第八話 先々のことを考えたら、下着選びって大事。好みの下着を着けての行為なら、きっと燃え上がるから。でも、真の様子が…
前回のあらすじ 『これからずっと真の隣にいるんだし、一緒にスることは増やしたいし覚えたい。それはそれとして、プロポーズもした』
まあ、ダメよね(素面)
いくら好き同士であっても、私たちはまだ高校1年生。
結婚出来る年まで、まだ2年少々…卒業までで言えば、2年半以上。
そりゃ、受けてくれるわけないか…。
それに…。
自宅へと向かう足が止まる。
後ろを振り向けば、流れて来た風が髪ををさらって、どこかへ去っていく。
『今はそれどころじゃない』
私は、真が男の子でも女の子でもどちらでもいけるけど。
世間は、そうじゃない。
学校では、真は“男の子”。
急に『女の子になりました』なんて言って、受け入れられるわけがない。
周囲の反応だって、想像するだけで怖い。
…
おじ様やおば様ですら、受け入れられなかったのに。
まあ、ダメよね(2回目)
それ以上に生活。
今日は朝から病院だったけど、それ以外の日はどうするの?
学校には行けない。
勉強は…自習しつつ、放課後に私がフォローすれば良いけど。
でも、外に出ることは?
昨日は人が少なかったからなんとかなっただけ。
これから先も同じようにいくとは思えない。
…
ちょっと考えただけでも難題だらけ。
私との将来なんて、今は考えられなくても仕方ないよね…。
それでも。
小さなため息が漏れる。
手持無沙汰になれば……ひとりでスるんだろうなぁ。
身体は女の子でも、心は『思春期の男の子』なんだから…。
どれだけ触っても、ナニしても大丈夫となれば、加減なんかしないよね。
…私だって、初めてシた時は…何度もシたし?
色々と覚えたりすれば、その度に回数だって…。
回数?
私の脳に電流が走ったかに思えたっ!
そう、男の子は何度も出来るわけじゃないっ!
限界があるわっ!
でも…でも、女の子にはそれはない。
私がそうだものっ!!
心が満たされなければ、身体だけどれだけ慰めても満たされないのっ。
やはりっ!
私と一緒に、ちゃんと知っていくっていうのも大事なんじゃない?
…って、押しかけたら普通に追い出されるわね。
あーぁ…
心配だなぁ。
…
翌日。
学校へも、真がしばらく休むことが伝えられた。
仲の良かった男の子たちは、明らかに心配そうで。
女の子も、思った以上に残念そうな顔をしている。
『…やっぱりモテるんじゃない』
ちょっとだけ口惜しくて、でも少しだけ優越感。
家族を除けば、他の誰でもない、私が頼られたことが嬉しかった。
でも。
そんなことを考える自分が、私は許せない。
真の心情を思え。
生活も、将来も、不安だらけなのに。
その心労を察せずに喜ぶなんて最低だ。
…歯噛みをし、握る拳に力が籠る。
私は…。
私は、真のためにいるんだ。
支えるために…。
放課後。
いつもなら陽太と少しだけ寄り道をしてたけど…もう、そんなことも無い。
部活もバイトもしてない私は、まっすぐ家に帰る。
でも、今日は…。
家に帰るのとは逆方向のバスに乗る。
向かった先は、海沿いのモール。
普段はあまり来ない場所だけど、目的ははっきりしてる。
専門店。
コスメは、基本的なものをいくつかと、真に似合いそうなリップを2つ。
問題は、その先。
下着売り場。
…サイズは、昨日と一昨日で、嫌というほど確認したし(主に私が)
問題はデザイン。
どんなのが似合うのか。
どれくらいエッチな下着まで着けてくれるか。
…ここが大事ね。
こっちは…レースのネグリジェ。
黒のレース下着は…大人っぽいわね。
真にはピンクの方が似合うかしら?
白は…色移りが心配だわ。手洗いするなら、私がしちゃおうかしら?
…
真の下着を、私が…洗う?
…そんなこと…ご褒美よね!?(錯乱)
お休み前日に夜遅くまで一緒に勉強して、少し休憩がてらに添い寝(意味深)して、そこでちょっと汚れちゃった下着を私が洗ってあげる…。
あぁ…なんて素敵…。
あ、涎が。
でも、下着だけ私に洗わせるなんて、真がするわけないか…。
…
う~~~~…ん
そもそも、真ってどんな下着が好みなのかしら?
可愛いの?それともセクシーなタイプ?ビスチェタイプとか?
色はどうかしら…。
男の人は白の下着が好き、なんて聞いたことあるけど、真もそうなのかな?
紫なんてセクシー過ぎるかしら。
黒…は基本よね。
あ、でも、これからの季節は薄着だし、シャツが肌に張り付いたり…。
濃い色の下着は、避けた方が良いわね。
……うん。
意外と難しい。
他人の好みって、わからないものね…。
やっぱり、昨日真の部屋に行ったときに、ベッドの下とか漁って、エッチな本見つけとけばよかったな。
そうしたら、真の下着の好みも知れたのに…。
そうね。
ちゃんとリサーチしてからの方が良いかもしれない。
うん、そうしよう。
まずは無難なところから。
私は、普段使いできそうな白のセットをいくつか選び、レジへ向かった。
…
夕方。
まだ日が落ちきらぬうちに、真の家に着く。
ご両親はまだ帰ってないみたいだけど、真がいるのはわかる。
玄関の鍵、開いてるし。
一応チャイムを鳴らして、声をかける。
「真ーっ!いるんでしょー!」
…返事が無い。
「?」
2階から、何か音。
胸がざわつく。
「真っ!あがるわよっ!!」
靴を脱いで、慌てて2階に駆け上がる。
まさか…真の身に何か…っ!
『…無事でいて』
祈る気持ちを胸の奥に秘め、その扉に手を掛ける。
「真っ!!」
つい大きな声が出た。
…それほど、私は心配だったんだ。
荒い息を吐き、大きく肩を動かしながら見た真の部屋。
そこには…。




