39 妃達の食事会
――犯人は誰か?
今回の事件――園遊会にて、妃の召しあがる食事に誰が毒を盛ったかという、今までの事件よりも規模の大きい事件である。殺害を未然に塞ぐことができたことが不幸中の幸いではあるが、もし毒見をしていなかったら妃が死んでいたかと思うと、だ。いやあ恐ろしい。
犯人はおそらく厨師達の誰かか配膳係の侍女達の内の誰かだ。しかし、そこから犯人を一人、または複数に絞り出すのは容易ではない。今までの事件――手習い所や湯殿の事件では規模が狭いので簡単に犯人を絞ることができたが、今回の事件は様々な人が関与している可能性がありうる。
冒頭から長々と話したが、要は今回の事件――、
「現状では、今回の事件――解決できません」
「なぬ…? では、今は犯人を見送る、と?」
「はい…そうせざるを得ません。それに、今は園遊会を続行することが何よりも最優先です」
「そうか…では、仕方ないな」
リンシと話し、レイレイは冷静な判断を下した。毒が盛られたと発覚した小鉢だけ回収し、そのまま園遊会は続行する。確かに、ここで犯人を見逃し自由の身にするのは危険かもしれないが、残念ながらそれしか今は策がないのだ。何より、園遊会は妃のための一年に二度しかない貴重な会。
そして、不穏ながらも、妃達の食事会が始まった――。
* * *
「あら、美味しい~」
なにかと嬉しそうにお食事なさるのは、我が紅玉宮の妃・コウリン様である。彼女は食事が好きだ。いっぱい食べる君が好き~っていう懐かしいフレーズがあるだろうが、それはまさに彼女みたいな人のことを言うのだろう。なにせ、ご飯一杯食べてる女の子って可愛いったらありゃしない。
それに、だ。コウリン妃はどんなに食べても太らない。いや、なぜだか身長も伸びないし、そのたわわに実った果実だけが豊満に成長していくのだ。一体、どういう身体の構造をしているんだか。
「コウリン、美味しそうに食べるわね」
「…ええ。すごく美味しいから…」
と、そのコウリン妃の横で食事をするのは、青く美しい衣を纏った一人の妃。バストだけが豊満で他は華奢なコウリン妃と違い、その妃は出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んでいるコントラストのある魅力的な大人の女性――彼女は確か――、
藍玉宮の妃――アイリン様だ。藍色のストレートロングヘアに切れ長の目、乳白色の肌でいかにも大人っぽい見た目をしているが、これでもまだ齢十九。現代でいう、大学一年生ぐらいだが、本当に大人っぽく見える。それでも、バストならコウリン様の方が勝っているが――、
とまあ、レイレイというこの女、自分がまな板だからと言って、同性の果実を観察するという野蛮な趣味を持っているらしい。ったく、こヤツってモンはホント…




