第21話『義妹、夏休み初日から家族旅行をダンジョンにする』
夏休み、初日。
俺――篠原悠真は、旅先の旅館の天井を見つめながら思った。
(……今年こそ、穏やかに過ごす……)
だがその希望は、
チェックインから5分で粉砕された。
「お兄ちゃん、今日から“旅館ダンジョン”だよ♪」
部屋に入るやいなや、義妹・篠原咲良が飛び跳ねながら言い放った。
「いや、ここは“癒しの宿”だろ!?」
「ちがうよ! 今だけ、“謎解き型迷宮・温泉編”だから!」
どこのリアル脱出ゲームだよ。
◇
旅館の一室には――
・布団の下に“謎の暗号メモ”
・浴衣の袖に“隠されたキーアイテム”
・温泉の脱衣所に“ミッションカード”
咲良いわく、
【温泉の鍵を手に入れるまで、風呂に入れない】とのこと。
「いやいや普通に入りたいだけなんだけど!!?」
「そう簡単に癒しを得られないのが、冒険者の運命だよ、お兄ちゃん」
苦労の方向が完全に間違ってる。
◇
しかし母は――
「せっかくなんだから、ちょっとやってみたら?」
とニコニコ。
父も「非日常っていいなぁ」とか言って協力モード。
味方が……誰もいねぇ!!
◇
結局、夕飯前までに
・部屋の中を5回ひっくり返し
・旅館スタッフに「浴衣の替えありますか?」と何度も尋ね(アイテム探し)
・ロビーで「暗号解読中です」と堂々と謎解きを始め
最終的に、**浴場ののれん裏に貼られた“解放の証”**を見つけて入浴許可。
「……ようやく風呂に入れる……」
「お兄ちゃん、おめでとう! 第一ダンジョン・温泉の章、クリアだね!」
「全然癒されてねぇよ!!!」
◇
夜。
布団に入って一息つこうとした時――
「ねぇ、明日は“川遊びエリア・水の洞窟ダンジョン”だよ!」
「もう寝かせてくれぇぇぇ!!」
こうして、義妹による夏休みサバイバル旅行が始まった。
(つづく)
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