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銀河戦記フライハイト 〜廃棄惑星から始まる銀河帝国滅亡史〜【祝40万PV】  作者: 廣瀬誠人
第12章 領地査察編

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第112話 伯爵邸潜入

 ノルドステーションを出港してから、ちょうど一ヶ月。


 俺とシズ――ジョンとジェーンの兄妹を乗せた大型船は、ようやく目的地であるアイゼンハルト伯爵領の主星『アイゼン』の巨大な宇宙港へとその巨体を滑り込ませた。


 一ヶ月の船旅の間、俺はずっと下層デッキの貨物区画に入り浸り、主任のビル親方の下で「修理工のアルバイト」として汗を流していた。


 あの初日に発見したマター・ドロイド・インダストリー製のドロイドの減速機不良の件は、初日の夜にさっそく手を打っておいた。


 客船の周囲に熱光学迷彩を展開してステルス待機している俺の戦艦『フェンリル』を経由し、担当部署宛てに直接メッセージを叩きつけたのだ。


 無論、匿名などではない。


 新銀河帝国皇帝『クロウ・フォン・フライハイト』の署名入りで、「不良部品が混ざっている。どうにかしろ」とだけ送信した。


 今、俺の手元の端末には、その後の顛末を記した報告資料が上がってきている。


 ことの経緯は、こうだ。


 皇帝であり、オーナーである俺からの直接のクレーム――しかも品質管理の根幹に関わる致命的な欠陥の指摘――は、担当部署にとって死刑宣告にも等しい衝撃だったらしい。


 彼らは、自分たちが何もわからずに不良部品を納入されていたことに気づき、それを放置していたという重大な責任から、文字通り血相を変えて動いた。


 彼らは正規の警察組織や帝国軍には頼らなかった。


 巨大コングロマリットにもなると、自社の機密保持やトラブル解決のために、自分の身を守る『私兵組織』程度のものは当然のように運用しているのだ。


 だからこそ、こういう時のスピードは異常なほど速い。


 彼らは暗殺部隊に等しい私兵を即座に動かし、粗悪な代替素材を使ったギアを納入していた下請けサプライヤーの経営陣らを、その日のうちに全員拉致・拘束した。


 報告書によれば、サプライヤーの経営陣らは最初、会社の椅子にふんぞり返っていた頃のプライドが抜けきらず、「知らぬ存ぜぬ」で強気に黙秘を貫いたそうだ。


 だが、私兵たちも自分たちの首がかかっている。


 手加減などするはずがない。


 彼らは数週間にわたり、徹底的な「尋問」を行った。


 爪と肉の間に焼けた針をゆっくりと刺し込む『血のマニキュア』。


 ペンチで一枚ずつ生爪を剥いでいく古典的な拷問。


 そして、呼吸の限界まで汚水の入った水桶に顔を沈め、引き上げてはまた沈めることを繰り返す水責め。


 人間の尊厳を徹底的に破壊する、およそ現代的とは言えない野蛮な手段の数々。


 それに耐えきれるような胆力を持つ経営者などいるはずもなく、彼らは泣き叫びながら不正の全貌を自供した。


 そして自供を取り終えた後、彼らは一人残らず「秘密裏に処刑」されたとのことだ。


 自供は全てに勝る。


 正規の捜査機関を通した手続きや、法廷での裁判などは一切行われていない。


 まるでどこかの独裁国家の秘密警察のようなやり口だが、俺はこの報告を読んで、特に心を痛めることはなかった。


 私兵たちは、確固たる物的証拠(納入された粗悪なギアの成分データと、帳簿の不自然な資金の動き)が完全に揃っている状態で彼らを拘束したのだ。


 奴らに無実はあり得ない。


 帝国の経済インフラを危険に晒した大罪人だ。


 ただ、私兵たちは社内規定に則り、一応の「自供」という形式が欲しかっただけだ。


 さっさと自供していれば、数週間も地獄の苦しみを味わわずに済んだものを。


 欲をかいた人間の末路としては妥当な線だろう。


 問題は、その不良部品が使われて出荷されたドロイドの数だ。


 報告書に記された数字を見て、俺は思わずため息をついた。


 ――『10兆台』。


 それが、粗悪なギアを組み込まれたまま銀河中に出荷されてしまったドロイドの総数だった。


 会社としても、この件は大々的に公表せず、隠蔽する方向で進めるようだ。


 10兆台という途方もない規模のリコールを行えば、社会的なパニックと株価暴落は免れない。


 物流や生産ラインも完全に麻痺してしまう。


 だから彼らは、今後の「定期メンテ」の際に、サービスマンを派遣してこっそりと不良部品を正規品に変えていくという『サイレント修正』を選択した。


 企業論理はともかく、経営判断としては極めて正しい。


 俺は報告書の確認を終えると、データを完全に消去した。


「ジョン!いよいよ到着だぞ!一ヶ月間、本当によくやってくれたな!」


 タラップへ向かう通路で、ビルの親方が分厚い手で俺の背中をバンバンと叩いた。


「いや、こちらこそ世話になったよ、親方。おかげで退屈せずに済んだし、いい小遣い稼ぎになった」


 俺は油の匂いが染み付いた作業着姿のまま、ビルと固い握手を交わした。


「お前さんの腕なら、アイゼンハルト領でもどこでも引く手あまただろうさ。もし食いっぱぐれたら、いつでもこの船に戻ってきな!ジェーンちゃんも、兄貴の手綱をしっかり握っとけよ!」


「はい、ビルさん。お世話になりました」


 隣で地味なパーカーを着たシズ(ジェーン)が、完璧な作り笑いで頭を下げる。


 俺たちはビルの親方に笑顔で手を振り、大勢の乗客の波に混じってタラップを降りていった。


 ***


 宇宙港のゲートを抜け、外の空気を吸った瞬間。


 俺の視界に飛び込んできたのは、ひどく淀んだ、灰色の景色だった。


「……ここがアイゼンハルト伯爵領の主星、アイゼンか。なんだ、このひどい有様は」


 俺は思わず眉をひそめた。


 宇宙港の巨大な建物を一歩出ると、そこはまるでスラム街のような光景が広がっていたのだ。


 道路の舗装はひび割れ、空を飛ぶエアカー用の交通管制ネオンは半分が明滅して壊れている。


 建物の壁面には下品な落書きが描かれ、路地裏には身なりの汚い人々がうずくまり、虚ろな目でこちらを見ていた。


「はい、兄さん。事前のデータ通りですね」


 シズが周囲を警戒するように視線を走らせながら、淡々と答える。


「アイゼンハルト伯爵領は、旧帝国時代から周辺星系との交易で栄えていたはずですが……この有様を見るに、旧帝国の重税のせいで、基本的なインフラ整備にまで金が回っていない様子です」


「どこもかしこも薄汚いな。建物の窓も、割れたまま放置されてるところが多い。……上級貴族である『伯爵』の主星が聞いて呆れるな、これは」


 俺は舌打ちをした。


 新銀河帝国の傘下に入って一ヶ月が経つが、街の空気というものはそう簡単には変わらない。


 彼らは何百年もの間、このような環境で押し込められ、生きる気力すら奪われていたのだ。


「やはり『割れ窓理論』でしょうね」


 シズが歩きながら解説を始める。


「建物の窓が一つでも壊れているのを放置すると、それは『誰もこの街に注意を払っていない』という象徴になります。やがて、モラルは崩壊し、他の窓もまもなく全て壊される。ゴミはポイ捨てされ、壁には落書きが増え、軽犯罪が横行するようになり、治安も悪化の一途を辿る……まさに、この街の現状そのものです」


「違いない」


 俺は吐き捨てるように言った。


「民の生活環境を整えるのは、為政者の最低限の義務だ。街の窓一つ直せないような奴が、数百億の命を預かる領主を名乗る資格はない。……まずは『本丸』で情報収集だ。行くぞ、ジェーン」


「はい、ジョン兄さん」


 俺たちは宇宙港のタクシー乗り場で、比較的マトモな外装のエアカーを拾い、アイゼンハルト伯爵の屋敷がある中心街へと向かった。


 エアカーの車窓から流れる景色も、惨憺たるものだった。


 中心街に近づくにつれて、少しずつ建物の背は高くなり、割れた窓は減っていく。


 だが、それでも全体に漂う重苦しい空気は変わらない。


 道ゆく人々の顔には疲労が刻まれ、誰もが俯き加減で歩いている。


「で、手筈は整えているんだろうな?」


 俺は運転手の耳に届かないよう、後部座席でシズに小声で尋ねた。


「はい、抜かりはありません」


 シズは端末の画面を指で弾きながら答える。


「現在実施しているドロイドの『サイレント修正』のスケジュールを利用しました。アイゼンハルト伯爵家が保有するドロイドの定期メンテナンスのサービスマンとして、我々二人の正規IDを登録済みです。本日、この足で屋敷に潜入します」


「なるほどな。修理工のアルバイトから、今度はメーカーの正規出張修理か」


「マスターは事前の設定通り、ドロイドの整備を完璧にこなしてください。怪しまれないための最大の隠れ蓑です。その間に……私は、ジェーンという見習いのフリをしながら、伯爵家のメインサーバーにハッキングを仕掛け、内部の機密データを全て抜き取りますので」


「裏帳簿から、非合法な取引の証拠まで、丸裸にしてやれ」


「お任せください。私の並列処理能力をもってすれば、伯爵家程度の旧式ファイアウォールなど、無いも同然です」


 しばらくすると、エアカーは小高い丘の上に建つ、無駄に豪奢な門構えの屋敷の前で止まった。


 市街地のあの惨状を見た後だと、この過剰なまでに装飾された伯爵邸の存在自体が、吐き気を催すほどの悪趣味に感じられた。


 民を搾取して建てた城。まさに旧帝国貴族の象徴だ。


 俺とシズはエアカーを降り、工具箱を提げて重厚な鉄格子の門番の所へと向かった。


 門番は武装した兵士だったが、新銀河帝国軍の規律ある兵士とは違い、どこか緩んだ雰囲気を纏っていた。


「お待ちしておりました。いつもお世話になっております」


 俺は、愛想のいい営業マンの笑みを顔に貼り付けて門番に話しかけた。


「私、マター・ドロイド・インダストリーの上級ドロイド技師、ジョン・スミスと申します。こちらは妹で、見習いドロイド技師のジェーンです。本日は、アイゼンハルト伯爵家のドロイド定期メンテナンスでまいりました」


 俺がシズの発行した正規の電子身分証を提示すると、門番は携帯端末でそれをスキャンした。


 ピーッ、と緑色のランプが点灯する。


「ああ、聞いてるよ。本部からの出張サービスだな、入ってくれ」


 門番はあっさりとロックを解除した。


「いやぁ、最近うちのドロイドたちの調子がどうもおかしくてね。動きが鈍いというか、ギクシャクしてるんだ。本部の熟練の上級技師さんが来てくれて助かるよ」


「ええ、お任せください。最近、特定のロットで減速機に不具合が出る事象が報告されておりまして。本日はその無償交換も兼ねております」


 俺が適当な営業トークを返すと、門番は疑う様子もなく屋敷の中へと案内してくれた。


 こんなにもあっさりと伯爵家の本丸に潜入できてしまった。


 セキュリティの甘さもまた、この領地のたるみを象徴している。


 屋敷の内部は、外観に違わず豪華絢爛だった。


 床には毛足の長い絨毯が敷き詰められ、壁には高価な絵画や装飾品が飾られている。


 俺たちは案内された広々とした応接室で待たされた。驚いたことに、そこではメイドが高級な香りのする紅茶と、見事な茶菓子を出してくれた。


「ほぉ、こいつは驚いたな」


 俺は出された紅茶を一口すすり、小さく呟いた。


「ただのメンテナンス業者に対して、これだけの歓待をしてくるとはな。旧帝国の貴族なら、平民の業者なんて裏口から入れて、水一杯すら出さないのが普通だぞ」


「……表面上は、新帝国の理念である『平民への敬意』を取り繕おうとしているのでしょう」


 シズが茶菓子には手を出さず、冷ややかな視線で室内を観察しながら答えた。


「あるいは、巨大企業への忖度か。どちらにせよ、アイゼンハルト伯爵という人物が、ただの傲慢なだけの愚か者ではなく、風見鶏のように立ち回る狡猾さを持っている証左です」


「厄介なタイプだ。だが、尻尾は必ず出す」


 しばらくすると、初老の品のいい執事が応接室に現れた。


「お待たせいたしました、スミス様。本日はご足労いただき、感謝申し上げます。今回のメンテナンス予定のドロイドは、別室に集めてございます」


 俺たちは執事に案内され、屋敷の奥にある広大な屋内訓練場のような場所へと通された。


 そして、そこに整列しているものを見て、俺は思わず内心で眉をひそめた。


「……今回の対象は、こちらになります」


 執事が恭しく示した先には、純白の礼装に身を包んだ、美しい女性型ドロイドが整然と並んでいた。


 その数、およそ数百体。


 それは、戦闘護衛と高度なメイド業務を両立させたハイエンド機『セラフィム』シリーズだった。


 一体につき、家が丸ごと買えるほどの値段がする代物だ。


 それを数百体も個人で所有しているとは。


(アイゼンハルトの野郎、どんだけ金を持て余してやがるんだ……。民の窓ガラスを直す金はないくせにな)


 怒りを奥底に押し殺し、俺は営業用の笑みを浮かべた。


「なるほど、見事なセラフィムですね。……おそらく、不調の原因は脚部フレームの内部に組み込まれた小型減速機のアライメント狂いでしょう。すぐに作業に入らせていただきます」


 俺は工具箱を置き、先頭の一体へと歩み寄った。


「ジェーン、サポートを頼む」


「はい、ジョン兄さん」


 俺はセラフィムの後頭部にあるメンテナンスポートを開き、その美しいが無機質なカメラアイに、自分の右目を近づけた。


『ピピッ……虹彩パターン照合……生体認証クリア。最上位管理者権限を承認しました』


 セラフィムの瞳が、青から淡い金色へと変化する。


 通常のメンテナンスモードよりもさらに深い、OSの根幹にアクセスできるモードだ。


 その光景を見ていた執事が、信じられないものを見るように目を見開いた。


「お、驚きましたな……。今の認証は、『最上位管理者権限』ではありませんか?」


 執事は声の震えを隠しきれていなかった。


「私の記憶が確かならば、その権限のパスを付与されているのは、本社の役員クラスか、それに匹敵する超一級の技師だけであったはずですが……」


 だが、俺は慌てることなく、余裕の笑みを浮かべて執事を振り返った。


「お詳しいですね。ええ、会社の役員名簿には私の名前は載っていないのですが……裏方として、私もそれに準じる立場を任されておりましてね。今回は伯爵家の重要な機体ということで、特別に私が派遣されたというわけです」


 俺が堂々とハッタリをかますと、執事は納得したように深く頷き、安堵の表情を見せた。


「なるほど、そういうことでしたか。……安心いたしました。これならば、旦那様の愛蔵のドロイドたちを、安心して任せられますな」


「ええ、完璧に仕上げてご覧に入れますよ」


 会話を終えると、俺は作業を再開した。


 減速機の交換自体は、船でやった作業と基本は同じだ。


 ただ装甲の取り外しが少し複雑なだけ。


 俺の腕なら、一体数分で終わる。


 一方、シズはというと。


 彼女は俺の傍らに控え、見習い技師らしく「はい、トルクレンチです」「予備の減速機はこちらです」と作業を手伝うフリをしている。


 誰がどう見ても、健気で大人しいアシスタントの少女にしか見えない。


 だが、その裏で。


 彼女の電子頭脳は、持参した工具箱に偽装された超高性能の量子通信モジュールを通じて、伯爵邸のメインサーバーに対して猛烈なサイバー攻撃を仕掛けていた。


 表向きは「セラフィムの診断データを無線で吸い出している」ように偽装しながら、その実、伯爵邸のファイアウォールを何十枚もぶち破り、機密領域へと侵入していく。


 シズの瞳の奥で、無数のデータ列が滝のように流れ落ちているのが、長年付き合っている俺には分かった。


 カチャリ、と俺が三十体目の減速機を交換し終えた時。


 シズが工具を渡すふりをして俺に身を寄せ、耳元で微かな声で囁いた。


「……あと10分です」


 俺は表情を変えず、ただ軽く頷いた。


 そのまま黙々と、流れるような作業を続ける。


 執事は俺の鮮やかな手つきに見惚れており、すぐ目の前で伯爵家の機密がごっそり盗まれていることなど、微塵も気づいていない。


 そして半日後。


 数百体に及ぶセラフィムの減速機交換と、再キャリブレーションが全て完了した。


「作業完了です。これで、以前よりも遥かにスムーズに動くはずですよ」


 俺が額の汗を拭うふりをしながら告げると、執事は深く頭を下げた。


「見事な手際、感服いたしました。スミス様、ジェーン様、本日は誠にありがとうございました。旦那様もさぞお喜びになるでしょう」


「どういたしまして。弊社は常に最高の品質をお約束しますから」


 俺たちは執事に見送られ、悠然と伯爵邸を後にした。


 来た時と同じエアカーに乗り込み、手配しておいた市街地のホテルへと向かう。


 夕暮れ時のアイゼンの街並みは、相変わらず薄暗く、陰鬱な空気を漂わせていた。


 エアカーの防音ガラスが閉まり、完全にプライベートな空間になったことを確認してから、俺は座席に深く背中を預け、ネクタイを少し緩めた。


「ふぅ……。数百体のメンテは流石に骨が折れたな。で、どうだった?」


 俺が問いかけると、隣に座るシズが眼鏡の位置をクイッと直し、冷徹な国務尚書の顔に戻って答えた。


「完璧です。伯爵家のサーバーから、データはすべて吸い出せました」


 シズの指先でタブレット端末が青白く光る。


「これから、並列処理にて分析を開始します。……あの過剰なまでの豪華な屋敷と、数百体のセラフィム。そしてこの荒れ果てた街並み。その『差額』がどこから来ているのか、すぐに明らかになるでしょう」


「ああ、何かわかるといいんだがな」


 俺は窓の外の、薄汚れた街路灯の下でうずくまる貧民たちを見下ろした。


「……いや、違うな。何かが『見つかる』に決まってる。アイゼンハルト伯爵。もし貴様が、新帝国の法を隠れ蓑にして、未だにこの民たちを食い物にしているのなら」


 俺の目に、魔王としての冷たい殺意が宿る。


「その時は、あの屋敷ごと、貴様の存在をこの銀河から消し去ってやる」


 エアカーは、夜の闇に沈みゆくアイゼンハルト伯爵領の市街地を、静かに走り抜けていった。


 裁きの時は、もうすぐそこまで迫っていた。

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