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戦国ちびっこ店長  作者: 東のマ王


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54/64

54話(最終回)、極楽の庵は、今日もにこにこ大繁盛!

ーーあれから数ヶ月が経ち、爽やかな春風が吹き抜ける南信濃の深い山の中。


かつては武田領の最前線としてハラハラしていた遠藤領は今、日本中の誰もが憧れる「日ノ本一の極楽リゾート宿場町」として、今日もこれ以上ない活気に満ち溢れていた。


松千代「(数ヶ月経って少しだけおっきくなった4歳の体で、厨房の踏み台に登り)おはちゅ! お外のテラス席、もう満席(まんせき)だよぉ! どんぶり、いっぱい並べてぇ!」


お初「はい、松千代様! 徳川様がお運びくださった三河の八丁味噌の『味噌煮込み蕎麦』、一気に十丁あがりです!」


鈴「いらっしゃい、いらっしゃい! 焼き立てのみたらし団子は三文だよー!」


お艶「ふふ、お団子も冬野菜も、船(港湾貿易)で大阪や京に送る分がどんどん仕上がっていますわねぇ。作左衛門、今月の遠藤家の総資産(現ナマ)の計算はいかが?」


作左衛門「(あまりの巨万の富に、ソロバンが火を噴くほどの速さでパチパチ叩きながら大号泣)と、殿ーーーっ! もう数えるのが不可能なほど、金蔵に小判や銀貨が溢れかえって床が抜けそうでございまするーーーっ!」


頼重「がははは! 素晴らしいわ! これも全て松千代のちえとお艶の商業センスのおかげじゃな!」


ーー夕暮れ時、現代のぽうっと温かい明かりが灯る、広々とした手作りの青空テラス席。


男女別の大浴場や3畳のしゅわしゅわジャグジー風呂で、一日の疲れとお肌の汚れをサッパリと流してきた大人たちが、木製の大きなテーブルを囲んで賑やかに乾杯の音頭を上げていた。


信玄「(全盛期のムキムキの肉体で、キンキンに冷えた生ビールのジョッキを高く掲げ)がははは! 頼重、信長、家康! 今夜も最高の湯じゃった! 遠藤領の繁栄と、日ノ本の永遠の平和を祝して……乾杯ーーーっ!!」


織田信長・徳川家康「「乾杯だべぇーーーっ!!」」


大人たち「(プハァァァァァァーーーーーーーッ!!!!! と、山奥全体に響き渡る過去最大の咆哮を上げる)」


織田信長「(浴衣姿で顔を真っ赤にし、髭にビールの白い泡をつけながら)ふはははは! 毎日大番頭として汗を流して冬野菜を売り捌いたあとの、この生ビールと枝豆のコンボは、天下布武などという虚しい戦いより何百倍も価値があるわ! 儂はもう、一生ここで白菜や玉ねぎを売って暮らすぞ!」


徳川家康「信長殿、完全にこちらの生活に染まったべ! 本多平八郎、お主もアヒルちゃんばかり握ってないで、お酒をお代わりするべぇ!」


本多忠勝「(黒い防弾チョッキを着たまま、豆をぷちぷち口に放り込み)がはは! 家康殿、松千代様のお昼寝の時間(13:00〜15:00)を守るのが我ら影の警護隊(隠密とのコンビ)の役目にござる! 英気を養わねば!」


羽柴秀吉「(カレー南蛮をずずずっとすすりながら)お館様(信玄公)! 次のポイントで解放される現代のおやつはなにになりますべぇ!?」


信玄「うむ、松千代にしか読めぬあの光る板(液晶パネル)には、次は『ココア牛乳』と『天ぷら蕎麦(海老2本)』と書いてあるらしいぞ! 早くそれを拝むためにも、明日も全員で『ガチャガラ』と食券を買いまくるのじゃ!」


一同「「うおおおおおーーーっ!! (券売機へ殺到する音:ガチャガラガラガラッ!)」」


松千代「あはは、おじさんたち、お顔が真っ赤っかで、おめめがきらきらで、にこにこ楽しいねぇ! ーーよし、みんなの分のちゅるちゅる、いっぱい作るよぉ、ふんっ! (ちっちゃな手で湯切り網をぎゅっと握りしめる)」


遠藤家も、村のおじさん達も、そして戦国最強の三大大名たちも、全員が固唾を呑んでカウンターの小窓を幸せそうに見つめる。


松千代「ちゃっ! えっしょ、ちゃっ!」


鈴・お初「(きゅんとして胸を押さえながら)きゃーーーっ! 松千代のふりふり湯切り、今日も世界一可愛いーーーっ!」


信玄・織田信長・徳川家康「(大号泣しながら拝むように手を合わせ)おおお……ありがたや、ありがたや……っ!」


松千代「できたぁ! かけそば、たぬき、きつねに、かれーなんばん! みんな、お汁までごくんしてねぇ!」


お腹を空かせた3歳児の切実な願いから始まった、物置の裏の不思議な『湯そば庵』。

それは現代のちえチートを使いながらも、領主も、領民も、かつての敵も味方も関係なく、全員が汗を流してインフラを作り、美味しいものを分け合って、みんなで一つの笑顔になるための「奇跡の桃源郷」だった。

夜風が優しく吹き抜ける南信濃の山奥。

松千代のちっちゃな手から生まれた温かい極楽は、戦国時代の過酷な運命を最高の優しさで包み込み、みんなの楽しそうな笑い声と共に、どこまでも、いつまでも、幸せに続いていくのでした。



   (戦国ちびっこ店長・全54話・完)

ここまでお読みいただきありがとうございます。

戦国ちびっこ店長の本編はここまでになります、楽しんでいただけたでしょうか?


かなり癖のある書き方をして読みづらかったかもしれませんが、マ王的にはこう言う書き方をしてみたかったので書いていてとっても楽しかったです。


この後に外伝を13話ほど入れる積もりなのでもう少し続きますが、よろしければもう少しお付き合い頂けると幸いです。


いいねやブックマーク、評価をしていただいた方ありがとうございます、とても励みになりました。


それではまた外伝の方でお会いいたしましょう。では。

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