第60話(最終話?) 『義妹、今日も家の中でサバイバルしてるんだけど』
四月のある晴れた午後。
リビングには、見慣れた光景が広がっていた。
ソファの上には、クッションで作られた**“バリケード”**。
キッチンには“トラップ風の紙の仕掛け”。
風呂場にはなぜか「毒霧ゾーン・危険」の張り紙。
そして、その中心には――いつものように、彼女がいた。
咲良:「――お兄ちゃん!生き残ってたんだね!」
悠真:「……帰ってきただけだよ。買い物から」
◇
思えば、毎日がサバイバルだった。
義妹の咲良が「危険区域宣言」を発してから、
俺の平穏な日常は、何かしらの“イベント”に塗り替えられていった。
給食争奪戦。こたつ脱出ミッション。三者面談への介入。
春休みの「世界崩壊7日間作戦」。
転校生をラスボス扱いして尾行した事件。
……挙げればキリがないけど、どれも不思議と、嫌じゃなかった。
むしろ、楽しかったんだ。
◇
咲良:「……お兄ちゃん、知ってた?
私ね、いつか“普通”にならなきゃいけないのかなって、ちょっとだけ思ってたの」
悠真:「……うん」
咲良:「でも、違った。“変わってるね”って言われることが、怖くなくなったの。
だって――お兄ちゃんが、ずっと笑ってくれてたから」
→ 少しだけ、いつもよりまっすぐな目で
咲良:「私ね、やっぱり“私らしく”生きたい。
そして、毎日をお兄ちゃんとサバイバルしてたいんだ」
悠真:「……いいよ。何度でも巻き込まれてやるよ」
咲良:「じゃあ、今から第61話:家の中に忍者村を建てよう編スタート!」
悠真:「ちょっと待て!最終回じゃないのかよ!」
咲良:「最終回?何それ?**これは日常っていう“永続クエスト”なんだから!」」
◇
窓の外には、まぶしい光。
春の風が、カーテンをふわりと揺らした。
義妹は今日も――元気で、破天荒で、最高に自由で。
そして、俺の世界は今日もまた、
**“家の中でのサバイバル”**から始まるのだった。
(つづく)
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