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Ⅱ
「また薬草茶でごめんね。熱いから気をつけて」
「いえ、どうもありがとうございます」
「ううん。昨日のとはまた違うやつだからこれも口に合えばいいんだけど」
手渡されたそれを受け取り、湯気が立ち上る火傷しないように息を吹きかける
そうしている間に自分の分を用意して口に運んでいるクロムの姿を見つつも、おそるおそる口に運べばほんのりと優しい甘みが口の中に広がった
口あたりは甘いのに、ほんの少し独特な酸っぱさや辛みも感じる
とはいえそこまで主張が激しい訳ではなく、後味に少し残るといった程度のもの
むしろただ甘いだけよりもすっきりとしていて飲みやすく感じられる
「おいしいです」
「よかった。今日はセコルの根にシュルギスの根も刻んで混ぜてるんだ
シュルギスは滋養強壮に良かったり、身体を温めてくれる効果があるからこういった早い時間には丁度良くて」
素直に伝えれば彼は柔らかく微笑み、それから昨日と同じようにその原材料と薬効を教えてくれる
たしかに数口と付けるうちに段々と身体の芯から熱が浮かび、徐々に指先までじんわりと広がって行くような気がする
外気で強ばっていた身体が解れていく心地よさにシリアはほうっと息を洩らす
吐き出した白いもやが両手で持つ木製のカップから上がる湯気とともにまだ冷たい空気の中を登っていった




