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旅人は乗り換えの夢を見る  作者: ライスパディ


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第11話

 スペック表

  ジェネレータ 30

  推進機    10(40)

  シールド   12

  装甲     5

  武装     50

 三角錐の2ブロック船で、居住空間が狭い変わりに、広めの貨物庫が用意されている。

 本体価格は2万2000エネだ。


「これぞトンガリよね。

 データ輸送艦の時にあった気持ち悪さが消えているわ」


「うそぉん…」


「装甲を極限まで削ることで低価格化と軽量化を実現!ついでにシールドも削って更に低価格化!推進機も緊急回避以外の出力がでない型で更に低価格化!」


「この40は緊急回避時の値よ」


「えぇ…」


「その全てを火力に振ったこの機体はまさに火力お化け!下部に設置された主砲の威力は、なんとフルチャージで中型船のミドルサイズを一撃!」


「それ…過剰火力なん「更に!」…はい」


「左右上に付けられた副砲も強力で、小型船なら基本1発、多くとも2発で確実に爆散まで持っていきます!」


「えぇ…」


「ただし、薄すぎる装甲のせいで、此方も大体1~2発で轟沈します」


「えぇ…」


 絶対初心者向けじゃないだろこれ…


「そんな貴方に此方のオプション!《斜線表示機》!」


「避けろと!?弾全部避けろと!?」


「本当にトンガリらしいわ…こう…意地でも設計思想を曲げない辺りが本当に…」


「ヤベェのです…こんな船絶対乗りたくないのです…」


 黙って聞いてたペトラちゃんまでドン引きしてるよ…俺もドン引きだよ…


「安心しなさいスキャル。

 ここの電話を取って…」


「あっ、お客様勝手に!」


「あっ、カスタマー担当者?何時もの発作よ」


 その話が終わるかどうかのタイミングで、扉を蹴破るようにドロップキックの体勢の男が入ってくる。


「オイゴラァ!販売担当!何回目だゴラァ!」


「ヒイィ!カスタマーサービスだぁ!?」


 そうして、ちょっと目がイッちゃってた販売担当のホビットが投げ飛ばされ、目の下の隈が凄い、白髪がボサボサの痩せ細った人族の男が変わりに椅子に座る。


「はい…はい…なるほど。

 これであれば、シールドのオプションを付けられるのが宜しいかと。

 本日お買い上げ頂けるのであれば、迷惑料込みで、1つ下のグレードの価格で提供させて頂きます」


「ほら、比較的まともな担当者が出てきたわ」


「確かに…」


「まあ、こっちはこっちでイッちゃってるから…」


「おいこっち何連勤だと思「ていっ!」あっ、すみません…つい呪詛が」


「こうして定期的に吐き出される呪詛を、止める必要があるのよね」


「500年前から?」


「変わらずこうよ」


「変わってようよぉ…」


 ほら、横に座るペトラちゃんが涙目に…あっこっちに来た…俺を盾にしてプルプル震えてる…可哀想に…


「開発と販売が暴走して、カスタマーサービスが奔走してるこの感じ…トンガリを感じるわ…」


「末期だよこの企業…」


「チューもそう思うのです」


「おぉ!我が社の砲塔をご使用で!それでは継続割も適用いたしますね!」


「あの人目の焦点があってないんだけど…」


「怖いのです…」


「仕事はしっかりしてる…はずよ…多分…」


「ん?足音が…」


「おい!470年前の砲塔が来たって本当か!?」


 そうして部屋に入ってきたのは黒髪のドワーフ族の男せ「ホワタァ!」「ウオォォォ!砲塔のデータァ!」「タゥアホゥ!」「グアァァァ!?」…いは投げ飛ばされたため退場しました。


「船の下取りをさせていただけるのであれば、更に割引いたしますがいかがでしょうか」


「幾らになるかしら?」


「直接の割引でしたら2000エネ程…」


 ローズが平然としてるぅ…


「ねっねぇ、スキャルさん…」


「どうしたんだいペトラちゃん…」


「チュー、次からこの会社との調整役を任されてて…」


「それは…うん…御愁傷様…」


「うわぁぁぁん!」


 いよいよ場が混沌として参りました。


「よし。スキャル、取り敢えず交渉してみたけど、24のシールドにして、20の推進機にするか、32のシールドにして、推進機は据え置きか、どっちにする?

 値段はどっちとも25000エネになりそうだけど」


「以外と安いな」


 「シールドなんて追加させてたまるかぁ!」「砲塔データァ!」「ホワタァ!」


「かなり値切れたから…これ以上は無理ね」


「因に装甲は?」


「装甲とジェネレータは、相変わらず無茶苦茶高いから無理ね。

 逆にシールドは、隣の星系で材料が大量に採れたみたいで無茶苦茶安いわ。

 買うなら今って感じね」


 価格推移的にも…確かに。


「それならシールドにしとくか。

 推進機は、荷物積んだ時に誤差みたいになりそうだし」


 よし、支払いするか。


「すいま「ホワタァ!」…すいませ「アゥアホゥァ!」…どうしようか」


「決済なら、そこの端末で勝手にすれば終わるわよ」


「そっか…」


 決済画面を開き…手のひらを乗せるのね…『ピポン♪』…出来たか。


「納品は3日後ワタァ!それまでは我が社提携のホゥワァ!ホテルに無料で宿泊ゥオタァ!」


「うし、行くか」


「スキャルさん…チューは…チューは…」


「行きましょうか」


「うっうっ…」


 そうして、不憫なペトラと別れてから…3日が経った。

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