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戦国ちびっこ店長  作者: 東のマ王


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10話、ひみつのプリン。

ーー昼下がり、誰もいない『湯そば庵』の中。


松千代「わぁーい、ポイントがいっぱい貯まっているよー」


お初「はい、松千代様。でもお昼の誰もいない庵にこっそり来て、一体なにをするのですか?」


松千代「ふふふ、みんな夜のご飯までお店にこないでしょぉ? だから今のうちにおやつを、ポチッとするの!」


お初「おやつって……かけ蕎麦とかですか?」


松千代「うぅん、ちがうよー。メニューにはのらない、すっごくあまくて、ぷるぷるした、おやつなの!」


お初「あまくて、ぷるぷる? した、おやつ……(ごくり)」


松千代「ええと……画面のココを、ポチッとなー! (短い指で画面の隅をタッチする)」


液晶パネル:【300PT消費:現代の贅沢カスタードプリン(2個)を取り寄せました】


ーーピピっと、可愛い音がして。カウンターの上に透明なプラスチックの容器に入った、黄色くて下の方が茶色い不思議な食べ物が2つ、ほわんと出現する。(小さなプラスチックのスプーン付き)


お初「わぁあああ! なんて綺麗な、お日様のようなお菓子なのでしょう! これはなんですか!?」


松千代「これはね、ぷりんっていうのぉ! このちっちゃなスプーンですくって、あむってするのぉー!」


お初「うわ、この匙(さじ)もガラスのように透き通っていて、とっても軽いです……。では松千代様、お先にどうぞ」


松千代「じゃあ、ぼくから……あむっ……んふぅ〜〜っ! あまぁーーい! ぷるぷるで、おくちの中で、とろぉ〜〜っとなくなっちゃうのぉ!」


久しぶりに食べたプリンはとっても美味しいモノでした。

ぷりんさいこうでちゅ。


お初「そ、そんなに美味しいのですか? それでは私も……(恐る恐るスプーンんさですくって、あむっ)」


お初「……っ!? (美味しすぎて目がまん丸になる)」


松千代「わぁー、おはちゅのおめめが、おっきくなっているぅ」


お初「な、ななな、なんですかコレはぁああああ!?  すごく甘くて、舌の上に乗せただけで、とろりととろけてしまいました! ……下の茶色いソースは少しほろ苦いけどでもとても甘くて……こんな美味しい物は天子様(天皇)でも食べた事がないんじゃないかしら!」


この時代の甘い物って干し柿とか栗とか野イチゴみたいな物しかないならビックリしちゃうよねー。


松千代「おはちゅはいつもお給仕(ウエイトレス)がんばってくれているから、そのおれいなのぉ。たくさん食べてね」


お初「ううぅ……松千代様ぁあ(感動で涙を浮かべる)。私、遠藤家に、松千代様にお仕えできて、本当に幸せです!」


松千代「ぼくも、おはちゅ、だーいすき!  ぷりん、おいちぃね!」


お初「はい! 美味しいです! ……あっ、松千代様のお口のまわりに黄色いぷりんがいっぱい付いていますよ」


松千代「ふぇ? どこぉ? (ちっちゃい手で顔をごしごし拭う)」


お初「ふふ、余計に広がってしまいましたね。じっとしていてくださいね(手拭で優しく拭いてあげる)」


松千代「あはは、くすぐったぁーい!」


夕方の夕飯時になれば、父親や兄たち、村の人たがゾロゾロと集まって来てにぎやかな夜が始まる。

その前の静かな昼下がり、二人の小さな子供たちは現代の甘いプリンを食べてニコニコと顔をほころばせるのでした。

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