表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い鳥は何を見る  作者: みつき
1.朱の髪を持つ少女
13/80

ⅩⅢ




「それにしてもまっすぐ歩いてきたにしては若干時間がかかっていたようだけど、何か問題でもあったのかい?」


「せっかくですので少し市場を見て回っていて……あ、そうでした。閣下。実は先程こちらの市場でとてもおいしそうなキルカの実が売っていたんですよ!」


ふと思い出したようにシリアは手を打つと、先程脱いで手に持ったままになっていた外套の中から革袋を取り出す

もちろん先程買ったばかりのキルカの実が入ったものである


おいしそうな、ではなく実際にとてもおいしいこともシリアはよく知っていたが、それについてはあえて口に出さないでおいた

さすがに淑女として食い意地が張っているなどとは思われたくはないのである


先程よりも若干砕けた口調とともにいくつかの実を袋から取り出し、手に乗せて見せる


ちなみに転びかけた際に手から飛んで行った衝撃で悪くなっていないかは、黒髪の青年が立ち去った後に確認済みだ


キルカの実は薄くとも硬い殻が付いているおかげで丈夫で傷みにくい

産地であるメイフェルベリーとこんなにも距離が離れた王都まで届けられているのはそういった理由もあるのだろう


シリアはこころの中でキルカの実とそれを運んでくれた商人たちに感謝した


「なるほど……これはたしかに食べ頃の、実にいいね」


赤錆色の果実を見てファーレインも思わず唸る

当然だ。それほどまでにシリアの剪定の目は優れていたのである


「ひとつもらっても?」


「はい」


自分たちからすれば見慣れない赤錆色の実を摘み上げた聖騎士卿に衛兵たちは肝が冷える


彼はこの国のNo.2

いくら自分が懇意にしている相手とはいえ、見慣れない食材を、毒味もなしに口にしていいはずがない


しかし思わず声をかけようとした若い衛兵の腕を掴み、衛兵の長をしている男は無言のまま小さく首を振った




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ