第29話『義妹、親戚の家でサバイバル遠征編を始める』
夏休み終盤――
俺たち篠原一家は、車で数時間かけて母方の実家へと帰省していた。
田んぼ、山、川。
空気がうまくて静かで、虫の声だけが響く。
「……ここなら、さすがにサバイバルはないだろ」
俺はそう信じていた。
――が、甘かった。
「お兄ちゃん、今日からここは“古代フィールド・ノスタル村(自称)”だからね!」
義妹・咲良が、親戚の家の縁側で宣言した。
「……おじいちゃんの家を勝手に古代遺跡みたいにすんな!!」
「だって! ほら、納屋とか神社の跡地とか、謎がいっぱいだよ!? サバイバル要素が無限だよ!?」
「もう帰っていいかな俺……」
◇
だが、今回のサバイバルはスケールが違った。
【ノスタル村・冒険ルール】
① 神社跡地に隠された“おばあちゃんの古文書(=昔のレシピノート)”を探せ!
② 竹やぶを越えて、虫取りミッションをクリアせよ!
③ 夜は“田舎の怪談編:納屋の灯りは誰がともす?”(※手作り紙芝居つき)
さらに、
・近所の子どもたち:すでに咲良と打ち解けて“咲良団”を結成
・従姉妹:巻き込まれて「咲良ちゃん、発想がRPGだね」と笑っている
・おじいちゃん:完全にノリノリで「よーし、ワシも山の守り神役やるか!」
「なんでみんな参加前提なんだよ!!!」
◇
結局、俺は
・竹やぶで汗まみれになりながらカブトムシを探し
・神社跡で謎のノートを発見(本当にレシピ帳だった)
・夜は納屋の前で“ランタンと謎解き”に参加させられ
気づけば、地元の子どもに「兄ちゃん、RPGの主人公っぽいな」と言われていた。
……俺、ただの巻き込まれ型NPCなんだけど。
◇
夜。
縁側でスイカをかじりながら咲良がつぶやいた。
「お兄ちゃん……こういう夏、絶対忘れたくないね」
「俺は……記憶から抹消したい……」
「それじゃあダメ! 来年は“村ダンジョン・完全版”でリベンジだから!」
やっぱり、この妹は最強で最凶のサバイバリストだ。
(つづく)
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——
ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!
その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。
読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。
「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!
皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。




