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戦国ちびっこ店長  作者: 東のマ王


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12話、カウンター席3席の大ピンチと不思議な小窓。

ーーお昼下がりの『湯そば庵』の前。


作左衛門「これはいかん……。松千代様のお蕎麦と牛乳、風呂の噂を聞きつけて、村の若い衆からじいさん達まで、大行列ができてしまっております!」


権三「店の中はカウンター席が3つだけですからな。みんなが食券を握りしめて『はやく、ちゅるちゅるを食わせろ』と火花を散らして、いつ喧嘩が起きてもオカシクありませぬ!」


頼重「うぅむ、これでは折角の極楽の庵が戦場になってしまう。松千代、なにか良い知恵はないか?」


松千代「ええと……うんとねぇ。だいじょうぶだよぉ! たまったポイントで、おみせを『ちっちゃくへんしん(小改造)』させるの!」


頼次「店を、変身させる……? またあの光る板(液晶パネル)をポチポチするのですか?」


松千代「うん! ここをね、ぽちっとなー!」


液晶パネル:【5,000PT消費:お持ち帰り&立ち食い用『テイクアウト小窓』を増設しました】


ーーウィーーーーン……トントン、カシャ、バチっ! と厨房の後ろ側の木の壁が勝手に動き出す。


お初「わわわっ! 調理場の後ろの壁がパカっと開いて、お外に繋がる小さな四角い窓が出来ました!」


松千代「できたぁー! これでお外にいるみんなにも、ここから『はい、どうじょ!』ってできるのー!」


頼武「なるほど! 外で待っている者たちに、この窓から直接蕎麦を渡すのだな! それなら中に座れなくても、外で立ったままズルズルと食べられるぞ!」


ーーその日の夕方、外には器を持った村人たちがズラリと並んでいる。


作兵衛「おお、松千代様が! 窓から顔を出して、なんとも可愛いらしいべ!」


松千代「さくべえじぃじ、お待たせぇ! ろくもんを箱にぽいして、お札(食券)をここにちょーだい!」


茂吉「オラの食券、はいどうぞだべ! 今日も楽しみで、畑仕事を3倍の早さで終わらせて来ましただ!」


松千代「はーい、お待たせぇ。……いくよ。ふんっ! (湯切りの網をぎゅっと握る)」


外の村人たち「……(小窓から松千代の手元を覗き込んで固まる)」


松千代「ちゃっ! えっしょっ、ちゃっ!」


村人一同「おおおおおおおっ!」


作兵衛「外から見ても、なんという見事な湯切り……! お尻をふりふりされて、神々しいほど可愛いべぇ!!」


松千代「できたぁ! かけそば、熱いから気をちゅけてねー!」


茂吉「ありがてぇだべ! ……(窓の手前の平らな板にどんぶりを置いて、立ったまま)ずずずっ! ずずっ! ……んんんーー! 疲れた体に熱い汁が染みるべ! 立ち食いと言うのもおつなものでございますだ!」


お初「外の皆様! 食べ終わったどんぶりはこちらのカゴに戻してくださいねぇー!」


鈴「鈴もお手伝いするー! はい、次のおじさん、お札をちょうだい!」


店の中に入りきれなかった村人たちが、夕暮れ空の下で、小窓から出てくる熱々のお蕎麦を「美味い、美味い」と楽しそうにすする。

松千代の機転による小改造のおかげで、遠藤領はますます活気に満ちた笑顔の絶えない村になっていくのでした。

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