第23話
「かっ、金稼ぎじゃーい!」
見事な散財をかまし、残金が1万エネを割った俺とその一行は、お金を稼ぐために、一路セカンド星系へと向かっていた。
そこをおすすめしてくれたのはペトラだ。
〔丁度向こうにつく頃に狩りが解禁されるのです!
初心者でも狩りやすい宇宙生物だからおすすめなのです!〕
とはペトラの言。
そんな俺達は今…
「ふふっ、その程度焼け石に水よ!港から一番遠かった自分を恨みなさい!」
何処かで見たこと有るゲーム…に似たゲームを遊んでいた。
「ギャァァァ!」
その名も《狸の助船舶》!
…今の悲鳴はあれだ…ちょっと付喪神に資産を吹き飛ばされただけだ…
「ふふっ、やはりコツコツが一番なのです…目立たず着実に…うにゃっ!?コンピューターさん!それはマズいのです!」
画面上のペトラの船が、コンピューターの使ったカードの効果により、扇に煽られて遠くの宙域へと吹き飛ばされていく。
「あー、かなり遠くまで吹き飛ばされたわね」
「うおぉぉぉ!今のうちにゴールを!」
「うわぁぁぁ!待ってほしいのです!」
因にこれは、VRゲーム5本買ったら1本ついてくるキャンペーンで選んだデジタルゲームで、船の外側を映す用モニターでやっているのも相まって、映画並みの大迫力となっている。
「いやぁ、楽しいわね!」
「負けるかぁ!」
「待つのですぅ!」
因に、勝敗は1位ローズ、2位コンピューターで、3位に俺、4位ペトラとなった。
「最後のカード横取りカードで、チューの徳政令カードを取られるなんて…」
「運で勝った…」
「いや、スキャル3位じゃない」
こうして、前回が嘘の様な騒がしさで、次の星系へと向かうのであった。
移動開始から4日経ち、無事にセカンド星系第1ステーションに到着した俺達は、傭兵ギルドへと向かっていた。
「空荷で来て正解だったな」
「貨物庫の中身が空か位は、外からのスキャンで確認できるのです。
宙賊も要らないリスクは取らないって事なのです」
今回の宙賊襲撃数はまさかの0!
4000エネの食料カートリッジ保管室が効いたのかも知れないが、かなり助かる結果となった。
「後は、時期も関係有るでしょうね。
解禁日に合わせて来る船も増えているでしょうし、1隻見逃した程度なら良いって判断をしたのかも知れないわ」
そんなこんなでたどり着いた傭兵ギルドは人!人!人!こんなに傭兵いたのかと驚くレベルで人が溢れている。
「ひえー、流石解禁間近のギルドなのです…ここのギルドじゃなくて良かったのです…」
それもこれも、狩り?漁?をするためには、免許を対面で貰う必要があると言うのが理由なのだが…これは大変だ…
「チューもイナゴの巣が見付かった時に、一度やった事あるのです…
過去の経歴を見て、問題がないかチェックするのです…無茶苦茶大変なのです…」
ひえー…あっ、27人待ちだ。
「順番が近くなると、呼び出してくれるアプリがあるみたいよ?
これに登録してカフェにでも行きましょ」
「「さんせーい」」
近くで言い合いも起きてるし、さっさと離れるが吉だな。
「はい!問題無し!交付!」
あれから1時間待たされたとは思えないスピードで、交付が完了した。
「…はい。確認できたのです!お仕事お疲れ様なのです!紅茶どうぞなのです!」
「ありがとう!…はぁ、なんでどの傭兵も元受付嬢連れてないのかしら…まぁ、過ぎた願いか…行って良いわよ」
なんか、ペトラのお陰でスムーズに行ったらしい。
軽くお礼を言って、船への帰途につく。
「なんか良くわからんが、ありがとうなペトラ」
「フッフッフッ!事前にスキャルの人物判定を済ませておいたのです!
一番時間のかかるらトリプルチェックも済ませたデータを渡したから、それの真偽判定だけで済んで楽チンなのです!」
「ほえー」
良く分からんが、ありがたい!
「ローズもありがとうな」
「なにがよ」
「さっきから目で色々牽制してるだろ?そのお礼」
「…ふーん」
「そっ、そうだったのです!?ありがとうなのです!ローズ!」
「ふふっ、どういたしまして」
フッフッフッ、このビビリの洞察力を舐めるでないわ!言い掛かりを付けようと、迫ろうとしている奴は何となくわかる!
…そこから、2人連れてスルッと逃げようとしてたんだが、ローズの眼光のお陰で逃げずに済んで助かってる。
しっかし…ステーションで人がほぼ住んでないとは言え…常駐の治安維持部隊がいないのはどうにかならないのかね…
一抹の不安を抱えつつ、船へと戻った俺達は、漁を行うために出発するのであった。




