49 場違いな妃
コウリン妃に優しく手を差し伸べるアイリン妃と、それとは対照的に、納得がいかないオウラン妃。そして、妃はもう一人いる――。
* * *
オウラン妃の圧に負け、さっさと茶を飲むことにしたコウリン妃。いやいやながら口を出した。苦い――まだ幼い身体にはその良さは伝わってこない。だが、我慢して何とか飲む――。
「おお、いけんじゃねぇか」
「…美味しい、ですわ」
「ホントか? その割には全然美味しいって顔してねぇが」
「…」
ったく、このオウラン妃ってヤツは全く、うざいやつだねぇ(ド直球)。コウリン妃が頑張って苦手な無糖茶を飲んだっていうに、まだ文句があんのかよと、レイレイはイラついた。
と、その時――、
「ねぇ、コウリン妃。貴方、やっぱり場違いよ」
「えっ…」
突如、今まで聞いたことのない声が、聞こえてきた。この声の主はそう――もう一人の妃――静かで、何を考えているか分からなくて、いつもミステリアスなあの妃――。
「シードゥ様…」
そう――シードゥ妃。今まで一度も発言をしてこなかった彼女が突如、発言した。それも、コウリン妃に対して『場違い』だなんて。あまりにも直球で、酷すぎる。
コウリン妃は固まった。動揺で今にも泣きだしそうだ。ったく、にしても、だ。なんでさっきからこのお茶会はギスギスしているんだか。いやはや、妃同士仲よくしろよと、そう作者も思いたいし、もうこんなギスッてる話はぶっちゃけ書きたくないのだが、話の展開的に仕方ない。
そして、この展開に、主人公・レイレイはこう思っていた。女同士で集まれば、多少のギスりってのがあってもおかしくはない。いや、それ言ったら女性差別になるだろうと、男同士でもギスることあるだろうと、そうツッコミがあることは分かっている。いやはや、これはあくまで作者の考えではなくて、レイレイの考えだっていうことを忘れてはならない。
さて、話がやや脱線してしまった。なんだっけ。そうだ――シードゥ妃がコウリン妃に急に『場違い』だなんて言ってきたんだった。いや、なんだよこのシードゥ妃ってヤツ。オウラン妃も大概だったけど、コイツも中々やべぇヤツじゃねぇかと、そう思うのである。
「コウリン妃…貴方、もっと妃であるという自覚を持ったらどうかしら?」
「……」
「…何を黙っているの?」
って、今まで黙っていたお前には言われたくない台詞である。とまあ、コウリン妃は傷ついてフリーズしてしまっているので仕方ないし、このギスりに干渉はしたくないのか、唯一の救いであったアイリン妃も全くコウリン妃のサポートはしてくれなくなった。ただ盲目的になり、この嫌な状況が過ぎるのを黙って待っている。果たして、コウリン妃――どうする??




