第16話
『家のシマ荒らしてんのテメ「バトルモード起動!」嘗めてんじゃねぇぞ!』
中型の船が2隻、小型が4隻の編隊がワープアウトし、そのままの勢いで大量のビーム、ミサイルが発射される。
「うおぉぉぉ!くらいつけぇぇぇ!」
しかし、その全てが空を切り、ビームに撃ち抜かれ、無に帰していく。
『なっ!?なんだコイツ!?』
『噂に聞くAランク傭兵か!?』
『化け物だぁ!?』
それを聞き流しながら操縦桿を動かし、狙える位置へ動かす。
『なんだ!?急に素人じみた動きを!?』
『わからねぇ!?わからねぇよ!?』
『化け物だぁ!?』
何故かはわからないが、相手が激しく動揺して動かないので、中型船をロックして…
「主砲ファイア!」
『グアァァァ!?』
『『『アニキィ!?』』』
中型ミサイル船、撃破。
「《主砲急速充填》起動!小型船ロック!」
『アニキの仇ぃ!』
陣形が動いた。
これまでの小型船前、中型船後ろという陣形から、小型船1隻を囮に、他の船で囲み込む様な陣形へ移動していく。
勿論機首は此方に向けながら。
「副砲Aファイア!」
『ギャァァァ!?』
囮の小型船1隻撃破!
この後は…経験則的に…
「こっち!」
包囲してきた中で、一番足の遅そうな小型船を見定め、そこへ突っ込む!
「正面からロック!からの『やらせるかよ!』」
副砲を発射する直前、船へのロックが強制解除され、急旋回する。
『チィッ!これも避けやがるか!』
元居た場所を太めのレーザーが通過するのを横目に、再度ロックをし、今度は側面から副砲Bを放つ。
『ギャァァァ!?』
小型船2隻目撃破!
爆風を横目に速度を上げ、包囲を抜けつつUターンしていく。
場所は散っているが正面に3隻、振り出しに戻った!
次に狙うのは比較的逃げ腰の船…真ん中の小型船だな!
放置すると回避起動とか取り始めて、ロックした程度じゃ弾を当てられなくなるから先に仕留める。
「ウラァーラァー!」
副砲Aをわかりやすく外し、ヘッドオンヘッドに持っていく。
『畜生野郎殺る気だ!嘗めんなコラァ!』
どうやら宙賊というのは嘗められたら終わりの家業らしく、挑発して1対1を仕掛けてくるとほぼほぼ乗ってくる。
「ロック!副砲Cファイア!」
『クソギャァァァ!?』
ヘッドオンヘッド状態ならロックオンで外すことは無いので、しっかりと仕留めて爆風を抜ける。
これで全面に中型レーザー船、後に小型船と挟まれる事になったわけだが…
『主砲チャージ完了』
「中型船ロック!」
『チィッ!だがあんなデカブツそう何度も撃てるわけ…』
「主砲ファイア!」
『なっ!?クソガァァァ!?』
残り小型船1!
再度爆風を抜け、Uターンし、敵を視界に納める。
「最後は基本に忠実に!副砲で削って主砲で決める!《主砲急速冷却》!」
『くっ、来るな!?来るなぁ!?』
「ロック!B!A!」
1発目で大きくシールドを削り、2発目で削り切る。
「主砲ファイア!」
『ギャァァァ!?』
レーダーを確認し、目視でもチェックし…
「オールクリア!周囲に敵影無し!」
『よくやったスキャル!帰ってこい!次殺るぞ!』
あれから4日が経った。
今だ報酬の話はなく、船の納品もない。
俺?俺は、終らない改良地獄の実験体として、終らない宙賊退治の日々を送っている。
一応…ね?ピンチになったら駆け付けてくれるらしいんだけど…今のところ1度もない。
じゃあピンチになっていないのかと言うと、そんなことは全くなく、死に物狂いで生にしがみ付いた結果、なんかちょっとだけ宙賊対策が上手くなった。
ローズはなんか、シュミレーター実験の方の監督をしているらしい。
〔あんな酷い船にはもう二度と乗せないわ!〕らしい。
実験場が酷いことには特になにも言わない辺り、奴らと同類な気もする。
「着陸完了…ふぃー…休める…」
『テメェらかかれ!データ取ったら次乗っけるぞ!』
『『『おう!』』』
そう言えば陣頭指揮取ってる支部長ドワーフは、実験仲間の寿命延長措置の実験を受けたところ、それが成功したらしく、いつ死ぬか定かではないが長生きらしい。
因にその実験では100人中80人が死の淵をさ迷い、15人が何の変化もなく終わり、4人が若干寿命が伸び、1人が成功したらしい。
以降その実験は凍結され、実験仲間は深く悲しんだと待機中に話していた。
ただ、それで諦める様な軟弱者ではなかったらしく、支部長を実験仲間に、闇に潜って続きをしようと誘われ、縁を切ったそうだ。
曰く〔人をモルモットとかコワッ…友達辞めるわ〕らしい。
それではそんな支部長の発言を聞いてみよう!
『スキャル!次の装備の準備終ったぞ!座標ここな!行ってこい!』
貴方も同類だと思います…
「スキャル、発艦します」
『行ってこーい!』




