50 虚勢
この小説も早くも五十話目かよと、冒頭から早速、メタ発言をする。なにせ、本編があのギスギス具合なのだから、メタ発言でも挟んどかないと作者のメンタルが持たない。
さて、前回はどんな話だっただろう。そうだ――お茶会にて、コウリン妃が苦手な無糖茶を満を持して飲んだのだったが、その様子に対して『場違いだ』と無口なシードゥ妃が突如口出してきたのだった。いやはや、このシードゥ妃って人は全く、何をそんなにコウリン妃に文句があるんだか。
「ねぇ、コウリン妃」
「…何ですか、シードゥ様」
冷たい視線を向け、シードゥ妃は淡々と話す。対し、コウリン妃は怯えていた。
「園遊会での毒見の事件がまだ解決していないってのは、ご存知かしら?」
「…はい。知っていますが…」
おっと――一体急に何を言い出すんだよと、そう思っていた矢先、シードゥ妃の口から出たのはまさかのこの間の園遊会で起きた話題。いや、そういえばそうだったな――園遊会での毒見の事件――誰が妃が召し上がる小鉢にスイセンを入れたのか――そのことは依然として解決していなかったと、レイレイはシードゥ妃の発言から思い出した。
いや、にしても、だ。一体なぜ、シードゥ妃は今になってわざわざ、この話をこの妃のお茶会という場で持ち出してきたのか。まあ確かに、未解決の事件というのは非常に恐ろしいし、早く解決に向かうべきだが、このお茶会はあくまで楽しくやるべきだ。なぜ不穏な話題を急に話すのか――彼女の真意が良く分からない。
レイレイやコウリン妃が不思議に思う中、シードゥ妃はこう続きを話した。
「私は貴方…コウリン妃があの事件に関与していたのではないかと、そう踏んでいる」
「えっ…??」
はっ――?? と、誰もが思っただろう。いや、レイレイも、作者でさえも、だ。シードゥ妃の発言はマジで意味が分からない。園遊会での事件にコウリン妃が関与しているだと?? 言い換えれば、シードゥ妃はコウリン妃が他の妃への殺害未遂があったと言っているようなもんだ。全く――、優しくて可愛いコウリン妃に限って、そんなことあるもんかと、彼女の侍女であるレイレイは憤りを隠せない。
「貴方には犯行を実行する動機がある。貴方は西方の出身であり幼い。故、私含め他の妃達から忌み嫌われているでしょう? そのため、私達を殺害しようと考えていた可能性もある」
「…そんなの、虚勢にしか聞こえません」
「いいえ。根拠はちゃんとある。私の話を聞きなさい、コウリン妃」
怯えながらも抵抗するコウリン妃。果たして、シードゥ妃が語る犯人断定の根拠とは――。




