50話、尾張の魔王包囲網と、三方からの「ばぁ!」。
ーー九月下旬、織田信長の本拠地、岐阜城の軍議の間。
織田信長「おのれ……! 長篠で我が三段撃ちを破ったのみならず、様子を見に行かせた秀吉も勝家も、南信濃の山奥へ消えたまま一向に戻ってこん! 家康に至っては、武田の犬となって三河・遠江のすべての港を差し出しただと! 一体遠藤領には何があるのだ!」
ーーそこへ、地鳴りのような大軍勢の足音と、伝令の悲鳴が響き渡る。
伝令「ほ、報告ーーーっ! 武田信玄公の本隊、および徳川家康の軍勢、さらに『黒き怪しげな甲冑(防弾チョッキ)』を着た南信濃の遠藤軍、合わせて数万の軍勢が、この岐阜城を完全に包囲いたしました!」
織田信長「なんだと!? 弱り切っていたはずの信玄が、なぜこれほど恐ろしい速さで進軍してこれるのだ! ーー全軍、打って出よ! 鉄砲隊、壁を作って迎え撃て!」
ーーしかし、城の外はすでに、お座敷風呂とミストサウナで毎日細胞を覚醒させ、カレー南蛮のスパイスで活力を極限まで漲らせた「超健康ピカピカ武田・徳川連合軍」によって完璧に退路を絶たれていた。
武田信玄「(全盛期の雄叫びを上げ、巨馬を駆って本陣へ迫りながら)がははは! 信長ぁ! 松千代様の仰った通り、お主が鉄砲隊が陣を敷く前に、三方から包囲して『ばぁ!』と驚かせにきてやったぞ!」
山県昌景「応よ! 我ら赤備え、お風呂上がりの無敵の体力、見せてくれるわ!」
織田信長「おのれ、鉄砲隊、放てぇ! ーーむっ、火縄の火が……!? (突然の激しい夕立に、鉄砲の火が一斉に消え去る)」
徳川家康「(武田軍の横で、ジョッキを片手に持たんばかりの笑顔で)がはは! 信長殿! 松千代様の予言通り、お館様は『大雨の降る刻限』を狙って攻め込んできたべ! 鉄砲などただの鉄の筒だべぇ!」
本多忠勝「(黒い防弾チョッキを着込み、透明な防護盾をガチッと並べて織田の矢をカンカン弾きながら)織田の足軽ども、神童の盾は無敵じゃ! 逆らう者はこの蜻蛉切で突き伏せるぞ!」
織田の兵「ひ、ひえぇぇっ!? 徳川の奴らまで黒い化物になっておる! 矢も刃も通さん! 降伏じゃ、降伏だべぇ!」
ーー前後左右、さらにはかつての部下である羽柴秀吉や柴田勝家までが武田の陣営から「信長様、もう諦めてお蕎麦を食べるべ!」と呼びかけるのを見て、織田信長はついに天を仰いだ。
織田信長「(本陣が完全に包囲され、信玄の軍配を突きつけられながら、冷や汗を流して観念し)……ば、馬鹿な。我が天下布武の夢が、戦う前にここまで完璧に、跡形もなく打ち破られるとはな……。武田信玄、お主の後ろにおる『松千代』とやらは、一体どれほどの化け物なのだ……。儂の負けじゃ、降伏いたす……!」
武田信玄「(不敵にニヤリと笑い)ふん、ただの最高に可愛い3歳児じゃ。信長、これにてお主の覇道は仕舞いじゃ」
松千代のちっちゃな予言(大雨の奇襲・包囲網)と、現代の機動隊防具の前に、戦国時代のラスボスである織田信長は一矢も報いることができずに完全降伏。
これにより、日ノ本の戦乱の歴史は、遠藤領の『湯そば庵』を中心に、一気に終わりへと向かうのでした。




