第二話
ピンクのラナンキュラスが扉の前に飾られている部屋に、ピンクの髪色に緑の瞳。髪飾りには緑のリボンに鍵ついている。背丈は高すぎず低すぎずの、少年?少女?がいた。
性別がわからないその子は、一本の鍵を手に持っている。
その子は部屋の中にある無数の扉の中から、鍵のかかった扉を選ぶと、その扉に慣れた手つきで持っていた鍵をさしこんだ。
扉の先はとても広い部屋で棚や壁に沢山の鍵がかけられている。
その子はそんな広い部屋の片隅にひっそりと置かれている引き出し付きのオープンラックの眼の前に歩いていく。
オープンラックの手前で立ち止まると、髪飾りのリボンに付いていた鍵を取り外し、オープンラックの鍵付きの引き出しにさしこんだ。
ガチャリ.....
鍵が空いた音がする。
その子は静かに、ー少し指先が震えながらー引き出しに手を伸ばした。
引き出しの中には、一枚の古びた絵があった。
肖像画だ。
その肖像画には、美しい貴族の女性と男性。
そして、一人の男の子が描かれている。
突然、床に一粒の雫がこぼれ落ちた。
一つ、また一つとこぼれ落ちてくる。
その子は肖像画を大事そうに抱えて座りこんでいた。
「ぼくは...ぼくは......何もできなかった...。離れなければよかった....っづ...ぼくは大馬鹿者だ....。」
その子は暫く、きれいな瞳から溢れる雫を落としていた。
かなりの時間がたった頃、やっと溢れ出す雫はなくなり、大事に抱えていた肖像画も再び引き出しにしまって鍵をかけた。
その子は立ち上がる時、最後に言った。
「お父様、お母様、僕はいつになったらお二人に会えますか...?」




