外伝7、天ぷら蕎麦の大解放と、ぷりぷりの至高!
ーーある日の夕方、お蕎麦屋さんのカウンター席。
信玄「(大浴場から上がってツヤツヤの顔で座りながら)松千代! 儂らの毎日の『ガチャガラ(食券購入)』と、お艶(お母様)の夏野菜貿易のおかげで、光る板(液晶パネル)の数字がまた見た事もない桁になっておるぞ! ついにあの最後のボタンが……!」
松千代「うん! おじさんたち、いっぱいお札ポチポチしてくれて、ありがとぉなのぉ! いっちばん高くて、いっちばん美味しい『てんぶらそば』が光ったよぉ!」
液晶パネル:【65,000PT達成:最高峰メニュー『天ぷら蕎麦(特大海老天2本)』が完全解放されました】
ピピッ♪ と神々しい電子音が響き、券売機の『カレー南蛮』のすぐ横に、金色に輝く『天ぷら蕎麦 十二文』のボタンが眩しく点灯する。
織田信長「(横から割り込んできて)十二文(600円)だと!? かけ蕎麦の倍の値段ではないか! だが、お代ならトマトの売り上げでいくらでもあるわ! 頼重、儂の分もまとめて『ガチャガラ』じゃ!」
ーー大人たちが競うように現ナマをお使い係に渡し、金の食券を次々と購入する。
松千代「お札ありがとぉなのぉ! ーーおはちゅ、おっきなどんぶり並べてぇ! ーーいくよぉ、ふんっ! (湯切り網をぎゅっと握る)」
大人たち「(カウンター越しに松千代の手元を見て、拝むように固まる)」
松千代「ちゃっ! えっしょ、ちゃっ!」
徳川家康「(胸を押さえて身悶えしながら)う、うぬぬ……! 今日のふりふり湯切りも、神々しいほど可愛いべぇ……っ!」
松千代「できたぁ! あげたてサクサクの、てんぷらそばだよぉ! はい、どうぞぉ!」
ーー光と共に調理場に出現した現代のフライヤーによって、カラリと揚げられた特大の海老天が2本、茶色い出汁の上にドン! と鎮座した熱々のどんぶりが配られる。
信玄「な、なんじゃこの衣の美しさは……! 黄金の汁を吸って、じゅわじゅわと音を立てておるぞ。どれ、この『えび』という海の宝を、ガブリ……。……っ!!?! (一瞬で全身の筋肉を硬直させ、目から大粒の涙をブワッと溢れさせる)」
頼重「お館様! いかがなされました!」
信玄「(どんぶりをガタガタ震わせ、涙をハラハラと流して大号泣しながら)う、美味い……美味すぎるぞおぉぉぉ!!! 衣が汁を吸ってサクサク、とろとろとしておるのに、中の肉が驚くほど太く、プリプリ、ぷりぷりとしておる! 噛むたびに海の甘みが黄金の出汁と絡み合い、天上の美味じゃーーーっ!」
織田信長「(自分の海老天を齧り、冷たい生ビールをグイッと煽って号泣)むおおおおおおっ!? このサクサクの油を、きんきんに冷えた生ビールで流し込むと、美味しさが無限を越えて宇宙まで飛んで行くわ! 儂は今日からトマトだけでなく、きゅうりも、芋も、毎日何万箱でも船で売り捌いてみせる!」
徳川家康「(土鍋の八丁味噌に海老天をドボンと浸してすすりながら)信長殿、儂の味噌に浸した海老天も、濃厚で最高に美味いべぇ! 乾杯だべぇ!」
お艶「(テラスの陰から、武将たちが大喜びで払ってくれた大量の宿泊費と手数料の金箱を見つめてにっこり笑い)ふふふ、天ぷら蕎麦の開放で、当家の現金収入も過去最高ですわ。作左衛門、次は松千代に頼んで、あのお風呂の『じゃぐじー』を、外の大きな共同風呂にも増設(魔改造)してもらいましょう。お一人様『五十文』の有料の泡風呂にすれば、さらにガッツリ現金を毟り取れますわね……ふふふ」
作左衛門「(あまりの商業センスに腰が抜けて大号泣)お、お方様! どこまでも現ナマを回収する、恐るべき極楽の支配者(豪商)にございまするーーーっ!」
松千代「あはは、おじさんたち、みんなでお口のまわりが油でツヤツヤで、にこにこ楽しいねぇ! えび天ぷら、おいちいねぇ!」
揚げたてのサクサクの衣と、プリプリのエビの破壊力、そして生ビールとの悪魔的な相性の前に、戦国時代の運命をひっくり返した男たちは完全に胃袋を支配され、お母様の完璧な現金回収ビジネスの奴隷(笑)として、今夜も幸せそうにテラス席で笑い合うのでした。
(外伝・天ぷら蕎麦大解放回・了)




