第38話『義妹、修学旅行を“神殿探索ツアー”に変える』
秋晴れの朝、
俺たちの学校は2泊3日の修学旅行へと出発した。
行き先は京都・奈良。
世界遺産や歴史ある寺社仏閣、自然豊かな名所を巡る――
はずだった。
咲良:「お兄ちゃん、今回の旅は“神域探索クエスト・西の古代編”だよ!」
俺:「そうなる気はしてたけど、今回はもう諦めた方がいい気がしてきたわ……」
「だって! 京都って、“風属性の古代都市”じゃん!? 寺=神殿、鹿=魔法獣、湯=回復の泉!!」
「湯=回復の泉、だけちょっと分かるのが悔しい!」
◇
【修学旅行・咲良式攻略ルール】
◎ 各名所を“遺跡”や“神殿”として捉え、
“隠された宝(=御朱印・お守り・限定ソフトクリーム)”を探す
◎ 鹿せんべい → “魔法獣との親交アイテム”
◎ 旅館 → “パーティの休息地”&“夜間戦争(布団バトル)”の聖域
→ 咲良は全行程をファンタジー風の旅程表に改変済
◇
1日目:奈良・東大寺
→ 咲良「この“大仏殿”、絶対“知恵の番人”が封印されてる場所だよ!」
→ 小田くん「柱の穴、通れる者が選ばれし者って言ってたけど……」
→ 咲良「そう! 通れる=“通過属性”! お兄ちゃん、行って!!」
→ 俺「ムリムリムリ! 物理的に通れんわ!!」
2日目:清水寺・二年坂
→ 咲良「この急な坂道、完全に“試練の参道”だね」
→ 速水レイ「階段を登るたびにMP(気力)削られてる気がする……」
→ 咲良「カフェで“魔力回復アイス(抹茶味)”食べよう!」
→ クラス女子「え、咲良ちゃんそれ可愛い名前すぎ」
→ 男子「俺も魔力回復したい」
→ 全体的に感染拡大中。
◇
そして夜――
宿泊先の旅館。
夕食後、布団が敷かれると咲良が突然、起き上がり叫んだ。
「ここからは、**“布団タワー陣取り合戦・最終決戦”**だよ!!」
男子:「きたーーーーー!!」
女子:「ちょっとやってみたいかも!」
先生:「絶対に! 布団を重ねないように!!(怒鳴り声)」
→ でも10分後には、先生も“タワーの監視塔役”として参加していた。
→ 結果:風チーム(兄とレイ) vs 火チーム(咲良&小田くん)で白熱の攻防戦。
→ 枕投げ→布団ドミノ→「回復魔法だ!」→「全体攻撃〜!」などカオス展開へ突入。
◇
深夜、廊下の静けさ。
咲良と二人、こっそり縁側に座って空を見上げた。
「お兄ちゃん。
冒険ってさ、別に本当の戦いじゃなくても――
こういう一瞬を“物語”にできるだけで、最高だよね」
「……お前の言うことってたまに名言風だけど、
たいてい前後に布団ぶん投げてるからな?」
「えへへ。でも、来年も絶対行こうね、“冒険の旅”!」
こうして、義妹が命名した“修学旅行・神殿探索ツアー”は、
想像以上に生徒全員を巻き込みながら、熱狂のうちに幕を閉じた。
(つづく)
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