第20話『義妹、サバイバル最終決戦! 家全体がラスボスダンジョンに』
ある金曜日の夜。
静かに寝ようとした俺――篠原悠真の部屋のドアに、
一枚の紙が貼られていた。
【最終決戦開幕。
家全体、ラスボスダンジョン化しました。
勇者・お兄ちゃんの挑戦を待つ。――バースデーキング・サクラ】
「……ついに来たか……」
覚悟を決めて、俺は立ち上がった。
逃げても、明日はまた始まる。なら、今日終わらせるしかない。
◇
玄関からリビング、
キッチンから階段まで――
・「落とし穴ゾーン」
・「暗闇の迷路」
・「スモーク&音響トラップ」
・「無駄にリアルな敵(ぬいぐるみ部隊)」
すべて義妹の手によって、家庭内最強のダンジョンが完成していた。
そして最深部、リビングに待ち構えるは――
鍋フタの盾と泡立て器の剣を持った、ラスボス・咲良。
「よく来たね、勇者お兄ちゃん……!」
「……お前、これ作るのに何日かけたんだよ」
「3日!」
努力の方向、もうちょっとなんとかしろよ……。
◇
そして始まる、兄妹最終バトル。
・新聞紙ブレード vs 泡立て器ソード
・クッション弾 vs クッション弾
・水鉄砲 vs 水鉄砲
部屋の中で繰り広げられる、
壮絶かつ……
完全にアホな兄妹バトル。
だが、終盤。
ふと咲良がバランスを崩して転びそうになる。
「……っ!」
俺は思わず手を伸ばして、咲良を支えた。
◇
「……やっぱり、お兄ちゃんは勇者だね」
「……当たり前だろ、兄貴だからな」
そう言って、二人でクスクス笑った。
――なんだかんだで、これが俺たちの日常なんだよな。
◇
こうして、ラスボス戦は引き分けで終了。
「さて、平和な日常に戻るか……」
「いや、次のダンジョン考えてるけど?」
「もう終われよぉぉぉ!!!」
――篠原家の日常は、今日もサバイバルでいっぱいだ。
(完?)
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