第36話『義妹、体育祭を“属性チームの頂上決戦”に変える』
ついに迎えた体育祭前日。
赤組と白組、2色のはちまきを配られ、教室はざわついていた。
「俺たち、白組かー」
「赤組にはあの足速い子いるから、ちょっと不利かもな~」
そんな中、ひときわ目立つ声が、隣の席から聞こえた。
咲良:「お兄ちゃん! 白組なんて言ってる場合じゃないよ!
今年の体育祭は“属性チーム頂上決戦”だからね!!」
「……もうその言葉が“年中行事”になりつつあるの怖いんだけど」
「だって、これ“火・水・風・土”の四大属性チームに分かれて、
それぞれの“スキル”で競う伝説の戦だよ!?」
「そんな設定どこにもない!!」
◇
【咲良的・属性体育祭 分類ルール】
◎ 火属性チーム → 短距離・騎馬戦・爆発系テンション担当
◎ 水属性チーム → 綱引き・大玉送りなど“流れと協調”系競技
◎ 風属性チーム → 応援合戦・リレー・瞬発戦担当
◎ 土属性チーム → 借り物競走・障害物など“持久・耐久”担当
※ 勝手に全校生徒に属性ステッカーを配り始め、先生に没収される
※ でもなぜか「属性分け」文化がクラス内にじわじわ定着し始める
◇
そして当日――
開会式直後、すでに“火チームの旗”を掲げて全力でポーズを決める咲良。
咲良:「我ら火属性チーム、勝利の紅き焔と成らん!」
俺:「やめろ! 体育祭の空気をRPGにするな!」
しかも――俺と速水レイは**“風属性チーム”**として、
義妹率いる火属性と対立するポジションに。
レイ:「……なんか、ガチで勝ちたくなってきた」
俺:「だな……そろそろ妹に一発、現実を教えてやらないと……!」
咲良:「ふふふ、我ら火の民の炎は、止まらないよ……!」
◇
【競技1:騎馬戦(火vs風)】
咲良:「炎の陣形で突撃ー!!」
→ 突進力と奇策で咲良チーム大暴れ
俺&レイ:「風の回避行動で翻弄しろ!」
→ 敵の動きを先読みし、最終的に妹のハチマキを奪取
勝利:風属性チーム
咲良:「くっ……これは“風斬りの罠”……!」
俺:「いい加減、現実を受け入れろ!!」
【競技2:リレー】
・ラスト走者、咲良 vs レイ
→ 拮抗した走りの中、レイがゴール寸前で転倒!?
→ 咲良、助け起こして一緒にゴール(→周囲大歓声)
→ 結果:同着勝利扱い
◇
閉会式後、みんなが笑顔で記念撮影するなか、
咲良が小さくつぶやいた。
「属性とか関係なく、みんなで全力で走るって、
やっぱり一番カッコいいよね」
「……お前がそれ言うの、なんかズルいわ」
咲良:「でも、やっぱり“兄妹対決”は続けたいな。次は――学園祭、“ダンジョン屋台バトル編”だよ!!」
俺:「だから休ませてぇぇぇぇぇ!!」
こうして、義妹主導の“属性体育祭”は――
なんだかんだで、ちゃんと心に残る一日となった。
(つづく)
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