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戦国ちびっこ店長  作者: 東のマ王


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6話、新メニューと牛乳の自販機。

ーー夕暮れ時、お蕎麦屋さんのカウンター席。


頼武「松千代! 今日も畑の仕事と武芸の稽古でクタクタだ。銭なら持って来た! なにか新しい物はまだ出せないのか!?」


松千代「うん! みんなが毎晩『かけそば』を食べてくれたから、ポイントがたまって、『かけそば』の隣のボタンの灯りがついたよ!」


頼次「本当だ。確かに隣のボタンの灯りが灯っているぞ。松千代これは何と言う馳走だ?」


松千代「『たぬきそば』だよ! サクサクの天かすが、ちゅるちゅるの上にいっぱいのっているの!」


頼重「たぬきだと? なにやら化かされそうな名前だが……値段は七文か。よし、今宵の夕飯は全員その『たぬき』とやらにしよう! だが、我らの今月の小遣いはもうギリギリだぞ」


作左衛門「殿、遠藤家の未来のためでござる。私の懐から七文出しましょう! 権三! お主も出せ!」


権三「がってんでござる! ガチャガラ……ポチッと。おお! 本当に新しい食券が出たぞ!」


ーー頼武、頼次、お艶、鈴の分もみんなで小銭を出しあって「たぬき蕎麦」の食券を7枚購入する。


松千代「はーい、たぬきそば、ななちょ……ふんっ!」


湯切りの網をぎゅっと握りしめる。


松千代「ちゃっ! えっしょ、ちゃっ!」


鈴「(きゅんとして)きゃーー! 松千代の湯切り、今日も世界一可愛いーーい!」


松千代「このサクサクと、刻んだネギをちょこんと上にのせて……はい、できあがり! どうじょ!」


頼武「うおえ! かけ蕎麦より汁が油でツヤツヤしている! ずずずっ……! 美味い! このサクサク(天かす)が汁を吸って、何倍も旨味が増しているぞ! あぁあ、1日の疲れが吹き飛ぶようだ!」


お艶「まぁ、コク深いのに刻んだお野菜がシャキシャキしていて良いアクセントになっていますね。これはいくらでも食べられそうですね」


ーーみんなが「たぬき蕎麦」を夢中で食べてお汁まで飲み干したその時。


券売機の脇の液晶画面に『2,500ポイント達成!』と表示が出て。

その次に、奥の脱衣所の所から「ウィーーーーン……ガコン!」と何かが設置される大きな機械音が響いた。


お初「ひゃぁ!? 松千代様、いま、奥のお風呂の方で、もの凄い音がしましたよ!」


松千代「あっ、みんながたぬきそばを食べてポイントが貯まったから、もう一つ解放したの。見に行こうーー」


ーー遠藤家一同、慌ててのれんをくぐって脱衣所へ。


頼武「なんじゃこの白い四角い箱は! 壁に張り付くように新しい箱が生えておるぞ!」


頼次「兄上、生えてはいません。……あっ、ココにも投入口とボタンがありますね。松千代ココにはなんて書いてあるの?」


松千代「『ぎゅうにゅう 二文』って書いてあるよ! 冷たくてすごく美味しいの」


作左衛門「なんと! 蕎麦を美味しく食べただけで、神が新たな箱を授けてくださったのですか! 殿、まだ二文なら残っております。権三! 入れよ!」


権三「はっ! えい! 二文投入!」


牛乳の自販機「ガチャガラ……ゴトっ!」


お初「きゃあ! 下の窓から透明な瓶に入った、真っ白な飲み物が出て来ました!」


松千代「上のプラスチックのふたをパカっと剥がして飲むんだよー」


作左衛門「それでは、神童・松千代様が授けてくださった、この飲み物の毒味を……ゴク、ゴク………」


遠藤家一同「……(ゴクリと唾を飲んで見守る)」


作左衛門「……ぷはぁあああああああ!!」


権三「作左衛門殿!? いかがなされた!」


作左衛門「な、なんじゃこの冷たさは! そしてなんと濃厚でまろやかな甘み! 臭みも全くない! 1日の終わりにこのような物が飲めるとは……権三、お主も早く飲むのじゃ!」


権三「では拙者も……ゴク、ゴク、ゴク……ぷはぁあああ! う、美味い! 風呂で火照った体にこの冷たさが五臓六腑に染み渡るーー!」


頼重「儂にも早く二文を! ガチャガラ……ゴトっ! ……ゴクゴクゴク……ぷはぁああああ! 堪らん、これは癖になる!」


頼武「なぜ皆様、左手を腰に当てて右手を高く掲げて飲んでいるのですか?」


頼次「さあ? 分かりませんが、あれが牛乳を飲む時の作法なのでしょう。よし、私も……(左手を腰に当てる)」


お風呂の脱衣所で遠藤家の男たちが一列に並び、腰に手を当てて「ぷはぁああ」と牛乳を煽る。

その姿を見て、ぼくとお初ちゃん、お母たんと鈴ねぇちゃんは「あはは」と顔を見合わせて笑い合うのでした。

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