43話、黒き防具の特殊部隊、三方ヶ原へ出陣!
ーー翌朝、朝七時。出陣を控えた『湯そば庵』のテラス席の前。
頼重「松千代、お艶。儂ら遠藤家の軍勢も、これよりお館様の本隊の先陣として徳川領へ出陣いたす! 留守の間、この南信濃の領地を頼んだぞ!」
頼武「(木刀から本物の太刀へと持ち替え、鼻息を荒くして)父上、松千代のお蕎麦とお風呂で鍛え上げた我が肉体、戦場で大暴れしてみせますぞ!」
松千代「おとうたん、よりたけにぃに、ごんぞう! お外の戦場はね、ばんばん(鉄砲)されて痛い痛いだから、まつちよが『絶対に怪我しない、まほうのよろい』をあげるのぉ! ぽちっとなー!」
液晶パネル:【200,000PT消費:現代の機動隊仕様・特大防護盾&防弾チョッキセット(遠藤家・家臣全員分)を取り寄せました】
ーーピピッ♪ と音がして、テラス席の杉のテーブルの上に、見た事もない黒くて分厚い『チョッキ(ベスト)』と、透き通っているのに鉄より丈夫な『大きな盾』が、ほわんと大量に出現する。
権三「な、なんじゃこれはあぁぁぁ! 鉄の甲冑でもなく、竹の盾でもない! 漆黒のベストに、南蛮のガラスのように透き通った特大の盾が山盛りになっておるぞ!」
松千代「これはねぇ、せらみっく(現代の技術)のよろいだよぉ! この黒いのを体にぎゅって着て、この透明な盾を前にして進むとね、敵の弓矢も鉄砲も、ぜーんぶカンカン! って弾いちゃうのぉ!」
頼次(お留守番)「(盾を叩いて驚愕し、知性派ぶって分析する)す、凄い……! 驚くほど軽いのに、刀で斬りつけても傷一つ付きません! しかも透明ですから、敵の様子を視界で捉えながら、鉄砲の弾を完全に防いで突撃できますぞ!」
頼重「おお……! これぞ神童・松千代が授けた無敵の防具! よし、遠藤家の家臣一同、全員これを纏えい!」
ーー数分後。遠藤家の侍大将・鬼瓦権三を筆頭に、黒い防弾チョッキを着込み、透明な防護盾を構えた「戦国最強の機動部隊(特殊部隊)」のような異形の軍勢が完成した。
権三「がははは! 動きやすいうえに、守りは鉄壁! これなら鉄砲など恐るるに足らず! いざ、三方ヶ原に出陣じゃーーーっ!」
ーー夕暮れ時。起伏の激しい険しい台地、三方ヶ原の戦場。
史実通り、武田の大軍に素通りされた徳川家康は、プライドを激しく傷つけられて浜松城からまんまと打って出てきた。
徳川軍・足軽「(遠藤家の軍勢を見て腰を抜かす)な、なんだあいつらは!? 黒いおかしな羽織を着て、南蛮のガラスの壁を構えて突撃してくるぞ! ーーおのれ、鉄砲隊、放てぇえーーーっ!」
ーーババン! ババババン! と、徳川の鉄砲隊が一斉に火を噴く。
しかし……。
遠藤軍・足軽「カン! カーン! ーーゴトッ。(ポリカーボネートの盾に弾が当たり、虚しく地面に落ちる)」
徳川軍・鉄砲頭「ば、馬鹿な……!? 織田様から借り受けた最新の鉄砲の弾が、あの透明な壁に当たって全て弾かれていくぞ! 傷一つ付いておらん!」
頼武「がはは! 松千代の魔法の盾、鉄砲など恐るるに足らず! お風呂上がりの無敵の体力、見せてやるわ! 突撃ーーーっ!」
黒い機動隊ベストを着用した遠藤家の軍勢が、鉄砲の弾を一切恐れずに透明な盾を並べて「壁」のようにグイグイと前進し、徳川の陣形を真っ二つに叩き割っていく。
そこへ、お座敷風呂とカレー南蛮で完全復活し、松千代から「三段撃ちの予言」を聞いて夜戦の準備を完璧に整えていた武田信玄公の本隊(赤備え)が、暗闇の中から怒涛の如く襲いかかった。
信玄「(巨馬を駆り、全盛期の咆哮を上げながら)家康め、三方ヶ原の夜戦の闇の中で、鉄砲などただの鉄の筒じゃ! 遠藤の黒き盾の者たちに続け! 織田・徳川の連合軍を完膚なきまでに叩き潰せーーーっ!」
夜戦に引きずり込まれ、自慢の鉄砲を完全に無力化された徳川・織田の軍勢は、完璧な健康体で襲いかかる武田軍の前に、文字通り木っ端微塵に粉砕されていくのでした。




