第22話
「いらっしゃいませー」
なんだかホワホワしているペトラを連れた俺達がやってきたのは、武具店だ。
かなり物騒な名前だが、それに見合った商品が展示、販売されている。
「やっぱり、500年はだてじゃないわね…性能がとんでもなく良いわ」
「そりゃな…見たこと無い形して無いだけましなレベルだろうし…」
かく言う俺は、以外と見たこと有る形が多くて驚いている。
「見た目は流石にね…銃とかここ2万年近く形が変わってないはずだし…」
「驚きのロングセラーだな」
今回買う予定なのは、全員分の銃と、シールド発生装置等、護身用の細々とした装備だ。
「なあ、俺の銃本当に買い換えた方が良いのか?」
「当たり前でしょ!?傭兵ギルドのシミュレーターに対応してないって、一体何年前の掴まされたのよ!?」
〔一応撃てるよ?〕と言う俺の発言を無視しつつ、ローズは幾つかの銃を比べている。
「おっ、早見表なんてあるのか…性能と値段…うげっ、途中から明らかに跳ね上がってるじゃん」
100代200代300代と、スペックに応じて順当に値段が上がっているのに対し、銃は500代から、シールドは400代から値段が跳ね上がっている。
「コスパ的にはここら辺になるのかね…」
性能が400代、お値段が430エネの、形状がアサルトライフルっぽい銃を手に取る。
「むっちゃ軽いな…反動もほぼ無しで、普段は背中に背負う形になるのね」
この前襲撃を受けたところだし、あんまりケチりたくは無いが…俺の心の貧乏性が…
「よし、スキャル!ペトラ!来なさい!
ここから上のランクを試し撃ちして、一番合うのを買うわよ!」
チラリと値札を見ると、そこには1200エネの文字が…はい…元軍人に従います…
「はわっ、はわっ」「これは無駄遣いじゃない…これは無駄遣いじゃない…」
銃が4000エネ、シールドが4500エネ、その他グレネードなんかを500エネ、合計9000エネの買い物を済ませた俺達は、次の店へと歩いていた。
なんでも、最高ランクのポータルシールドと、それを抜ける武装って言うのが、戦場に立つ最低条件なんだそうで…コスパなんかくそ食らえの精神で、高額の武装一式を購入した。
…ただ、これはあくまで安い大量生産品なので、何処かで買い換えも必要…らしいです…
「ほら、もうつくわよ。シャキッとしなさい!」
「「はいっ!」
続いて来ましたは、フルダイブ型のヘッドセット専門店だ。
「いらっしゃーせー」
今回は、そのまま宇宙船の操縦も出来るタイプのものを1つ、一緒に遊ぶ用のものを2つ買う予定だ。
…はい。いざとなればゲーム中でも即宇宙戦に切り替えです。
「ほえー…意外と種類有るんだなぁ…」
特化型とか、万能型とか、色々と売っている。
「値段は…感じる範囲が変わるのです!」
フムフム…風を感じたり、味覚を感じたり、結構幅があるのか…高級品になればなるほど、嫌な匂いとかも再現できるようになると…
まっ、そんなクラスは万超えて来るから、買えないんですけどね!
とは言え、今回の予算は1人1000エネ…かなりの大盤振る舞いである!
更にこの後には、船内サーバーを入れたり、みんなで遊ぶ用のソフトを買ったりと、更なる散財も予定している。
もう!二度と!あの地獄は味合わない!
尚、故障に備えて、アナログゲーム詰め合わせ(100エネ)も購入済みだ。
「………マジか」
そんな万全の体制で挑んだ今回であったが、まさかの誤算…買う予定のヘッドセットが売り切れてしまっていた。
現行の1つ前のシリーズで、かなりお安く買える予定だったのだが…
売り切れゴメンで、本当に売り切れている場面に出くわすのはかなり久々だな…
「あら、そのバージョン売り切れちゃったのね。
新しい方は…ちょっと予算オーバーかしら」
最新型のフルダイブヘッドセット…一番安いので、お値段3400エネ…
船乗りの間ではフルダイブ型は流行っていないのか、廉価モデルは廃止されたらしい。
「どうしたのです?
あー、あのバージョン売り切れちゃったのですね。
元々宇宙船系特化みたいな感じだったし…直接操作機能無いバージョンは300エネ位安かったのです。
仕方ないのです」
「あー、そりゃそうなるか…うーん」
「アナログゲームもあるし、こっちは止めちゃう?」
「いや、訓練用にも買うしか無いんだが…」
「あー、そんなこと言ってたわね」
「あっ、じゃあ傭兵ギルドに連絡するのです!
確か推奨助成金が出てたはずなのです!」
「おっ!そりゃ良いな!それじゃあ早速………出ないな」
「そりゃそうよ。
今絶賛捜査中よ?」
「あっ」「そうだったぁ!?」
その後、長い葛藤の末、宇宙船に強い少しお高いやつ(3600エネ)を選択した俺は、2人のヘッドセット(計1870エネ)、ソフト類(計500エネ)も購入し、ほうほうの体で店を出るのであった。




