04 小さなプリンセス・コウリン妃
ここ――後宮には、四人の妃が住んでいる。
総称で四妃と呼ばれ、彼女らは皇帝の正室である皇后のすぐ下にある『正一品』という地位の最高位側室である。また、本来は皇后が担う後宮の管理や儀礼などの職務を、四妃が分担して代理を務めることもあったそうな。
そして、その四妃の内の一人――コウリン妃は賢妃であり、四妃の中では最も序列的には低いが、非常に魅力的な女性――否、少女であった。
少女と、そう妃に呼ぶにはやや失礼かもしれないが、コウリン妃の姿を見れば、そう呼んでしまうのにも無理はない。なにせ、彼女――コウリン妃は齢十二。現代に生きていれば、まだ小学六年生くらいという非常にお若い方だ。それになんか巷では、大変失礼だとは思うが『ロリ妃』だなんて囁かれているとも聞くし、要するに彼女――、
小さなプリンセスってヤツだ。
コウリン妃は元々、先帝の妃であったが、先帝は体調があまり優れておらず崩御、要は亡くなってしまった。そして、現在は現帝に引き取られ四妃に仲間入りしたそうな。にしても、当時の先帝、トンだロリコンやろうだな。
ってのはひとまずさておき、今は物語の続きってヤツをやろう。読者の皆もそれを望んでいる。などと急なメタ発言は冷める。前回の話は確か、手習い所に行ったレイレイが血を流さずに倒れている女官を見つけ、側にいた宦官に話し始めたところで終わったか。
さて、レイレイはなにやら推理をし始めている。手習い所で起きたこの事件――手習い所という場所は無論、文字を習う場所であるから、墨や筆を使用する。墨――墨ってのにも一概に『墨』って一括りにできる訳じゃない。『墨』にも色々種類ってもんがあるのだ。
書道用の墨は一般的に煤や膠や香料などを混ぜて作られており、誤って口にしても急性の毒性はない。ということは、墨による犯行という線は薄いか――。
否、バカか。さっき墨にも種類があるって言ったばっかだろが。そう――墨と言えば、あとは――そうだ。イカやタコによる墨。だが、イカ墨は皆さんご存知の通り食用に使われることもしばしば、人間に対して毒性ってのは全くない。あとはタコだが――、タコも人間に対して強い毒性はない。
だが、タコは確かに墨には毒がないが、唾液に毒を持つヤツもいる。そう――例えば――、




