表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

第七話 年頃の幼馴染なんだから、関係が進むのなんて当たり前よね?女の子同士だって、先に進めるのよ?

前回のあらすじ 『ノーブラ抱きつかれて、良い匂いに包まれるなんて幸せ以外の何物でもないけど、だからって喜ぶのも違うわよね?真は大変なんだから(泣き顔に興奮する患者)』



ふたり、抱き合ったまま静かに涙を流す。


私は、真の心の中を全て知ることなんて出来ないけれど、それでも出来る限り、真の隣にいると決めた。

彼…彼女の幸せが、私の幸せ。

真が平穏に暮らせるようになるまで、私は…なんでもする。


そう、なんでも…。


メイクだって、身嗜みだって。

男の子だった真には、わからないことだらけのはず。


身体のことだってそう。

肌のケアや下着のサイズ、選び方…。


それだけじゃない…。


もっと…もっと大切な事も。


だって、真は元々男の子だもの。

思春期真っ盛りの『元気』な男の子…。そのほとばしるリp…性y…えーと、つまり、そういうことも発散させるのも大事だと思うの。


もちろん、自分でスるんだろうけど、それだって…。


私がっ!


私がっ!いろいろっ!


教えてあげたいっ!


…むしろ一緒に覚えていくっていうのも、大事なんじゃない?


これから先、一緒にいる時間が増えれば増えるほど、ふたりでスる機会って多くなるに決まってるの。


だって、年頃の幼馴染で、お互いに大好き。そんなふたりが一緒にいて、何も起こらない何てことある訳ないわっ!!


ううん…



是非、お願いしますっ!!



あぁ…泣いてる真も可愛いわ…。

この泣き顔だけで、私は…私は…っ!


「…ごめんね、瑠璃…。俺、不安で不安で…」


目を真っ赤なまま顔を上げる。

…もう何年も見ていなかった、真が泣いているところ。


がんばり屋さんで、我慢強くて、目標にまっすぐ進んでいく真。

何でも、まっすぐ努力してきた真が――


「不安」なんて言うなんて。


…馬鹿ね、私。


支えるって決めたんでしょ?


だったら、ちゃんと向き合わなきゃ。


私は身体を離し、まっすぐ真を見る。

涙で潤んだ瞳。

赤くなった目元がとても煽情的だけど、それは私の心に焼き付けるの。


「真…昨日も言ったけど、私はあなたのことが好き。大好き。いつからかなんてわからないくらい、ずっと好き」


言葉を止めない。


「だから、もう間違えたくない。離れたくない。…それに、真が苦しんでるの、見たくない」


真の目が揺れる。


「だから私は、隣にいるの」


さらに一歩、踏み込む。


「真が笑えるようになるまで、支え続ける。…そのあとも、離れない」


胸の奥が熱くなる。


「お願い。一緒にいさせて。…あなたの隣を、私にちょうだい」


ぽろり、と涙が落ちた。

安堵と覚悟が混ざった、不思議な涙。


あぁ…。


やっと言えた。


これで、本当に陽太とのことは終わり…ね。


『ごめんね…』


最後に、もう一度だけ心の中で彼に謝る。


そして、これからの私は、真だけのもの。


……のはず、なんだけど。


あれ?



真は真っ赤な顔のまま、まるで動かない。

…というか、小さくプルプルと震えている…?


え?なに?


何かあったの??


「え、ちょっと真?どうしたの?」


そう声を掛けても、私の顔を見てくれない。


え?


どういうこと?


「真ってばっ!!」


仕方なく顔を両手で挟んで向けるけど、今度は目を回してるみたい…?

小首を傾げる私に、小さい声で呟くように…


「隣をちょうだいなんて……まるでプロポーズじゃん…」


息も絶え絶えな様子でそれだけ言うと、顔を覆って蹲る。


あぁ、そういう…。

もう、真ったら純情なんだからっ!


今時、プロポーズくらい普通にするでしょうに、ねぇ??




ん?


プロポーズ??


「…あ」


小さくひと言呟くと、一気に熱が上がる。

顔、耳、頭の先まで全部熱い。


「あ…え…」

「……」


お互い、言葉出ない。

それに、さっきから心臓がうるさい。

ガードレールを棒で叩いてるような音が、鼓膜に直接響いているようで、頭がクラクラする。

血管を流れる血流の音なのかしら?


あぁ、もうっ!


身体中が熱くなってきたっ!


恥ずかしくって、もう今どうなってるのかわかんないっ!!


立ってるのか、座ってるのかもわかんないくらい。


何これなにこれ?


……


「・・・~~~///!?!?」


深呼吸よ…落ち着いて…


…冷静になりなさい、瑠璃。

ただひと言、『違う』って言えばいいだけ。


落ちついて…


「そ…」


そんなわけない?

私は、さっき『好き』って、『大好き』って言ったじゃない。

『離れたくない』『離れない』って言ったじゃない。

それなのに、『違う』の?


…もう、自分に嘘を吐かないって決めたのは誰?


なのに、また嘘を吐くの?



……馬鹿ね、私。


「…そうよ」

「…え?」


煮え立つほどに顔が熱いし、視点も定まらないくらいにドキドキしてるけど、それでも真に向き直って私は続ける。


「…だから…プ…プロポーズだって…言ってる…のょ…」

「…」


最後のあたりは、もう声が出てるのかどうかもわからないけど。

それでも言えた。


ちゃんと、言えたんだ…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ