第28話『義妹、夏祭りを“金魚ダンジョン”に変える』
夕暮れの空。
町内の夏祭りが始まる頃、俺――篠原悠真はひとつの警戒心を抱いていた。
(今回は…頼むから、普通に楽しませてくれ……)
だが、その希望は――
浴衣姿の義妹・篠原咲良が金魚すくい前で高らかに言った瞬間に消し飛んだ。
「お兄ちゃん、ここが“金魚ダンジョン・水の試練編”のスタート地点だよ!」
「お前、町内の夏祭りをRPGにすんなぁぁぁ!!!」
「いいの! 金魚=水属性の使い魔、金の魚たちだよ!」
もう金魚もびっくりだわ。
◇
【金魚ダンジョン・ルール】
◎ 各屋台に“水属性アイテム”が配置されている(綿あめ=霧属性、ラムネ=回復薬、金魚=使い魔)
◎ 金魚を3匹以上すくえた者は、“金の釣り人”称号獲得
◎ 屋台で1000円以上使用した者は“ダンジョンマスターの祝福”を得る(=咲良が肩たたき券くれる)
俺:「お前、それ祭りじゃなくてフリーゲームの説明文みたいになってるからな」
咲良:「ふふっ、現実をファンタジーに染めるのが冒険者だよ♪」
近くの子どもたち:「咲良ちゃん、今日もなんかすごいね!」
母(浴衣):「金魚すくい、誰が一番取れるか競争よ〜!」
もうこの町、全体が義妹に毒され始めてる……!
◇
バトル開始(※金魚すくい)。
・兄 vs 妹 vs 母
・道具は1人1ポイ(紙のアレ)
・勝負は1回、取れた数で勝敗決定
結果――
咲良:「2匹! 惜しいっ!」
母:「0匹……おかしいわね、昔は得意だったのに……」
俺:「……4匹」
咲良:「お兄ちゃん、まさかの覚醒!?」
俺:「やっと1勝できた……!!」
周囲の拍手に包まれながら、
なぜか得た称号:【金の釣り人(義妹命名)】。
◇
その夜――
打ち上がる花火を見上げながら、咲良がつぶやいた。
「お兄ちゃん、今日の冒険……ちょっと泣きそうになるくらい楽しかった」
「そっか……じゃあ、来年も来るか?」
「うん! 次は“屋台ダンジョン・第二章”だね!」
「やっぱりそうなるんだな!!!」
こうして、夏祭りサバイバルも無事(?)に幕を閉じた。
俺の平穏はもう戻らない――でも、なんだかんだで悪くない。
(つづく)
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