第27話『義妹、ビニールプールを“ウォーターアリーナ”に変える』
土曜日、昼下がり。
暑さにぐったりしていた俺――篠原悠真は、
「今日は絶対クーラーの前から動かない」と決めていた。
だが、義妹・篠原咲良がポンっと水鉄砲を差し出してきた瞬間、運命は変わった。
「お兄ちゃん、ベランダ準備完了! 今日のステージは“ウォーターアリーナ”だから!」
「やだぁぁぁぁぁ!!!」
「いいから水着に着替えてきて!」
「そもそも俺、泳ぐ気ゼロだからな!!」
「大丈夫、ここは“戦場”だから泳がなくていいよ!」
それはもっと嫌だ。
◇
ベランダには――
直径2メートルのビニールプール。
その周囲には、クッション障害物・タオルで作った砦・ゴム製の障壁。
完全にサバゲー用ステージと化していた。
【本日のバトルルール】
◎ 使用可能武器:水鉄砲、水風船、霧吹き(奇襲用)
◎ 体に貼った“HPシール(3枚)”が全て濡れたら敗北
◎ 勝者には“アイス自由券”が授与される
俺:「賞品が地味ぃ!!」
咲良:「でも冷凍庫のアイス、母さんが1日1個って決めてるから、これは革命的なんだよ!」
それはちょっと欲しいかもしれん。
◇
バトル開始。
咲良:「ふふっ、いくよお兄ちゃん、くらえ――“ウォーターブラスト!!”」
俺:「技名つけるのやめろ!」
だがその瞬間、水風船が直撃。
「ぺちっ」と弾ける音とともに、胸のHPシールがずぶ濡れに。
1ダウン。
「くそっ……俺もやるしかねぇ……!」
ここからは怒涛の水鉄砲戦。
ベランダで伏せる、隠れる、撃つ。
水をかけ合い、バケツに足を取られ、
最終的に俺は――
バランスを崩してプールにドボン。
咲良:「ゲームセットー! 勝者、ウォータープリンセス・咲良!」
俺:「ずぶ濡れの敗北……!」
だが、暑さだけは完璧に吹き飛んでいた。
◇
そのあと、アイスを頬張りながら咲良が言った。
「ねぇお兄ちゃん。夏って、サバイバルの季節だね」
「お前にとってはな……」
でもまあ、笑ってる顔見ると、
暑いのも、濡れるのも――そんなに悪くなかったかもしれない。
(つづく)
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