55 よく伏線漫画とかである謎解きパート
――コウリン妃が現帝の妃となったのは、アイリン妃の勝手が原因であった。
衝撃的な事実がアイリン妃本人の口から明かされる。シードゥ妃、オウラン妃、そしてレイレイ含む毒見役、その場にいた全員がその事実に対し動揺を見せた。
では、一体なぜ、アイリン妃は無理してでも、コウリン妃に妃としての座を継続させたのか。その理由を今からアイリン妃自身が語る――。
* * *
「そもそも、コウリンは幼女性癖であった先帝によって、幼いながら妃になったの」
アイリン妃の語りは、コウリン妃が先帝の妃であった時期のことから始まる――。
「その先帝が崩御し、コウリンは未亡人――要は、居場所を失ってしまっていたのよ」
未亡人――現代では不適切な表現であるため、あまり聞き馴染みが無い読者もいるだろうが、まあ簡単に言えば、夫である先帝と死別したということだ。いやはや、幼女性癖である先帝とおさらばしたんだからハッピーじゃんかと、そう思うっていう意見があったっていいじゃないと、そう思うかもしれない。だが、そんなに単純なことじゃあない。
「未亡人となったコウリンは居場所を失うわ。それは何故かというと、彼女の生まれが西方の国・バルーサの移民族の生き残りだから。特殊な生まれだもの。この国・ジンで彼女のような特殊な人種が相手にされないってことは、当然分かるはずよ」
アイリン妃の言い分は筋が通っていた。要領の良いレイレイはすぐに彼女の説明で理解した。そうだ――アイリン妃がコウリン妃を現帝の妃とした――その理由は紛れもない。
アイリン妃が彼女を――コウリン妃自身を守るためだったのだ。
アイリン妃は最終的に、こう結論付ける。
「特殊な生まれのコウリンを守るため――その理由で私は彼女に妃を継続させた。ただそれだけ――まだ幼いコウリンを私はただ、守りたかっただけなの…」
どこか切ない様子で、淡々と事実を語るアイリン妃。コウリン妃を守りたい――その一心で彼女は動いていた。だが当然、この言い分に気に食わない輩もいるようで――、
「守りたい、か…。個人の見解によって妃継続を実行するなど、甚だしい」
「シードゥ…」
やはりかと、そう言いたくなる。シードゥ妃――この人ったら全く、さっきから厄介だ。だが、彼女の言っていることもまあ分からなくもないと、レイレイはそうも思っていた。
なぜって? まあ、コウリン妃のことを不憫に思い、彼女のことを救おうとしたアイリン妃は確かに素晴らしい。ただ、シードゥ妃の言う通り、やはり個人の見解によって帝の妃を選ぶのは無茶だ。それに、コウリン妃は妃になるにはやはり幼すぎる。あんまり言いたくはないが、ロリ妃――だなんて巷で言われちゃうのも仕方がないという訳だ。
とまあ、なんだか今回の話は長くなってしまった。しかも、ちょっとムズイ。ゴメンな。次回からはちゃんと面白くなるはずだ。この茶会編――よく伏線漫画とかである謎解きパートだと思って我慢して読んでくれ。




