第14話
『終わったのです!レーダーから敵対的宇宙生物の反応が消失!防衛成功なのです!』
あれから1時間位だろうか…逃げ惑うイナゴスライムをしっかりと仕留めた俺達は、各々の反応を見せながら、コロニーへと戻っていた。
『各々のカメラデータは、機械知能さんが処理中なのです!
処理が終了次第、各々の報酬が提示されるはずなので、確認をお願いするのです!
今回の戦利品は生体部品なので、トンガリ造船所が一括で回収、買取りするのです!
自分で違う場所に売却したい場合は、トンガリ造船所のカスタマーサポートに連絡『ヤメロォォォ!仕事を増やすナァァァ!』…連絡したら対応してくれるのです!』
「言い切ったわね」
「言い切ったな」
なんと言うか…今回の襲撃で最も成長したのは、彼女ではなかろうか…
「さて、私たちも戻るわよ。
今回の襲撃でバトルデータも集まったし、多分もう2日位調整して、納品になると思うわ」
「手厚いなぁ」
「多分変な機能増やされるわよ」
「実験目的かぁ…」
追加機能にお金かからないのは有りがたいんだけど…船のエネルギーとか大丈夫なんだろうか…
「さて、スキャル…報酬も見込めることだし、今日は外食でもしない?」
「ホテルの外の?」
「そう!この前ペトラに教えて貰った所があるのよ!気になってて!」
「じゃあそうしようか」
「決まりね!」
…と、言われまして来ましたのが…ここ!
「《手料理ステップ》…家庭料理のお店なのか」
木造…に見える壁紙を張った、一軒家…っぽいホログラムのビルの24階にその店はあった。
「そうそう。ちょっとお高めの、自分へのご褒美ご飯らしいわ」
「へぇー」
そう言いながら中へと入り、席に案内される。
メニューはどうやら日替わり1択らしい。
「ここは、フードプリンターで出力した食材を調理してくれるお店で、格安で人の作ったご飯が食べられるって評判なのよ」
「ほえー、フードプリンターって食材も出せるのか…今度調理器具も探してみるか?」
「ハハハ、誰が調理するのよ?
素人が手を出してもろくなことにならないわよ?」
「いやぁ…たまには自分で作った野菜炒めでご飯をこう…かきこみたい欲求と言うか…」
「そうね。やってみたい夢はあるわね…
それこそ、少女漫画なんかでは、主人公がご飯を作れて、周りが〔ええっ!?〕って驚くのがお決まりだったりするしね」
「へぇー、じゃあ小さい頃のローズもお母さんに料理を習ったり?」
「出来ないわよ、家の両親2人とも料理人じゃないし」
「えっ?いや、卵焼きとか…」
「出来るわけないじゃない。
スキャル、私の両親を完璧超人か何かだと勘違いしてない?」
「………俺、それくらいなら出来るけど」
「いやいや、なに言ってるのよ?こっちに来る前も料理人してなかったんでしょ?」
「俺の周りも、皆それくらいなら…」
「いやいや、この大宇宙時代…に………まさか!?」
「えっ?」
「貴方未開惑星出身!?」
「うぐっ」
なんだろう…なんと言うか精神に強烈なダメージが…
「ほあー、ほえー、今度私の読んでた漫画貸してあげるわ。
未開惑星出身の主人公本当に多いのよね…」
「そっ、その…未開惑星って言い方止めないか?」
「星間航行出来ない惑星は大別して未開惑星よ」
「うぐっ…なっ、なんで星間航行出来ないって…」
「どの文明もそうなのだけど、初期の星間航行ってとんでもなく時間がかかるのよね…その間料理はフードプリンター1択になるから、料理法なんて大半失伝するわ」
「そこで星間航行しなければ…」
「そこまで文明が進んでしまえば、大抵2・3個は別の惑星に入植してるものなのよ。
過去からのいざこざで領土欲から戦争も起きる星と、歴史が浅くて、何処が何処の領地かはっきりしてる星…
大抵母星は焼き払われるわ」
「うっそだろ!?」
「同時に料理人も殆どが居なくなるわね」
「えぇ…」
「だから、現代で料理が出来て、料理人でも貴族でもないとなれば…未開惑星出身ね」
「ひどい過去を聞いた気がする…」
ガラガラとカートを押す音が聞こえ、食事が運ばれてくる。
「お待たせしました。生姜焼き定食でございます」
「どうも」「ありがとう」
目の前に出てきたのは、千切りキャベツと豚の生姜焼き、味噌汁に米がセットとなった、よくある定食だ。
「おおー、美味しそう」
「凄い…まるでオーガニックを使う高級料理店の様ね」
ううむ…流石にローズの前では言わないが、高級料理店でこのビジュアルの定食が出てきた日には、俺はキレる気がするんだ。
気になって調べたから値段だけ知ってるんだよ…1食1万エネを超えるって…日本円にして100万円超えである。
「さて、食べるか」
「そうしましょう」
先ずは生姜焼きかな?
「…うん。美味しい」
あの、ゲルじゃないだけで美味しい判定が出る、フードプリンターとは雲泥の差だ…久々の町の定食屋さんの生姜焼き…涙出そう…
「うっ、うっ…これが料理なのね…軍のフードプリンターで喜んでたのが、バカみたいじゃない…」
補足しておくが、ローズの所属していた軍のフードプリンターは中の下と言ったグレードで、飲み物に強いプリンターなんだそうだ。
…つまりご飯はマズ…美味しくない。
それでも、田舎のカフェ位の飲み物が飲めると喜んでいたのが、当時のローズ少女である。
「フーム…正直前のフードプリンターが酷すぎて、ご飯は諦めてた所があるんだが…お金貯めて狙う価値があるかもな」
「…はっ!?そうね!フードプリンターの中には、手作りを超えたと美食家に言わせたシリーズもあるわ!いつか…いつかそれを買いましょう!」
なんかローズに新しい属性が付いた様な気がしつつも、楽しい食事は進んでいく。
「よっ、40エネ!?」
「たっ「やすっ!?」「そうでしょう!」…すい」
少しのトラップを残して…




