第24話
「そろそろ着くぞー」
「「はーい」」
今回の狩り場はこちら、小惑星帯だ。
想定している期間は30日!ステーションのドックは1月契約で借りておいたので、毎日往復する予定だ。
その間の俺のルーティンは、朝の移動中にシミュレーターで訓練、狩り場についてからは訓練内容を実践、帰りに復習という流れで…言わば修行編というわけである!
ペトラはというと、狩りの最中に俺のシミュレーターを使って操船訓練したり、オペレーターの訓練をしたりと、こちらはこちらで修行編となる。
ローズは、修理の知識と勘を取り戻すとかで、ひたすらシミュレーター漬けなんだそうだ。
…ただまぁ、初日くらいは皆で狩りをしようという事で、全員コックピットに集まっている。
「確か、レーダーのモードを…宇宙生物チューニングに…名前は宇宙ヒトデっと…」
「へぇ、ここは宇宙ヒトデの狩猟場なのね」
「なのです!変にレーザーとか撃って来ないから、初心者にピッタリなのです!」
宇宙ヒトデ…見た目はヒトデそのもので、全長はマチマチで数メートルのものから、キロメートルを超えるものまである。
食料は小惑星で、その中にある気に入った種類の鉱石を濃縮して表皮にする特性を持つ。
売れるのは皮と体内のコアで、皮は鉱物資源として、コアは万能製造機と呼ばれる機械の部品になるそうだ。
「大きさにもよるけど、大体2・3匹狩ったら貨物庫が満載になるから、そうなったらステーションに戻って、往復する形になるな」
「なるほどね…っと、早速レーザーに感アリよ!」
「おっ!早速3匹だ!」
「大漁なのです!」
レーダーの場所は…あの4つ先の小惑星かな?…丁度ついさっき訓練でやったところだから、間違えられないぜ!
「…3つ先だったな」
「どうしたのです?」
「いや、なんでもない」
さて、切り替えて戦闘である。
今回の相手は宇宙生物ヒトデ!足が繋がる中央部分を撃ち抜かない限り動き続ける生命力の持ち主!
ただし、一番高いコアもそこにある為、撃ち抜かぬよう注意が必要!
「俺の今の腕試しだ!ファイア!」
『コアは無しか…まぁ、慣れりゃ撃ち抜かずに行けるさ!がんばれルーキー!』
「あぁ…ありがとう…」
あれからかれこれ5往復…その間に狩ったヒトデは12匹…コアは0である。
「くっ…まさかここまで取れないとは…」
「副砲の威力の高さも中々邪魔をしてたわね。
レーザーが太いから、一緒に撃ち抜いちゃうのよ」
とは回収担当ローズの言。
初めての回収ドローンに悪戦苦闘する俺を見かねて、代わりに回収してくれた彼女のドローン捌きは、ノータイムで担当をお願いするだけの腕を持っていた。
「それでも、今日だけで7000エネも稼いでいるのです!この調子で稼げば、マスタリーシリーズも夢じゃないのです!」
そんなお金の目をするペトラは、レーダーへとかじり付き、かなりの発見速度で漁をサポートしてくれる。
後は、俺の腕さえあれば…よし!訓練するぞ!
「グアァァァ!?やられたぁ…」
漁を初めてから5日目、今日は5日に1度の休漁日…漁が出来ない日である。
この間に、ギルドの調査船がヒトデの減少量を調べ、まだ漁を続けても良いか判断するというのが、毎年の決まりらしい。
この5日1クールを3~5ヶ月繰り返し、また禁漁になるわけだ。
そして、そんな休みには…
「次!実践あるのみ!」
船に乗りたいけどやることもない…そんな暇人たちによる、熱きシミュレーターバトルが行われているのだ!
シミュレーターで使えるのは自分の船限定…我こそはという船乗りたちが争っている。
…因に、傭兵ギルドのシミュレーターは3時間待ちらしく、特設フルダイブヘッドセット販売店の売り上げが爆増中なんだとか…
「うわぁぁぁ!?また負けた!」
そんな現在、0勝23連敗の俺は、挫けそうな心を強く持ちながら、実戦経験を積み続ける。
「うおぉぉぉ!」
しかし、ローズからバトルモードの禁止、チャージ砲禁止の枷をかけられた俺が、先輩傭兵相手に勝てるわけもなく…
「ぐわぁぁぁ!?つっ、次こそ!…次のクールこそ勝つからなぁ!」
アッサリと連敗記録を延ばした俺は、挫けそうな心を強く持ち、ログを見ながら一人反省会をし、次の戦いへと身を投じるのであった。
結局、1勝もできなかった俺は、ローズに慰められながら夕食を取るのであった。




