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抗魔大戦記綴  作者: 語部きゅうり
第1章 〜鎮西事態編〜
19/21

第17話 〜病院〜


 2019年1月4日

 

 福岡県福岡市


 涼香に潮彩花に次ついて電話で話をした日から5日がたった。勇二は良人が入院している市内の大きな病院へきていた。ロビーに入り、面会受付へ向かう「すみません、405号室の冴津良人に面会をしたいのですが」受付の女性に声をかける。「面会希望ですね。そしたら、こちらにお名前と電話番号、入室時間、あとご関係のところに丸を付けてください」渡された面会者名簿に記入し女性へ返す。「あちらの方にエレベーターございますのでご利用ください」そう言われ勇二は面会受付を離れ良人の病室へ向かう。良人が入室している405号室へ入る。4人部屋の入って左奥のカーテンで仕切られた部屋へ入る。「おお、勇二!見舞いに来てくれたんか」良人が勇二に気付き声をかける。なかなか元気そうだ。「よう、お前のアホ面拝みに来てやったぞ。感謝しろ」「こっちはお前のバカ面見たくなかったけどな」良人が返す。「それに随分やつれてるじゃん、何なら俺のほうが元気なんじゃないか?」「うるせー、色々大変だったんだよ、あの後。お前がぐーすか寝てる間後処理に追われて全然寝れてないだぞこっちは」「・・・すまん」良人が真面目な顔になり謝る。「いや、らしくないなそんなんで謝るなんて...」暫く気不味い沈黙が訪れる。気不味さを誤魔化すように良人がテレビの電源をいれる。「今回かなり被害が大きくなっちまったな」良人が呟き「ああ、そうだな」と勇二は返す。テレビでは女性のアナウンサが先日起きた鎮西事態について取り扱っていた。

 [12月28日未明異形が多量発生し、死者行方不明者は合わせて100名を超え、負傷者の数も190名にも登っています。これを受け政府は先日記者会見を開きました。こちらはその際の映像です]政府の担当者が記者会見を行っている映像に切り替わった。担当者は記者から質問と言う形の批判を受けている。なぜここまで被害が大きくなったのか、警察や自衛隊は動かないのな、退魔師団との連携をきちんと行っているのかなどなど様々質問が飛び交っていた。それの質問に対し担当者の口からは遺憾、想定外、これから調査する、といった使い古されたようなフレーズしか出てこない。

 「俺たち本当に異形たちと戦えるんかな」良人テレビを見つめながら疑問を口にする。「政府はこんなんで、退魔師団はただでさえ人が少ないのに今回の件でたくさん戦える人たちがやられて、一般人も大勢、、、大勢やられて、遠藤さんだって...」言葉が途切れる。良人自身も遠藤の怪我に責任を感じているのだろう。悔しさを言葉に滲ませながら良人は続ける「俺を守るために、俺が足を引っ張って、、、俺みたいなやつのせいで強い人がやられちまって、その上みんなが忙しくしてる中でこんな、こんな...」良人は包帯の巻かれた腕を握りしめる。「あの時遠藤さんがやられたのはお前のせいじゃない。お前らが戦ってたあの猿型の異形は異常な強さだった」「ああ、叶さんから聞いたよ。けど足を引っ張ったことに変わりわねー」こちらに振り向くことなく良人は呟く。勇二は良人の襟を掴みこちらを振り向かせる。「出来る出来ないじゃない。やるしかないんだ!俺たちが。でなきゃみんな死ぬんだよお前の家族も俺の家族も、友達も知らない人達も!そんなの嫌だろ。力があるのに誰かが殺されていくのをただ見てるだけなんて。だからお前もスネてないで怪我直せ。んでまた俺と訓練して、次こそは役にたとうぜ。俺たちが守るんだよみんなを」「お前ここ病院だぞ、騒ぎすぎ。それにくっさいセリフだな。似合わな」良人がわずかに頬を緩める。「うるせー、お前こそさっきの辛気臭いセリフ似合ってねんだよ」良人の憎まれ口にそう返すと「今回の件はあまりにも衝撃が大きい。きっと政府も世間も少しは異形への認識が変わるはずだ。まだ予知夢の日じゃない。それまでに俺らに出来ることをやってこう」と続ける。「ああ、次こそは絶対に負けねー、あんな気色悪い化け物共に。今度は守られる立場じゃなく誰かを守るんだ」「ああ、よろしく頼むぞ」そう言うと。勇二は拳を出す。それに応え良人はその拳に自分の拳を突き合わせる。2人は誓うのであった。来たるべき日に守るべき人を守れるように。

ひとまず第1章はここで終わります。

次回からは閑話を入れつつ2章となり時間軸が変わります。これからもよろしくお願いします。

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