生き人形遊び
前回に引き続き、今回も降霊術の話を紹介する。
今回紹介するのは、「生き人形遊び」というものだ。
少々手順が複雑なので、詳しいやり方などは、各自で調べてほしい。
簡単に紹介すると、某掲示板発祥で有名な「ひとりかくれんぼ」をより危険にしたもので、人形を使うことや、呼び出した怪異に見つかってはいけないことなど、共通点も多い。
ひとりかくれんぼや、前回紹介したスクエアもそうだけど、こうした儀式は未完成な部分があるようで、呼び出される怪異がどんなものか、誰にもわからないという問題がある。ただ、その中でも生き人形遊びで呼び出される怪異は、特に危険なことが多いようで、霊能力者などでも手に負えない怪異が来ることもあるそうだ。
だから、まとめサイトなどで見ると、「やる際は自己責任で」といった注意書きが、特に強く書かれていた。
それでも、人の好奇心はすごいもので、実際に生き人形遊びを行ったという人を何人か知っている。
その中で、今回はIという男性の体験談を紹介する。
Iは一人暮らしをしている大学生で、昔から様々なオカルト話を読んでいた。
また、某掲示板で語られる様々な怖い話などを調べるだけでなく、ひとりかくれんぼや、以前紹介した「異世界に行く方法」など、危険と言われている儀式のようなものを遊び半分で実際にやっていた。
ただ、これまでは特に不思議なことが起こらなくて、Iは拍子抜けしてばかりだった。
だから、生き人形遊びの噂を見た時、ひとりかくれんぼと似たようなものだろうと思いつつ、また実践してしまった。
夜の零時を迎えたところで、Iは書かれていた手順通りに生き人形遊びを始めた。
生き人形遊びは、最初に怪異が人形に宿るよう、言葉を五回唱えるといった手順がある。
それをやった後、Iは別の部屋に行き、怪異の宿った人形が来るのを待った。
今回こそ、何かが起こるのを期待しながら、Iは待っていたけど、特に何も起こらなかった。
そうしてしばらく待ったところで、チャイムが鳴った。
こんな時間に誰だろうかと思っていると、少ししてドアの開く音が聞こえてきた。
「I、もう寝ちゃったの?」
それは、母親の声だった。
生き人形遊びを行う際には、様々な注意点があり、その一つに一人でやらないといけないというものがある。
なので、こうして母親が来てしまった時点で失敗だ。
Iは電気をつけると、母親を出迎えようと玄関へ向かった。
でも、玄関に母親の姿はなかった。
聞き間違いや気のせいということはありえないし、Iは何が起こったのか理解できなかった。
そして、慌てて人形を確認しに行くと、そこに人形はなく、いくら探しても見つからなかった。
それ以降、Iの暮らす部屋では、何かが動き回るような音が続いた。
お守りやお札を買ってみたり、神社にお祓いを頼んだりしたものの、問題は解決せず、少ししてIは引っ越した。
ただ、今でも時々妙な物音が鳴ることがあるようで、Iを悩ませているそうだ。
さて、生き人形遊びの噂を調べてみると、呼び出した怪異が追いかけてくるだけでなく、部屋に居座るケースもあるそうだ。
やってきた怪異が一つとも限らないそうで、Iが暮らしていた部屋にも、何か怪異が残っている可能性は十分あるようだ。
その部屋が、あなたの今いる部屋でないことを心から願う。
そんな雑話でした。




