表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い鳥は何を見る  作者: みつき
3.第2王子と庭園の主
52/80

ⅩⅢ




またナイフを投げられても良いようにとなるべくは男との間に生垣などの遮蔽物が入るようにしていると、先程の場所からとっ、と何か軽い音がした

おそらくは山猫もこちらへと渡ってきたのだろうその音を聞きながらも冷静に自分が辿るべきルートを頭のなかで組み立てていく


ーーファルにーさまはこの時間であればまだギリギリ執務棟にいる……それならこっちの離宮を通り抜けた方が早いし、遮蔽物だって多いはず


そんな風に考え、少し暗くなり始めた中を進むシリアであったのだが、どれだけ彼女が進んだとしてもその目的の離宮が視界に入ることはなかった


ーーなに、ここ?


その代わりだとばかりにそこにあったのはかなり広々とした面積の庭園

いや、花の類は一切なく、手入れの行き届いているであろう畝には蒼々と茂っている草木が並んでいるその様は植物園だとでも評した方がいいかもしれない


少し遠くには温室であるのかガラス張りの建物が見え、その横に管理小屋にしてはかなり規模が大きく、かといって屋敷と呼ぶにはあまりにも飾り気のない木造の建物と井戸がある


ーーこんなとこ地図には……?


本来の地図上であればここは間違いなく現在は使われていない離宮のひとつが建っていたはずだ

もちろん、王城の施設であるからにはいつでも使えるようにと手入れはされているだろうが、こんな風に植物の管理までされることはない


であれば当然そこにはそれをする人がいて、ここには地図にすら載らなくなってしまう何らかの理由があるということに他ならない

そんなところに不用意に足を踏み入れて良いのかなどとわずかにシリアは逡巡したが、やはり気にしていられるような状況でもない


「ねえ、ちょっと」


やがて決心をして庭園を通り抜けようとすると、シリアはひとりの青年に話しかけられた

自分ひとりだと思っていた場所に唐突に現れた青年に思わずシリアの心臓が跳ねる


やはりここには立ち入るべきじゃなかったかなどと考えていれば、井戸の近くに立つシリアとは頭ひとつ分ほど離れた背を持つ青年はそのまま足早にシリアへと近付いた


「こっち来て」


「え……?」


それがどういうことなのか、わけもわからずただ困惑していると青年は焦れたようにシリアの手を掴む





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ