製造機っていっぱい種類あるのです…」
「見てると割と家庭用もあったりするな…
ほえー、衣服を分解、再構成で洗濯要らずかぁ…」
「染み抜きとかしなくて良いの助かるのです」
「これだけ出来て1500エネなら、買ってる家もありそうだな」
「このコロニーなら買ってる家多そうなのです!
他のコロニーは…輸送費次第なのです」
「確かに」
「それでスキャルは、この中ならどれが良いのです?」
「そうだなぁ…船舶用モデルは最安でも2万超えてくるからなぁ…」
「ある程度作れるように考えたら、5万は見とき…っとローズからなのです」
「おっ、連絡来たか」
「それじゃあ行くのです!」
行くかぁ。
道中
『ピキュン!』
研究所へ向かう道すがら、突然の発砲が俺達を襲う。
「おう兄ちゃん、ちょっとそこの女置いて行きな」
強面のゴリラ獣人…明らかな宙族である。
「通報したのです」
「制圧モードで発砲ドーン!」
「ハッ、その程度シールギャァ!?」
楽なものだ…というか結構なれてきた。
「この道でもう3度目なのです」
「行きは襲撃無かったんだけどなぁ…」
「見定めてたのです?」
「かもなぁ」
治安維持部隊の到着は変わらず1時間後ね…なら追加で2発か。
「よいしょぉ!」
「グァッ!」
これで官警が来るまでは痺れてるだろう。
「じゃあ行くかぁ」
「なのですー」
「…それで、合計8回も襲撃を受けたと」
10分程度の道程を30分かけて踏破した俺達は、〔遅いわよ〕とプリプリ怒るローズに状況を説明していた。
「全部単独犯でかなり助かったな」
「あのエイ無のスキャルが一撃だったのです!
訓練の成果を感じるのです!」
「ローズブートキャンプキツかったしなぁ…」
「アレでもかなり楽な方よ?」
「「えぇ…」」
毎回次の日は結構な筋肉痛だったんだけどなぁ…
「えっ、あの道そんなに危険な道なのだ?」
「うーん、これまでは見るだけだった奴らが、襲ってきた感じだったんだよなぁ…」
「あぁ、私が散らしてた奴らが襲ってきたのね。
この2人は…確かにかなりの吸引力を発揮しそうね」
「チューの感覚的にはそこまで危ない道じゃないのです。
多分人混みに紛れてれば安全な道なのです」
「そうか…これからは出る時間を気を付けようか」
「その辺りはフォーにでも管理…っと、あの戦争で壊れたのよね…調子狂うわ」
「しょうがないのだ。
フィノもたまに呼んじゃうのだ」
なんかしんみりしてるな…っと、そうだった。
「そういえば、戦闘機械の話はどうなったんだ?」
「ん?今日は顔見せじゃなかったのだ?」
「そうそう!2人が来てからにしようと思って、後回しにしてたのよ!」
「別に先言えば良かったのだ」
「そうしたら最後あんたまともに会話できなくなるでしょ?」
「ぐぅ」
「ぐうの音が出たのです」
そんな話をしながらも、そういうことならと、フィノが奥の方から端末を持ってくる。
「予算と構成を言うのだ。
一応表向きは小型専門店にしてるけど、そこら辺は気にしなくて良いのだ」
「予算は…そうだな…万能製造機込みで20万を想定してる」
「スキャル!?10万エネって言ってたじゃない!?」
「いや、さっきの待ち時間にペトラが良い稼ぎ場を見付けてな。
次そこに行くからある程度は良いかなと」
「あっ、そうなのね」
「そうなのです!」
あっ、ペトラが腰に手を当てつつドヤ顔してる。
「予算は20万なのだ?
構成はどうするのだ?」
「俺は元軍人なローズに丸投げした」
「私は現役の知識を持ってるフィノラに丸投げよ」
「お前達…少しは考えた方が良いのだ…」
「でも、アンタが一番好きな依頼でしょ?」
「あったり前なのだ!」
「あっ、万能製造機は船の修理にも使うから、そこだけ忘れないでね」
「わかったのだ!納期はどうするのだ?」
「私がインプラントのインストールが終わるまでね」
「1週間で良いのだ?」
「あら、半分に短縮されたの?」
「のだ。順調に技術が育ったのだ」
「じゃあそれで」
「のだ。
…もう良いのだ?」
「いいわよ」
「ヒャッホーイ!ひっさびさに自由なのだぁ!」
フィノラさんが跳び跳ねるように裏へと飛んでいく…背中にスラスター付けてたのか…
「さ、私達はインプラントの方に行くわよ。
付近の星系の中でも結構大きめな人機連の病院があるのよ」
「人機連…」
懐かしい名前だ…
「事インプラントとか知識関係の手術おいて、あそこ以上に信用できる場所はないわ」
「世にも珍しい、完全中立組織なのです!」
「ほえー」
そんなに凄かったのか…あそこ。
そんな思いも持ちつつ、ローズが店の看板をCloseに変えたことを確認した俺達は、一路病院へと向かっていった。




