表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い鳥は何を見る  作者: みつき
1.朱の髪を持つ少女
11/80

ⅩⅠ




エルフェンリート王国において、騎士は叙勲とともに準男爵位が与えられる

いかに準男爵と言えどそれが貴族であることに変わりはない

すなわち騎士とは称号であると同時に爵位でもあるとも言えるわけだ


当然、国に忠誠を誓い研鑽を積めば誰しもがなれるなどというものではない

たゆまぬ努力を積み重ね、人格や実力を認められたごく一部の者だけが騎士になることを許される狭き門なのだ


要はエリートの中のエリートだということであり、ただの騎士であったとしても一般の平民上がりの兵士からすれば雲の上の存在だと言えるだろう


だというのにその騎士たちを束ねる騎士団長であり、「騎士の中の騎士」だというこの国でただひとり「聖騎士」の称号を与えられたファーレインに向けられる敬意ともなれば、もはや王族にも匹敵するほどのものであった


しかし彼らはそんなお方がなぜ、とは決して口に出さない


とても嬉しそうに少女へと歩み寄るまだ若き騎士団長の姿から、彼がこの少女をとても懇意にしており、堪えきれずに自ら足を運んだということは明白だったからだ


なるほどたしかに美しい少女だ

宵闇を切り裂くような艶やかな朱の髪に温かみのある白玉のような肌


身に纏う服もとても上品にしつらえたものであり、彼女の魅力をより一層引き立てているようだった

王都に住まう貴族のご令嬢は好まないそれらだが、たしかにこのセンスのよさそうな聖騎士卿が少女に見立てたものだと言うのならば合点がいく


であるならば、この逢瀬は決して口外してはならないものであるというのは衛兵たちからすれば自明の理


聖騎士卿は妻を持たない

その理由はとうてい彼らのようなただの衛兵には推し量れるようなことではなかったが、おそらくは身分違いなど何らかの事情があって一緒になれないこの少女のために操を立てているのだと衛兵たちは推測したのだ


この裏門を預かる厳つい顔をした衛兵の長は、なるほど閣下は男の中の男であるのだと心の中で唸った



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ